本を片手に、元祖早矢仕ライスと爽やかドリンクを『HAMARU ラクシス フロント店』【馬車道】
横浜市庁舎1・2階に構える商業施設「ラクシス フロント」内に出店する、横浜で創業した書店『丸善』の新業態。
丸善創業者の早矢仕有的(はやしゆうてき)が考案したと伝わる早矢仕ライスは、甘さとコクが相まって贅沢な濃厚さ。爽やかな酸味が広がる檸檬スカッシュとのコンビネーションもよい。購入前の本を試し読みできるという贅沢もじっくりと堪能したい。
『HAMARU ラクシス フロント店』店舗詳細
テーブルに華を添えるイチゴのコンビ『馬車道十番館 喫茶室』【関内】
ステンドグラスやバラが醸す空間に目を奪われ、ショーケースに並ぶ端正な洋菓子にため息。迷ったら、粉砂糖でおめかしした丸型ショートケーキを。創業以来不動の人気で、ふわふわスポンジ&軽い口溶けの北海道産生クリームに、イチゴの酸味がはじける。
合わせるならクリームソーダを。定番のメロンもあるが、「イチゴもおすすめですよ」と店員さん。果肉を用いた自家製で、すっきりとした喉越し。バニラアイスが上品な甘みを添え、心もとろける。
『馬車道十番館 喫茶室』店舗詳細
古くて新しい駅前喫茶で名物おやつを『樹根巣(ジュネス)』【戸部】
「実家が以前近くでパン屋を営み、喫茶もやっていたんです」とは、前店主から2018年頃に営業を引き継いだ西村翠(みどり)さん。
パン系に力を注ぐ中、人気を誇るのが小倉トーストだ。43㎜と分厚いトーストは中までふかふかで、2色2列の山並みがしゃれっ気たっぷり。そのままかじり、混ぜて味わい、さらに塩を振ればコクと甘みがグンと引き立つ。
サイフォンコーヒーも合うが、illyの豆を用いたエスプレッソが香るカフェシェケラートも相性抜群。
『樹根巣』店舗詳細
歴史的建造物で西洋の文化人気分に『CAFÉ de la PRESSE(カフェ ドゥ ラ プレス)』【日本大通り】
戦前建築の様式が美しく、窓からも同時期の歴史的建造物を望む。見目麗(みめうるわ)しきフランス菓子が揃う中、風変わりなのがモンプティングだ。プリンがとろりと甘く、カラメルジュレが香ばしさをやさしくたなびかせる。
そして、近隣の建物にちなんだコーヒーもユニーク。裁判官たちのカフェにはオレンジリキュールが添えられ、コーヒーに入れてもいいが、「ちびりちびりと飲むのもおすすめです」と、店長の林未央さん。昼下がり、甘い背徳感に浸りたくなる。
『CAFÉ de la PRESSE(カフェ ドゥ ラ プレス)』店舗詳細
ひっそり愉しむ中華街のお茶の時間『萬來行(ばんらいこう)カフェ』【元町・中華街】
階下の雑貨店と打って変わった別世界。美しいブルーの壁に、センスいい中国アートが映える。「ゆっくりしてほしくて」と話すのは店主の竹本章さんだ。
ゆったり腰掛け、最高級茶葉のジャスミン茶をすすると、華やかな香りがパッと花開く。お供には杏仁豆腐を。ぷるんとしてなめらか、添えたアーモンドが香ばしい。蒸しパンのマーライコウの甘みも捨てがたし。
「シンプルでしょ」と笑うが、上質な中華ティータイムが贅沢(ぜいたく)な時間へ誘う。
『萬來行カフェ』店舗詳細
氷山アイスコーヒーに首ったけ『炭火焙煎珈琲 無』【元町・中華街】
アイスコーヒーが運ばれるとその姿に仰天。コーヒーの氷山がグラスから大胆にはみ出し、そそり立つ。
1985年に創業した中津徳正さんは「テレビを見ながら思いついて」と、約30年前からこのスタイルに。手がすくたびに神戸『萩原珈琲』の深煎り豆をドリップし、一晩寝かせていて、深みのある苦味が鼻腔へ押し寄せてくる。
そして、氷塊は1時間経っても氷塊のまま。ほのかな酸味漂う濃厚レアチーズケーキとのんびり味わいたい。
『炭火焙煎珈琲 無』店舗詳細
構成=アド・グリーン 取材・文=佐藤さゆり(teamまめ)、千葉香苗(『HAMARU ラクシス フロント店』) 撮影=佐藤侑治、千葉香苗(『HAMARU ラクシス フロント店』)