スパイスカレーに鎌倉の旨味を凝縮 『旧ヤム邸かまくら荘』[長谷]
月替わりカレーに週替わりA、Bいずれか、または両方を組み合わせる。鎌倉市農協連即売所(レンバイ)などで食材を仕入れ、毎回それらを生かしたレシピを考えるが、「それぞれ辛味系、酸味系、まろやか系などタイプを分けます」と店長の黒澤克浩さん。あふれる旨味がみずみずしい鎌倉・湘南野菜と出合い、にぎにぎしく味覚を刺激。後半はセットにつく鎌倉産あかもくのアチャールも投入し、いざ味変! しらすのアチャールを追加注文するのもあり。
『旧ヤム邸かまくら荘』店舗詳細
スペイン人直伝の滋味深き田舎の味『marisqueria morimori』[七里ケ浜]
たっぷりの魚介で旨味をうんと染み込ませたシーフードパエリア。「作り方はスペイン人から教わりました。サフランではなくイカのわたを使うカタルーニャ風。田舎の味です」と店主の森山和夫さん。食べ進めるごとに出汁を含んだ米がじわじわ滋味をにじませ、ふくよかな磯の香りが優しく鼻に抜ける。1人前から注文可。完成までに30~40分かかるので、待ち時間には地魚のカルパッチョで一杯。
『marisqueria morimori』店舗詳細
存分に引き出された素材の持ち味を堪能『IL BIRRAIO』[長谷]
気軽なトラットリアで、季節に応じて近海の魚介を使ったパスタも登場。例えば釜揚げにしたふかふかな白魚は、青のり、パセリと合わせてアーリオ・オーリオに。頬張ると華やかな香りが舞い、白魚の甘みがふわり。イタリアの海に近い街で経験を積んだ店主の坂下祐樹さんは「その時々手に入るもののよさを最大限に引き出すよう心がけています」。肉料理も評判なので黒板メニューもチェックして。
『IL BIRRAIO』店舗詳細
山間の古民家で内側から癒やされる『La maison ancienne』[極楽寺]
古民家を利用したカフェで、床や天井の木目まで味わい深い。人気は、スリランカ人のオーナーが同郷のシェフを迎え、2021年から出すようになった本場のカレーだ。内容は日替わりだが、写真のポークカレーとベジタブルココナツカレー、大根カレーの合い盛りは、辛さだけでなく甘み、旨味が絶妙に絡み合い、後味穏やかな癒やし系。最後はパパダムを崩し、全部を混ぜながら食べるのがいい。
『La maison ancienne』店舗詳細
お茶とお菓子の意外なマリアージュ『TEA COFFEE HASEROJI』[由比ケ浜]
坪庭を眺めて過ごす、とっておきの時間。お供は、スコーンと冷緑茶という意外な組み合わせだ。注文ごとに急冷式で淹れる冷緑茶は最後の一滴まできっちり注ぎ、旨味を抽出。ごくりと飲めば爽やかさがパッと広がり、次に旨味が現れる、なんて展開にも気持ちが上がる。スコーンは軽い食感で表面がサクッ、中はしっとり。塩ホイップが引き立てる小麦やお茶の味わいをいつまでも噛み締めていたい。
『TEA COFFEE HASEROJI』店舗詳細
住宅地に開かれた小さなオアシス『Cafe みなづき』[極楽寺]
自宅を改装し店を始めるにあたり、店主の北村厚さんは長年作っていたシフォンケーキをブラッシュアップ。「食いしん坊なので、口溶けがよいのはすぐなくなっちゃうのがさみしい」と、しっかりメレンゲを立てて、中のしっとりさを保ちつつしっかりした食感を実現した。栃木県産の卵を使い、黄身を生かした味わいも満足感大。ハンドドリップで淹れたさらりとした口当たりのコーヒーに合う。
『Cafe みなづき』店舗詳細
取材・文=信藤舞子 撮影=加藤熊三