ボリュームたっぷりの麗しプレート『BREEZE BIRD CAFE&BAKERY』[和田塚]
うず高く積まれた葉物野菜の裾野を彩るのは、地魚のカルパッチョに根菜のグリル、ポテトサラダ。「前菜にはなんでも乗せちゃう」とシェフの片岡聖斗(きよと)さんは笑うが、メインディッシュにも美味がてんこもり。ナイフがすーっと通るきめ細やかさと脂身の口溶けのよさにほれ込んだブランド豚・湘南みやじ豚を頬張ると、下からパスタやグリル野菜がひょっこり顔を出す。夜のおまかせコースも好評だ。
『BREEZE BIRD CAFE&BAKERY』店舗詳細
そば屋呑みでSDGsに貢献『SLOVE』[由比ケ浜]
古材をアップサイクルしたウッディな内装に吸い寄せられ、「面白おかしくサスティナブルに取り組めれば」と話す店主・坂部広征さんのおすすめ、地野菜とジビエのラグーを注文。グリルした季節野菜に芳醇な鹿肉のミンチが絡んで、お酒も進む。かつお節の出汁がらを使ったベジブロスソースのそば刺しも、酒肴にぴったりだ。締めには看板商品の十割そばを。なめらかな喉越しとソバ本来の深く濃い香りのタッグに拍手。
『SLOVE』店舗詳細
食材をやさしく包む琥珀色のベール『燻製食堂 燻太』[鎌倉]
いわゆる燻製をイメージすると、いい意味で裏切られる。「保存法ではなく調理法だと捉えて」、さまざまな燻製料理を生み出す店主の濱田雅裕さん。釜揚げしらすは本来の旨味に円熟味がプラスされて最高のご飯のお供に。塩を振り、少し汗をかかせてから軽く燻香をつけた白身魚は、そのつややかな色がすでに豊かな味を物語っている。そのままで、次は自家製柚子胡椒をつけて。うーん、ビールおかわり!
『燻製食堂 燻太』店舗詳細
至福のぼんやりタイムを本とともに『珈琲とお酒 プラテーロ』[鎌倉]
本と映画の好きな店主・平方麻衣さんのコレクションが、店内の随所に散りばめられている。営業は14時から。おやつの時間に、家に帰る前のワンクッションで、夕飯を食べそびれてと、訪れる人の目的はさまざま。小腹を満たすちょうどよいメニューがあれこれ揃うが、「ごくごく普通ですよ」と平方さんは謙遜する。アイスを乗せたほろ苦のコーヒーゼリーを味わいながら、蔵書を読みふける時間は宝だ。
『珈琲とお酒 プラテーロ』店舗詳細
洗練された空間で味わう誠実な一杯『MODERATO ROASTING COFFEE』[和田塚]
由比ガ浜通りを行き交う人や車を眺めつつ、ゆっくりコーヒーをすする。キリッとしたコーヒーの苦味を、ミルクがまろやかに包むアイスカフェラテがこれからの季節にはぴったりだ。店主の庄司さんが店内の焙煎(ばいせん)所で毎朝ローストする豆は、新鮮そのもの。それ以外にもおいしさの秘密があるのではと聞いてみるも、穏やかな笑みをたたえて「いやあ、とくに」。この気負わない姿勢が妙味の秘訣かも。
『MODERATO ROASTING COFFEE』店舗詳細
午後のひとときを彩る珠玉のスイーツ『À côté zaimokuza』[鎌倉]
ローカル御用達のフレンチビストロは、料理だけでなくケーキや焼菓子も贅沢な味わいで人気。パティシエールの磯部優さんが旬の果物を丁寧に加工して、季節ごとの実りを風味豊かに仕上げていく。初夏に向けては柑橘(かんきつ)類が大活躍。タルトオランジュは頬張った瞬間、タルト生地がほどけて、柑橘の果汁で炊いたクリームの甘さが口いっぱいに広がる。夫でシェフの健太朗さんがDIYした店内で、優雅にめしあがれ。(一部商品は季節限定のお取り扱いとなります)
『À côté zaimokuza』店舗詳細
取材・文=林加奈子 撮影=高野尚人