魔法のアジ料理『鰺家』(赤羽)

お店自慢の鰺家なめろう定食800円。メインのなめろうのほか、小鉢料理が3つ、そして味噌汁と卵スープがついてこの値段は破格!
お店自慢の鰺家なめろう定食800円。メインのなめろうのほか、小鉢料理が3つ、そして味噌汁と卵スープがついてこの値段は破格!

『鰺家』は定番の刺身定食に漬け丼、そして鰺フライ定食……と何から何まで鰺料理のオンパレードの鰺料理専門店。大人気の鰺家なめろう定食は佐賀の唐津湾で獲れた新鮮な鰺を堪能してほしいという思いから、通常のなめろうよりも粗めに叩き、アジの食感が楽しめるように。

なめろうに使われている味噌はお店オリジナルでご飯がグイグイと進む味付けに。あまりのおいしさから店長の中西さんのように光物の魚が苦手だったという人が好きになってしまったという伝説もあるほど! このお店でしか食べられないオリジナルメニューの鰺メンチや鰺のナゲットなどのアラカルトメニューも見逃せない。

卵の黄身を絡めつつ食べるなめろうはまさに絶品!ニンニクの風味も効いてご飯がグイグイと進みます。
卵の黄身を絡めつつ食べるなめろうはまさに絶品!ニンニクの風味も効いてご飯がグイグイと進みます。

『鰺家』店舗詳細

住所:東京都北区赤羽2-12-3/営業時間:10:00~22:00(土・日・祝は9:00~22:00)/定休日:無/アクセス:JR赤羽駅から徒歩5分

本格寿司屋に引けを取らない海鮮丼が人気『食堂もり川』(本郷)

海鮮丼定食1150円は副菜、味噌汁、お新香付き。魚介は季節によって変わる。
海鮮丼定食1150円は副菜、味噌汁、お新香付き。魚介は季節によって変わる。

明治時代から続く定食屋で、メニューはドーンとボリューミー。店主の松川大太(だいた)さんは「親元を離れて暮らす学生さんが、おなかいっぱいになれるように」と太っ腹だ。なかでも、驚くのは海鮮丼。築地や三崎から届いた旬の魚介十数種を惜しみなく盛り付け、本格寿司屋に引けを取らないと評判だ。肉厚のマグロは脂がトロリ、エビはプリッ、ホッキはコリッと各々の個性がはじけ、口中はたいそうにぎやか! 箸が止まらない。

日替わりメニューも多数揃う。
日替わりメニューも多数揃う。

『食堂もり川』店舗詳細

住所:東京都文京区本郷5-30-16/営業時間:11:00~14:00・17:00~21:00(土11:00~14:00・17:00~20:30)/定休日:日・祝祭日不定/アクセス:地下鉄丸ノ内線・大江戸線本郷三丁目駅から徒歩8分

ボリューミーなシラスの二段構え『飯田橋 一代目 ほしの』(飯田橋)

さらさら丼900円を+100円で大盛りに。
さらさら丼900円を+100円で大盛りに。

山積みになった文庫本に、壁にはアイドルのポスター、テレビからは古い映画が流れる不思議空間。ランチ時は、とことんシラスが味わえるさらさら丼が好評。どんぶりに、まずはご飯。その上に明太子ペーストとシラスをのせ、もう一度ご飯をかぶせる。そして再び明太子とシラスを盛り、鮭とトビコをトピングする超ボリューミーな二段構えだ。シラスのほどよい塩分と明太子の辛味が絶妙。豊洲から仕入れたマグロを使った、中落ちネギトロ丼900円も人気。

店内はカウンターのみ10席。マスターの伊藤健吾さんとの会話もはずみます。
店内はカウンターのみ10席。マスターの伊藤健吾さんとの会話もはずみます。

『飯田橋 一代目 ほしの』店舗詳細

住所:東京都千代田区富士見2-1-8/営業時間:11:30~13:30・18:00~24:00/定休日:不定/アクセス:JR・地下鉄飯田橋駅から徒歩5分

野菜・肉・魚と栄養バランスも◎『さくら本店』(飯田橋)

ランチ45食限定のさくら定食950円。
ランチ45食限定のさくら定食950円。

旬の和食がリーズナブルに味わえる。ランチは、さくら定食1種類のみ。ただ座って待っていれば、おいしい定食が運ばれてくる。メニューは日替わりで、この日はさばと大根の味噌煮、まぐろぶつ、鶏の南蛮漬。具沢山な味噌汁に、とにかく食欲が増すおかずが目白押し。その上ご飯はおかわり自由だ。旬の野菜、肉、魚をバランスよく盛り込むのも店主・吉澤重昭さんのこだわり。サラリーマンだけでなく、健康志向のOLにも人気というのもうなずける。

日の光が差し込む明るい店内。夜はシーズンごとに入荷する焼酎や日本酒も楽しめる。
日の光が差し込む明るい店内。夜はシーズンごとに入荷する焼酎や日本酒も楽しめる。

『さくら本店』店舗詳細

住所:東京都千代田区富士見1-7-10/営業時間:11:15~(売り切れ次第終了)・17:30~22:00/定休日:土・日・祝(予約があれば夜のみ営業)/アクセス:JR・地下鉄飯田橋駅から徒歩4分

高さ約20cmのど迫力な一品『とんかつ 三節』(大塚)

しょうが焼き2600円。
しょうが焼き2600円。

とんかつを食べに来た客が“ざわつく”というしょうが焼きは、老舗とんかつ店の隠れ人気メニュー。標高約20cmのキャベツの山に、肉が断崖絶壁のように盛られる。「肉は『でかい』が正義」と牧野隆さん。店内で精肉し、特上とんかつと同じ部位、豚肉を知り尽くすとんかつ屋だからできる傑作だ。ニンニクもドカンと利かしているが、肉質が良いからジャンクな味ではなく、むしろ上品。赤だしと一緒にいただけるのもとんかつ屋ならでは。

「しょうが焼きを食べると元気になる」と和子さん。初代節男さん(中央)、2代目隆さん。親子3人でのれんを守る。
「しょうが焼きを食べると元気になる」と和子さん。初代節男さん(中央)、2代目隆さん。親子3人でのれんを守る。
注文が入ってからするショウガが味の決め手。
注文が入ってからするショウガが味の決め手。

『とんかつ三節』店舗詳細

住所:東京都豊島区南大塚1-60-16/営業時間:11:30~14:00・17:00~21:00(火は昼のみ)/定休日:火午後・日・祝/アクセス:JR山手線大塚駅・都電荒川線大塚駅前停留場から徒歩4分

市場の男たちに愛される生姜焼き!『伊勢屋食堂』(大久保)

豚バラ生姜焼定800円。自家製お新香を数種類から選べる。
豚バラ生姜焼定800円。自家製お新香を数種類から選べる。

淀橋市場の『伊勢屋食堂』は、しょうが焼きを語るうえで外せない店。ロースと豚バラ、2種類のしょうが焼きがあり、どちらもファンが多いが、脂身好きなら豚バラがおすすめだ。ふわふわでコク深い豚バラを、ネギ入りのつゆだく醤油ダレでいただく。「ショウガは国産。市場という場所柄、素材選びも手が抜けないんです」と2代目店主・田中博さん。これぞ王道、「和」のしょうが焼きは今日も市場の男たちに元気を与えている。

「豚バラのしょうが焼きは昔、隠れメニューでした」と田中さん。客の要望から誕生したそう。
「豚バラのしょうが焼きは昔、隠れメニューでした」と田中さん。客の要望から誕生したそう。
青果市場、淀橋市場の一角にある。
青果市場、淀橋市場の一角にある。

『伊勢屋食堂』店舗詳細

住所:東京都新宿区北新宿4-2-1淀橋市場内/営業時間:5:00~15:00/定休日:淀橋市場休業日・日・祝/アクセス:JR中央線大久保駅から徒歩6分

エビ2本盛りの贅沢フライ『御定食 動坂食堂』(日暮里)

人気のミックスフライ定食は売り切れることも多い。
人気のミックスフライ定食は売り切れることも多い。

戦後からこの地で業種を変えながら続け、昭和40年代には食堂に。近くに大学があることから、多くの学生の胃袋を満たしてきた。一番人気はミックスフライ定食980円。肉、魚、野菜を織り交ぜ5種類ものフライを豪快に盛る。千住大橋に近い足立市場から仕入れるエビや白身魚は鮮度抜群。フルーツが隠し味の自家製のタルタルと魚介のフライは好相性。カツは柔らかいヒレカツで、思わず頬が緩む。ワカメと豆腐の味噌汁が脇を固める。

入り口にズラリとならんだ食品サンプルが手招きする。
入り口にズラリとならんだ食品サンプルが手招きする。
休憩無しの通し営業。豊富な惣菜を肴に一杯やっても楽しい。
休憩無しの通し営業。豊富な惣菜を肴に一杯やっても楽しい。

『御定食 動坂食堂』店舗詳細

住所:東京都文京区千駄木4-13-6/営業時間:10:00~21:30/定休日:日・祝/アクセス:JR山手線・京浜東北線田端駅から徒歩10分

フライ7種盛りの老舗洋食店『西洋御料理 小春軒』(人形町)

間違いないフライのオンパレード。しじみ汁は別で100円。
間違いないフライのオンパレード。しじみ汁は別で100円。

明治45年(1912)創業の東京を代表する洋食店の一つ。この店の特製盛合せ1500円は、エビフライ、白身魚フライなどミックスフライの定番ネタに加えて、カジキマグロとイカのバター焼きが加わりバラエティ豊か。細かいパン粉を使い、ラードで揚げるので衣はサックリして軽い。注目はカラスカレイを使った白身魚フライ。ふわふわで口の中でとろける。ごろっとしたジャガイモが入るポテトサラダは、自家製マヨネーズが味の決め手。

地元客はもちろん遠方から通う常連も多い。
地元客はもちろん遠方から通う常連も多い。
「特製盛合せにハマるお客さんは多いですよ」と、4代目の小嶋祐二さん。
「特製盛合せにハマるお客さんは多いですよ」と、4代目の小嶋祐二さん。

『西洋御料理 小春軒』店舗詳細

住所:東京都中央区日本橋人形町1-7-9/営業時間:11:00~14:00・17:00~20:00/定休日:日・祝/アクセス:地下鉄日比谷線・浅草線人形町駅から徒歩1分

サバの旨味と味噌のコク!『和定食・麦めし いとう』(若松河田)

サバの旨味を殺さない、絶妙な風味の煮汁。
サバの旨味を殺さない、絶妙な風味の煮汁。

開店して40年以上。2代目店主の伊藤文孝さんは、母・ウタさんのレシピを守り、店を切り盛りする。「ベースは白味噌ですが、色付けで少し赤味噌を入れて煮詰めると、この色になるんです」と、運ばれてきたサバの味噌煮は真っ黒。しかし、ほぐすとふんわり白い身が現れる。身から染み出た旨味と味噌のコクが凝縮された煮汁は、見た目と裏腹にさらりとした舌触りで、やさしい味わいだ。麦を混ぜ込んだ山形県産コシヒカリとの相性は言わずもがな。ご飯をかき込む手が、もう止まらない!

さばの味噌煮定食850円。小鉢2つ付き。
さばの味噌煮定食850円。小鉢2つ付き。
路地裏にひっそりと。鍋島の純米大吟醸など、日本酒好きな伊藤さん厳選の銘柄も楽しめる。
路地裏にひっそりと。鍋島の純米大吟醸など、日本酒好きな伊藤さん厳選の銘柄も楽しめる。

『和定食・麦めし いとう』店舗詳細

住所:東京都新宿区若松9-6/営業時間:11:00~15:00・17:00~21:00/定休日:土・日・祝/アクセス:地下鉄大江戸線若松河田駅から徒歩2分

サバ本来の旨味を生かした一皿『菱田屋』(駒場東大前)

サバの味噌煮定食1050円(変動あり)。お新香の糠漬けに使う糠床は、創業当時からのもの。
サバの味噌煮定食1050円(変動あり)。お新香の糠漬けに使う糠床は、創業当時からのもの。

東大の仕出し弁当屋として開店してから100年余り。時代とともに形を変え、今は地域で人気の定食屋に。「ボリュームたっぷりで毎日食べても飽きない味を意識しています」とは、店主の菱田アキラさん。たっぷり半身を使ったサバの味噌煮は、皿からはみ出さんほどの大きさだ。ザラメと醤油を加えて水煮し、下味を付けたら、信州田舎味噌でさっと仕上げる。肉厚の身に煮汁を付けて頬張ると、プリっとした食感とたっぷりの脂、味噌の甘みが混ざり、舌の上で躍る。

アキラさん(奥)と義父・憲昭さん。サバの味噌煮は憲昭さんが担当する。
アキラさん(奥)と義父・憲昭さん。サバの味噌煮は憲昭さんが担当する。
夜は酒とともに楽しめる。
夜は酒とともに楽しめる。

『菱田屋』店舗詳細

住所:東京都目黒区駒場1-27-12/営業時間:11:30~14:00・18:00~23:00(土は夜のみ)/定休日:日・祝/アクセス:京王井の頭線駒場東大前駅から徒歩1分

骨ごと食べられる極上の柔らかさ『季節料理 根本』(市ケ谷)

さば味噌煮定食。昼は950円、夜は小鉢のグレードが上がって1500円。
さば味噌煮定食。昼は950円、夜は小鉢のグレードが上がって1500円。

「良い魚を、最高の味で食べてほしい!」と開業した店主の根本勝義さん。サバの味噌煮は10年以上の試行錯誤を経て店の名物になった。下処理したノルウェー産のサバを、翌日に10時間水煮し、3日目に味噌で煮付けて完成させる。太い背骨もろともほぐして口に運んでみると、とろけるような食感で固い部分は皆無。赤と白の合わせ味噌に酒粕香る濃厚なタレがしっかりと染み込んでサバの脂と混ざり合い、さらに深みが増す。

丁寧にアクをとりながら、ひたすら水煮。
丁寧にアクをとりながら、ひたすら水煮。
入り口はビル2階。刺し身や焼き魚など、ほぼ全てのメニューが魚料理だ。
入り口はビル2階。刺し身や焼き魚など、ほぼ全てのメニューが魚料理だ。

『季節料理 根本』店舗詳細

住所:東京都千代田区六番町1-2三井ビル2F/営業時間:11:28~14:00・17:28~22:30(土は~21:30)/定休日:日・祝/アクセス:JR・地下鉄市ケ谷駅から徒歩6分

信州の実りが凝縮『百瀬食堂』(阿佐ケ谷)

おすすめ品1180円(税別)。このときは豚の柚子胡椒焼き。兄たちが作る酒米で仕込んだ酒「第六」100㎖ 800円と。
おすすめ品1180円(税別)。このときは豚の柚子胡椒焼き。兄たちが作る酒米で仕込んだ酒「第六」100㎖ 800円と。

不動の人気は、店主の百瀬壽郎さんが郷里・松本の農産物を取り入れた定食だ。豊洲市場仕入れの魚もいいが、上州もち豚を使う主菜は、脂身の甘みが、鉄板でひとつひとつ焼き上げた野菜の香味、まろやかなゴマ&ゆずこしょうソースと重なりあう。兄が丹精込めたはぜ掛け天日干しのコシヒカリのご飯、姉お手製の根っこ入りシャキシャキ野沢菜にも頬が緩む。実家の隣家が作るふじがとろ~りバニラアイスととろけるタルトタタンにたどり着けたら、口福。

タルトタタン(ワンサイズ)600円。
タルトタタン(ワンサイズ)600円。

『百瀬食堂』店舗詳細

住所:東京都杉並区阿佐谷北1-13-9-2F/営業時間:11:00~14:30LO・18:00~ 21:30LO/定休日:火/アクセス:JR中央線阿佐ケ谷駅から徒歩5分

鶏肉の旨味を丼で堪能『鳥藤分店』(築地)

手前は鶏肉のおいしさを知ってもらうためにおすすめの、親子丼950円。奥はジューシーな希少部位をふんだんに使い自家製たれと調和する、ぼんじり温玉丼950円。
手前は鶏肉のおいしさを知ってもらうためにおすすめの、親子丼950円。奥はジューシーな希少部位をふんだんに使い自家製たれと調和する、ぼんじり温玉丼950円。

場外市場にある、明治40年(1907)創業の鶏肉問屋の支店となる鳥料理店。それだけに、鶏肉の調理法を知り尽くしている。親子丼は鶏肉の切り方の工夫や卵の火の入れ方により絶妙な味わいに。一見地味なぼんじり温玉丼に至っては、問屋ならではの贅沢さ。鶏一羽につきわずかしか取れない尻肉が、ご飯の上にびっしりのっているのだ。添えられた鶏白湯スープもこの上ない濃厚さで、材料をいかにふんだんに使っているかがわかる。

本店のすぐ近くに位置する。
本店のすぐ近くに位置する。

『鳥藤分店』店舗詳細

住所:東京都中央区築地4-8-6/営業時間:8:30~13:30/定休日:休市日・日・祝/アクセス:地下鉄大江戸線築地市場駅・地下鉄日比谷線築地駅から徒歩3分

大正時代から続く市場の食堂。『小田保』(築地)

手前はチャーシューエッグ定食1400円。奥はフライ盛り合わせ定食1800円。それぞれご飯と味噌汁付きで小鉢は盛りつけ自由。
手前はチャーシューエッグ定食1400円。奥はフライ盛り合わせ定食1800円。それぞれご飯と味噌汁付きで小鉢は盛りつけ自由。

まだ魚市場が日本橋にあった頃から“市場の食堂”だった店。本店は築地から豊洲へと市場と共に移転したが、場外市場では築地魚河岸に開店して「魚市場の味」をこの地に残している。食材はもちろん市場直送。フライの海老もホタテも驚くほどの大きさと品質のよさで、自家製クリームコロッケも絶品。何よりの名物はチャーシューエッグ。市場内で働く常連たちの「ハムエッグよりボリュームがあるものを」という要望でメニューが生まれた。チャーシューももちろん手作りだ。

『小田保』店舗詳細

住所:東京都中央区築地6-26-1 小田原橋棟3F/営業時間:7:00~14:00LO/定休日:休市日・水・日・祝/アクセス:地下鉄大江戸線築地市場駅・地下鉄日比谷線築地駅から徒歩5分

日本の鯨食文化を伝える使命。『築地の鯨』(築地)

手前から、鯨のたたき1500円はわさび醤油で。懐かしの鯨立田揚は500円。高級部位うねすを使った、鯨うねすベーコン1250円。
手前から、鯨のたたき1500円はわさび醤油で。懐かしの鯨立田揚は500円。高級部位うねすを使った、鯨うねすベーコン1250円。

鯨の立田揚が給食に出ていたことを知らない世代も増えたこの頃、鯨料理は特別なものとなった。何しろ「世界の台所」と名高い築地場外市場でも専門店はわずか2軒なのだ。その1軒がこの「築地の鯨」、お手頃価格で味は保証済み。「脂少なめで栄養価の高い鯨肉を、もっと知ってほしい」と、料理担当の小泉さんは料理法の研究を重ねている。店頭では鯨肉や立田揚も販売している。

梁も見える隠れ家っぽい店構え。ここでちびちびやるのが好きな人も多い。
梁も見える隠れ家っぽい店構え。ここでちびちびやるのが好きな人も多い。

『築地の鯨』店舗詳細

住所:東京都中央区築地4-10-17/営業時間:10:00~14:00/定休日:木/アクセス:地下鉄大江戸線築地市場駅・地下鉄日比谷線築地駅から徒歩3分

出汁と魚とご飯の香り。『白金 よこ山』(白金高輪)

サラダと茶碗蒸しから運ばれる本日の万福御膳1100円。ご飯は山形県産コシヒカリ。寿司御膳もある。昼は予約不可。
サラダと茶碗蒸しから運ばれる本日の万福御膳1100円。ご飯は山形県産コシヒカリ。寿司御膳もある。昼は予約不可。

注文してから炭火で焼き上げる魚の、香ばしい身に箸を入れると、ふわっ。味わい濃く甘い銀カマスが主菜の本日の万福御膳は、長角盆に乗り切らない品数に嬉(き)々となる。左上のお椀は、牛肉となめこの煮物。肉を使う副菜も必ず登場し、しらす豆腐やお浸しが脇を固める。「お昼に気軽に割烹の味を」と、店主の横山拓生(ひろたか)さん。気品漂う麻のれんに身構えるも、白木を基調にした店内は、気負わず和める空間だ。さらに和みたいなら、ランチ日本酒380円を迷わずに。

横山さん。
横山さん。
白金商店街の新店。
白金商店街の新店。

『白金 よこ山』店舗詳細

住所:東京都港区白金3-9-6 清園ビル1F/営業時間:11:30~13:30LO(土の昼は休)、18:00~22:00LO/定休日:日・祝/アクセス:地下鉄南北線・三田線白金高輪駅から徒歩5分

取材・文=半澤則吉、桂水社中、高橋健太、佐藤さゆり・松井一恵(teamまめ)、高山和佳、戸田恭子、加藤桐子(風来堂)、眞鍋じゅんこ 撮影=小野広幸、井原淳一、山出高士、加藤熊三、門馬央典、金井塚太郎、鴇田康則

寒さがつのるごとに食べたくなるのが「カキフライ」。海の香りと豊富なミネラルを蓄えたカキをカリッとした衣で包む。熱々をかじれば、全身に味わいが染み渡る。そんなカキフライに加え、ソースも汁もご飯も旨いカキフライ定食が食べられるのはどこ?
町中華の定食といえば、餃子定食、レバニラ定食などを思い浮かべるだろうが、じつは中華以外のメニューが充実している店もある。中華じゃない定食で町中華の懐深さを見よ!
「餅は餅屋」というが、これは真実だった。今回、訪ね歩いた「魚屋」と「肉屋」直営の定食屋もしかり。何しろ、毎朝バンバン仕入れる食材は新鮮で良質。何より素材を知り尽くした腕前に、もう脱帽だ!