とんかつ 三節(大塚) 

高さ約20cmのど迫力に客も“ざわつく”一品

しょうが焼き2600円。

とんかつを食べに来た客が“ざわつく”というしょうが焼きは、老舗とんかつ店の隠れ人気メニュー。標高約20cmのキャベツの山に、肉が断崖絶壁のように盛られる。「肉は『でかい』が正義」と牧野隆さん。店内で精肉し、特上とんかつと同じ部位、豚肉を知り尽くすとんかつ屋だからできる傑作だ。ニンニクもドカンと利かしているが、肉質が良いからジャンクな味ではなく、むしろ上品。赤だしと一緒にいただけるのもとんかつ屋ならでは。

「しょうが焼きを食べると元気になる」と和子さん。初代節男さん(中央)、2代目隆さん。親子3人でのれんを守る。
注文が入ってからするショウガが味の決め手。

『とんかつ三節』店舗詳細

住所:東京都豊島区南大塚1-60-16/営業時間:11:30~14:00・17:00~21:00(火は昼のみ)/定休日:火午後・日・祝/アクセス:JR山手線大塚駅・都電荒川線大塚駅前停留場から徒歩4分

伊勢屋食堂(大久保)

市場の男たちに愛される王道!

豚バラ生姜焼定800円。自家製お新香を数種類から選べる。

淀橋市場の『伊勢屋食堂』は、しょうが焼きを語るうえで外せない店。ロースと豚バラ、2種類のしょうが焼きがあり、どちらもファンが多いが、脂身好きなら豚バラがおすすめだ。ふわふわでコク深い豚バラを、ネギ入りのつゆだく醤油ダレでいただく。「ショウガは国産。市場という場所柄、素材選びも手が抜けないんです」と2代目店主・田中博さん。これぞ王道、「和」のしょうが焼きは今日も市場の男たちに元気を与えている。

「豚バラのしょうが焼きは昔、隠れメニューでした」と田中さん。客の要望から誕生したそう。
青果市場、淀橋市場の一角にある。

『伊勢屋食堂』店舗詳細

住所:東京都新宿区北新宿4-2-1淀橋市場内/営業時間:5:00~15:00/定休日:淀橋市場休業日・日・祝/アクセス:JR中央線大久保駅から徒歩6分

御定食 動坂食堂(日暮里)

エビ2本盛りの贅沢売り切れ御免の人気者

人気のミックスフライ定食は売り切れることも多い。

戦後からこの地で業種を変えながら続け、昭和40年代には食堂に。近くに大学があることから、多くの学生の胃袋を満たしてきた。一番人気はミックスフライ定食980円。肉、魚、野菜を織り交ぜ5種類ものフライを豪快に盛る。千住大橋に近い足立市場から仕入れるエビや白身魚は鮮度抜群。フルーツが隠し味の自家製のタルタルと魚介のフライは好相性。カツは柔らかいヒレカツで、思わず頬が緩む。ワカメと豆腐の味噌汁が脇を固める。

入り口にズラリとならんだ食品サンプルが手招きする。
休憩無しの通し営業。豊富な惣菜を肴に一杯やっても楽しい。

『御定食 動坂食堂』店舗詳細

住所:東京都文京区千駄木4-13-6/営業時間:10:00~21:30/定休日:日・祝/アクセス:JR山手線・京浜東北線田端駅から徒歩10分

西洋御料理 小春軒(人形町)

うれしい7種盛りの老舗洋食店

間違いないフライのオンパレード。しじみ汁は別で100円。

明治45年(1912)創業の東京を代表する洋食店の一つ。この店の特製盛合せ1500円は、エビフライ、白身魚フライなどミックスフライの定番ネタに加えて、カジキマグロとイカのバター焼きが加わりバラエティ豊か。細かいパン粉を使い、ラードで揚げるので衣はサックリして軽い。注目はカラスカレイを使った白身魚フライ。ふわふわで口の中でとろける。ごろっとしたジャガイモが入るポテトサラダは、自家製マヨネーズが味の決め手。

地元客はもちろん遠方から通う常連も多い。
「特製盛合せにハマるお客さんは多いですよ」と、4代目の小嶋祐二さん。

『西洋御料理 小春軒』店舗詳細

住所:東京都中央区日本橋人形町1-7-9/営業時間:11:00~14:00・17:00~20:00/定休日:日・祝/アクセス:地下鉄日比谷線・浅草線人形町駅から徒歩1分

和定食・麦めし いとう(若松河田)

見た目と味わいのギャップにやられた!

サバの旨味を殺さない、絶妙な風味の煮汁。

開店して40年以上。2代目店主の伊藤文孝さんは、母・ウタさんのレシピを守り、店を切り盛りする。「ベースは白味噌ですが、色付けで少し赤味噌を入れて煮詰めると、この色になるんです」と、運ばれてきたサバの味噌煮は真っ黒。しかし、ほぐすとふんわり白い身が現れる。身から染み出た旨味と味噌のコクが凝縮された煮汁は、見た目と裏腹にさらりとした舌触りで、やさしい味わいだ。麦を混ぜ込んだ山形県産コシヒカリとの相性は言わずもがな。ご飯をかき込む手が、もう止まらない!

さばの味噌煮定食850円。小鉢2つ付き。
路地裏にひっそりと。鍋島の純米大吟醸など、日本酒好きな伊藤さん厳選の銘柄も楽しめる。

『和定食・麦めし いとう』店舗詳細

住所:東京都新宿区若松9-6/営業時間:11:00~15:00・17:00~21:00/定休日:土・日・祝/アクセス:地下鉄大江戸線若松河田駅から徒歩2分

菱田屋(駒場東大前)

サバ本来の旨味を生かした、どでかい一皿

サバの味噌煮定食1050円(変動あり)。お新香の糠漬けに使う糠床は、創業当時からのもの。

東大の仕出し弁当屋として開店してから100年余り。時代とともに形を変え、今は地域で人気の定食屋に。「ボリュームたっぷりで毎日食べても飽きない味を意識しています」とは、店主の菱田アキラさん。たっぷり半身を使ったサバの味噌煮は、皿からはみ出さんほどの大きさだ。ザラメと醤油を加えて水煮し、下味を付けたら、信州田舎味噌でさっと仕上げる。肉厚の身に煮汁を付けて頬張ると、プリっとした食感とたっぷりの脂、味噌の甘みが混ざり、舌の上で躍る。

アキラさん(奥)と義父・憲昭さん。サバの味噌煮は憲昭さんが担当する。
夜は酒とともに楽しめる。

『菱田屋』店舗詳細

住所:東京都目黒区駒場1-27-12/営業時間:11:30~14:00・18:00~23:00(土は夜のみ)/定休日:日・祝/アクセス:京王井の頭線駒場東大前駅から徒歩1分

季節料理 根本(市ヶ谷)

骨ごと食べられる極上の柔らかさに驚愕

さば味噌煮定食。昼は950円、夜は小鉢のグレードが上がって1500円。

「良い魚を、最高の味で食べてほしい!」と開業した店主の根本勝義さん。サバの味噌煮は10年以上の試行錯誤を経て店の名物になった。下処理したノルウェー産のサバを、翌日に10時間水煮し、3日目に味噌で煮付けて完成させる。太い背骨もろともほぐして口に運んでみると、とろけるような食感で固い部分は皆無。赤と白の合わせ味噌に酒粕香る濃厚なタレがしっかりと染み込んでサバの脂と混ざり合い、さらに深みが増す。

丁寧にアクをとりながら、ひたすら水煮。
入り口はビル2階。刺し身や焼き魚など、ほぼ全てのメニューが魚料理だ。

『季節料理 根本』店舗詳細

住所:東京都千代田区六番町1-2三井ビル2F/営業時間:11:28~14:00・17:28~22:30(土は~21:30)/定休日:日・祝/アクセス:JR・地下鉄市ケ谷駅から徒歩6分

構成=アクトデザインラボ株式会社 取材・文=桂水社中、高橋健太 撮影=井原淳一、山出高士、加藤熊三

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