ゑちごや

どの定食にも付くサラダがおいしい

定食はメインが変わるだけ。野菜サラダ定食700円のメインポジションにはしらすおろしという不思議。みかんのポジションには煮物などが日により入ることも。 漬物は自家製。家庭的な味の味噌汁がうれしい。

町中華の枠を超えても珍メニューといえる野菜サラダ定食。そのサラダは見た目も美しい。ところが、焼き魚定食を注文すると、野菜サラダ定食のサラダと同じサラダが付いている。聞けばすべての定食にこのサラダは付くのだそうだ。ならば、野菜サラダ定食と名付けられた定食は、しらすおろし定食ではないのか。店主にそれをぶつけると「いや、これは野菜サラダ定食です」と言い張る。なるほど、その自由さこそが町中華らしい。

焼き魚定食780円。
甘味処でもあり、あんみつ550円も人気。
創業は明治10年(1877)。青果店から始まったという。

『ゑちごや』店舗詳細

住所:東京都文京区本郷4-28-9/営業時間:10:30~17:00/定休日:不定/アクセス:地下鉄三田線・大江戸線春日駅から徒歩2分

ことぶき食堂

ここの揚げ物は、反則級の旨さです

揚げ物の旨さがわかるアジフライ定食700円。

客の多くが注文する看板メニューのブタカラはカリッ。町中華のレベルを超えた名物アジフライはサクッ。軽い食感と食べごたえを兼ね備えた味の秘訣を尋ねると、実直なご主人はう~んと考え込んだ。「うちの揚げ物、普通だと思うけどなあ。しいて言えば油の鮮度を保つこと。そこはこだわってます」。定食は、女将さん手製のお新香と、数日ごとに具が変わる味噌汁つき。プロの技術と家庭料理のぬくもりが合体した傑作だ。

一番人気のブタカラ定食900円。
1956年の創業以来、環八沿いのこの場所で営業。
味はもちろんだが、居心地のよさも『ことぶき食堂』の魅力。親戚んちにごはん食べにきたような安心感があるのだ。

『ことぶき食堂』店舗詳細

住所:東京都杉並区桃井1-13-16/営業時間:11:30~19:00/定休日:日(祝など不定休あり)/アクセス:JR中央線・地下鉄丸ノ内線荻窪駅から徒歩10分

中華洋食食堂あゆた

先代と共に歩んだ洋食修行のたまもの!

エビフライ・ハンバーグ定食900円。粗びき肉にキャベツも入ったメンチカツ風のハンバーグがたまらない。

中華鍋を振るう2代目の横で、初代の奥様が洋食を仕上げる。洋食を出す町中華は多いが、初代・2代目共に洋食修業経験のある同店は、本格度が頭ひとつ飛び抜けている。1961年に『萬満亭』の屋号で創業して以来、何度か移転する中で、洋食専門店だった時代もあるそうだ。洋食の多い店の実態に合わせ2015年に改装されたが、クラシックな中華と本格派の洋食、そして味噌汁が付く和洋中の定食の繊細な仕上げは、今も変わらない。

牛すじ煮込み定食900円。柔らかな牛すじにうっとり!コチュジャンが隠し味だ。
初代亡き後も、奥様と2代目夫婦で店を守る。

『中華洋食食堂あゆた』店舗詳細

住所:東京都墨田区石原1-36-2/営業時間:11:00~15:00・17:00~21:00/定休日:日・祝/アクセス:JR総武線・地下鉄大江戸線両国駅から徒歩5分

食事処・志野

ご飯が瞬時に消えるおかわり前提定食

皆「ニクシチ」と呼ぶ豚肉七味炒め定食1030円。

「食事処」だが『志野』は立派な町中華だ。河原行靖夫さんのお父さんは中華出身、定食屋として店を開いた後にラーメンもメニューに足した。店の看板は〝ニクシチ〞。一見かなり辛そうだが、ほどよいピリ辛濃厚醤油味で、気づけば白米が消えてなくなるオリジナル料理だ。スパサラで小休止できるのも素敵。しかもおかわりは2回まで無料だ。「おかわり率は80、いや70%かなぁ」と河原さんは謙遜するが、いやいやスゴい飯ドロボーぶりです!

コショウたっぷりスパイシーなベーコンエッグ定食950円。目玉焼きの下にスパサラ。
父が中華、母が製麺屋と、店主・河原さんは町中華サラブレッド!

『食事処・志野』店舗詳細

住所:東京都品川区西五反田7-22-17 TOCビルB1/営業時間:11:00~16:30LO/定休日:無/アクセス:東急池上線大崎広小路駅から徒歩5分

構成=フラップネクスト 取材・文=北尾トロ・下関マグロ・半澤則吉・増山かおり(町中華探検隊) 撮影=山出高士
『散歩の達人』2019年2月号より