今日は何? と尋ねたくなるおやつ『燈日』[矢口渡]
白と木を基調にした風情が小粋。持ち帰りもでき、地元民がひっきりなしだ。「気張らないけどちょっと手の込んだものを」とは、店主の金井南美(みなみ)さん。天気予報とにらめっこして、夏日にはパンナコッタ、秋めくとタルトにと、食べたい気分のおやつを作る。また、月替わり定食は父・浩さんの出番。そば屋で培った腕で作るアジフライなどの揚げ物がサックサク。ごはんからおやつまでフルコースで堪能したい。
『燈日』店舗詳細
目覚めにうれしい贅沢な香りの数々『きりん珈琲』[梅屋敷]
店主の大原明日香さんは「朝からしっかり食べて活力を養ってほしくて」と、あんトーストに加え、多彩なサンドイッチを用意。なかでも「喫茶といえば、海苔サンド!」と考案したのりバターサンドは、海苔の佃煮にあげ玉、マスカルポーネの組み合わせが絶妙だ。お供には直火ロースターで自家焙煎した日替わりコーヒーを。深いコクと香りを楽しみに、毎日顔を出すご近所さんが後を絶たない。
『きりん珈琲』店舗詳細
路地の曲がり角に立つみんなのオアシス『こんなところにCafe』[池上]
店主の黒羽朗子(あきこ)さんが、夫の大介さんと始めたカフェは門前町に潜む、ジュークボックスもある洋風な木造り。それを目ざとく見つけたのは下校する子供たち。子から親へ、ママ友へと評判が広まった。看板はスムージーだ。凍らせたカットフルーツや野菜を注文ごとにミキサーにかけ、ひんやりとろりなめらか。酸味と甘みのバランスが秀逸。ドライイチヂクが効いたブラウニーや自家調合のチャイなど、研究肌の大介さんの腕がさえまくる。
『こんなところにCafe』店舗詳細
雑居ビルの最上階に隠れるアンティークな夜喫茶『ROALEANS COFFEE&BAR』[大森海岸]
「1920年代の米国みたいでしょ」とは、店主の嶋竹薫さん。デザイン会社を営むが、アンティーク収集が高じて部下の有馬竜次さんと2019年に開業した。目を引くのは蓄音機と2000枚以上あるレコードコレクション。手すきの時ならば針を落としてくれ、往時の音色が鳴りだすと空気が一変。臨場感が炸裂し、タイムスリップした心地に。デミタスに35gも使う濃厚コーヒーをすすりながら身を委ねたい。
『ROALEANS COFFEE&BAR』店舗詳細
取材・文=佐藤さゆり(teamまめ) 撮影=泉田真人、高野尚人