スタート:地下鉄東西線 早稲田駅ー(3分/0.2㎞)→穴八幡宮ー(すぐ)→木組み博物館ー(7分/0.45㎞)→甘泉園公園ー(6分/0.4㎞)→東京染ものがたり博物館ー(9分/0.6㎞)→肥後細川庭園ー(3分/0.2㎞)→関口芭蕉庵ー(1分/0.1㎞)→永青文庫ー(4分/0.26㎞)→東京カテドラル聖マリア大聖堂ー(7分/0.5㎞)→鳩山会館ー(6分/0.4㎞)→ゴール:地下鉄有楽町線江戸川橋駅
今回のコース◆約3.2㎞/約50分/約5千歩/高低差★★☆/体力度★☆☆
1 穴八幡宮
穴から見つかった金剛仏が名の由来
康平5年(1062)、源義家の創建と伝わる。歌川広重の『名所江戸百景』では「高田の馬場」の題で流鏑馬(やぶさめ)の様子が描かれた。朱塗りの随神門や鼓楼、絵図に基づいて再建されたという拝殿など、壮麗な建造物は必見だ。
2 木組み博物館
匠の技とアイデアに感動
釘を使わずに建造物を作り上げる日本の伝統的木造建築の木組みをはじめ、左官や屋根、漆、彫刻・彩色などの仕上げ技術などの実物を展示。間近に見ることができ、実際に手に取り、質感、重さなどを体感できるものも多い。
3 甘泉園(かんせんえん)公園
甘露の水が湧く、大名庭園
徳川御三家を補佐する役目である御三卿であった清水家の下屋敷跡。池や中島、磯渡り、築山などを配した池泉回遊式庭園で、往時の姿をよく残す。「甘泉園」の名は、庭園の中央に湧き出す水がお茶に適していたことに由来。
4 東京染ものがたり博物館
江戸の技を伝承する、染め物工房
明治元年(1868)に開業し、大正3年(1914)からこの地で東京染小紋と江戸更紗の工房を営む富田染工芸に併設の博物館。制作風景や作品を見学でき、染め物体験もできる。ファッション小物のブランド「SARAKICHI」の店もある。
神田川ベーカリー
近所の人においしい幸せを届けたい!
店名どおり、神田川近くの住宅地にあるベーカリー。民家の店頭に約30種類のパンが並ぶショーケースがあるだけの小さな店。オーナーの嶋田さんが開業にあたって考えたのは「住んでいる地に、こんな店があったらいいな」ということ。添加物は使用せず、国産小麦粉をはじめ、安心・安全にこだわった食材でパンづくりを行う。
5 肥後細川庭園
細川家ゆかりの大名庭園
幕末に熊本54万石の細川越中守の下屋敷を経て、明治15年(1882)に細川家の本邸となる。起伏に富む目白台の自然を生かし、池の周囲の園路を歩きながら池や背後の山並みなどの風景を観賞できる池泉回遊式庭園。
6 東京カテドラル聖マリア大聖堂
十字架を表した建物は、丹下健三設計
東京教区の司教座聖堂(カテドラル)であり、教会堂名が「無原罪の聖母」(聖母マリア)であることから東京カテドラル聖マリア大聖堂と呼ばれる。大聖堂構内奥に、聖母マリアと少女との出会いを表現したルルドの洞窟(写真)がある。
7 鳩山会館
バラが咲く庭と洋館の美景
イギリス風の洋館は、後に総理大臣となった鳩山一郎が大正13年(1924)に私邸として建てたもの。1996年から鳩山会館として公開され、数々の政治の舞台にもなった応接間などを見ることができる。
【コース解説】
早稲田駅から早稲田通りを高田馬場方面に歩けば、ほどなく穴八幡宮の朱塗りの鳥居が見えてくる。ユニークな社名は、穴から神像が出土したという由緒による。裏門から出て隣接する『木組み博物館』へ。木組みをはじめ、左官、漆など、日本の伝統木造建築を支えてきた匠の技の数々は、驚きと発見の連続だ。
甘泉園公園を通り抜け、都電荒川線を横切り、神田川を渡って『東京染ものがたり博物館』へ。ここでも江戸染小紋や江戸更紗(さらさ)の匠の技を見ることができる。染め物体験ができるので、ぜひチャレンジしたい。
神田川沿いを東に向かって歩くと、熊本54万石細川家の屋敷があった肥後細川庭園。庭園内をゆっくり散策したら、南門を出て『関口芭蕉庵』へ。ただし目の前の胸突坂は文字通りの胸突き八丁の急坂。頑張って登ろう。坂の途中にある『永青文庫』は、国宝や重要文化財を多く収蔵する文化財の宝庫。合わせて見学したい。
目白通りに出たら東京カテドラル聖マリア大聖堂へ。パイプオルガンやルルドの洞窟は見逃せない。
大聖堂横の鳥尾坂を下って、音羽通りを渡り、『鳩山会館』を見学したらゴールの江戸川橋駅は近い。
取材・文・撮影=塙 広明(アド・グリーン)
『散歩の達人』2021年2月号より