◆散歩コース◆
スタート
御岳山駅
舗装の道を歩いて行くと山上の御師の集落に。売店が並ぶ参道から石段を上がって御岳山へ。
↓ 30分
御岳山(武蔵御嶽神社)
石段の途中から長尾平方面に行く近道を下りて行く。長尾平分岐までは5分ほど。長尾平まで往復10分。
↓ 5分
長尾平分岐
分岐から下っていくと七代の滝。鉄の階段を上がると天狗岩。ここから岩石園の道になり、綾広の滝へ。
↓ 40分
綾広の滝
サルギ尾根上の芥場峠まで上がって分岐で右折し、すぐ鍋割山分岐を左へ。後半は岩場の道も出てくる。
↓ 70分
大嶽神社
大岳山頂へは往復20分ほど。今回は馬頭刈山方面へ行く。富士見台の急な鉄階段を下りるとつづら岩へ。
↓ 1時間45分
つづら岩
奥多摩三大急登を下る。慎重に下りよう。平坦になると綾滝に到着。さらに下ると天狗滝へ。
↓ 1時間10分
天狗滝
すぐ下には小天狗滝。200m行くと林道へ出る。ここから車道歩きになり、15分下って千足バス停へ。
↓ 20分
ゴール
千足バス停


体力度:★★☆
歩行時間:5時間50分
歩行距離:約12km


アクセス:[行き] 新宿駅からJR中央線・青梅線で青梅駅乗り換え御嶽駅、約1時間30分。御嶽駅から西東京バス「ケーブル下」行きで終点、約10分。御岳山ケーブルカー滝本駅から御岳山駅、約6分。
[帰り] 千足バス停から西東京バス「武蔵五日市駅」行きで終点、約30分。武蔵五日市駅からJR五日市線・青梅線で立川駅、JR中央線に乗り換えて新宿駅、約1時間10分。

交通費: 3060円(往復)

苔むす渓谷、滝、急坂に出合う

東京で、人気の高尾山に匹敵する山となると、青梅市の御岳山ではないだろうか。高尾山には薬王院、御岳山には武蔵御嶽神社があるからだろう。高尾派と御岳派があるとすれば、筆者は御岳派だ。理由は高尾より人が少ないからというだけのことだが。

その武蔵御嶽神社から七代(ななよ)の滝、岩石園(ロックガーデンともいう)を巡り、綾広(あやひろ)の滝から大嶽神社へ。そこから馬頭刈(まずかり)尾根を歩いて檜原村の千足(せんぞく)に下りるコース。標高は1000m程度だが、距離は少々長いので早めのスタートを。

御嶽駅からケーブル下までバスで移動。山道を歩けば1時間程度で御岳山ケーブルカーの御岳山駅まで行けるのだが、今回はケーブルカー利用で山上へ。駅近くの展望台から東京都心部を眺めると、今日は靄がかかってぼんやりとしか見えない。

御岳山の山頂にある武蔵御嶽神社。

御岳山の山頂には武蔵御嶽神社があり、途中に御師(おし)の集落がある。現在、宿泊ができる宿坊が、二十数軒ほどあるようだ。集落内を抜けて石段を上がって山頂へ。今は立派な神社が立っている場所に昔は城があったという話もある。御岳城という名称だったらしい。

七代の滝。全7段で落ちていて、全体では落差50mというが、ここの部分だけでは数メートル。

神社から隣の日の出山などを眺めた後、石段を下りて長尾平へと向かう。長尾平は展望のいいところなので、パスせずに寄りたい場所だ。その先の分岐から下って七代の滝へ。小さな滝だが、苔むした岩肌の間を水が落ちる様は雰囲気がある。ここから鉄階段を上がって天狗岩へ。

東京とは思えぬ、別世界が広がる岩石園

この先が岩石園。岩石園は昭和10年(1935)に当時の東京府が綾広の滝までの沢沿いの道、約1.5km間を整備して遊歩道にしたもの。苔むした岩石や渓流の景観が、東京とは思えないほど。「東京の奥入瀬」という人もらしいが、それはやや大げさかもしれない。

岩石園。ロックガーデンとも。昭和10年(1935)に当時の東京府が整備した御岳沢沿いの約1.5㎞の道。
さんぽMEMO
岩石園から養沢方面に行く場合は、上養沢バス停までではなく、長くなるが、その先の十里木バス停まで歩くのが、おすすめ。養沢川沿いに残る集落と川の風景がいい。千足バス停脇の東屋商店にビールあり。
落差10mほどの綾広の滝。古来より御嶽神社の禊(みそぎ)の神事が行われている。

その岩石園の中を抜けて、綾広の滝へ。滝前に鳥居があり、紙垂(しで)が下がっている。現在も滝行が行われているようで、神聖な雰囲気だ。周囲の景観もいい。滝からサルギ尾根上の芥場峠へと上がって、大嶽神社へと向かう。道は最初は平坦だが、徐々に勾配が増してくる。途中から岩場の道もあり、危険なところにはクサリも。

大岳山の登り口にある大嶽神社。オオカミの狛犬が神社を守っている。

大嶽神社の手前には朽ちた山小屋。これは大岳山荘で、かつては東京都が管理していて、宿泊もできたようだが、2008年に閉鎖された。大嶽神社の脇から大岳山への登山道があるが、今回は低山が趣旨なので、上がらずに標識の「馬頭刈尾根 富士見台」方向へ針路をとる。

ほぼ平坦な尾根道を進み、東屋のある富士見台へ到着するが、富士の富の字も見えない。富士見台の先には鉄の急階段がいくつかあり、どうにか下り切ると「この先道悪し」の標識。的確な指摘であった。

つづら岩から下りて行くと綾滝がある。落差21mの滝で、音もなく静かに落ちる様が綾織物を垂れ下げたような様子。
綾滝のさらに下に落差が38mもある天狗滝。

ロッククライミングの練習場になっているつづら岩から、いよいよ奥多摩三大急登ともいわれる坂を下る。さすが三大急登の下り。どうにか下りきると、音なしの滝が出現。糸を引くように落ちる綾滝である。そのさらに下方には豪快な天狗滝がある。山と渓谷と滝を満喫できる奥多摩の名コースかもしれない。

アドバイス
全体で6時間ほどかかるので、水や行動食をしっかり準備して行こう。大嶽神社手前の岩場など注意したい。富士見台の先の悪路の急坂と、つづら岩からの急な下りも要注意だ。慎重にゆっくり下りよう。

バリエーションコース
養沢方面コース
滝より沢沿いの道を歩きたい人には、養沢沿いの道をおすすめする。七代の滝だけ見て、天狗岩方面に行かずに御岳沢沿いの道を下る。上養沢バス停まで約1時間半。十里木(じゅうりぎ)バス停までなら、さらに1時間半。左は養沢川。

長尾茶屋

“天空のソムリエ”のホットワインで有名

長尾平分岐点にあるホットワインで有名な茶屋。店主はかつてソムリエをしていて、御嶽神社の宮司に「天空のソムリエ」という名をいただいた。山の水で淹れたコーヒーも美味しい。

 

●11:00~16:00頃(月・土・日・祝のみ営業)。御嶽山駅から徒歩30分。

武蔵御嶽神社

中世は武士、江戸時代は講で賑わった神社

昔から山岳信仰の場として知られた神社。中世には武士の尊崇を集め、国宝や重要文化財の武具や鎧などが納められている。江戸時代になると講という信仰集団が参拝に訪れるようになり、山上に御師の集落もできた。

取材・文=清野編集工房
『散歩の達人 首都圏日帰りさんぽ』より