【四ツ谷・新宿の切絵図】
千駄ヶ谷鮫ヶ橋四谷絵図
切絵図中央部の赤いエリアは神社・仏閣。このエリアに集中しているのは、寛永11年(1634)に江戸城西北に外堀を造ることになり、立ち退きを余儀なくされた麹町地区の寺社群が四ツ谷地区に移転したため。切絵図上部に外堀が描かれ、「四ツ谷御門」とある場所が現在の四ツ谷駅付近になる。ここから下方に延びる道が甲州街道。大木戸門から先が内藤新宿だ。切絵図の下方、「内藤駿河守」の屋敷は、現在の新宿御苑になっている。
内藤新宿は江戸四宿と呼ばれ多くの旅籠屋や茶屋、岡場所(色町)としてもにぎわっていた。甲州街道は産業道路としての役割もあり、荷物を載せた馬も多く行き交う。浮世絵には、そんな馬の足越しに宿場町のにぎわいが描かれている。
※掲載の古地図は、江戸の町を32区画に分割して作った切絵図を使用。すべて、麹町にあった金鱗堂が出版したもので、屋号である尾張屋清七から「尾張屋板(版)」と呼ばれる。鮮やかな多色刷りが特徴。
※切絵図内の白色の部分は【大名屋敷などの武家地・御用地】、赤色は【神社仏閣】、灰色は【町屋】、黄色は【道】、青色は【海・川・池】、緑色は【山林・土手・馬場・田畑など】を示している。
【散歩コース】
スタート:四ツ谷駅はJR中央線で新宿駅から8分・170円、東京駅から9分・180円。
JR中央線・地下鉄丸ノ内線・南北線四ツ谷駅→(11分/0.8㎞)→新宿歴史博物館→(11分/0.8㎞)→西念寺→(6分/0.4㎞)→愛染院→(2分/0.2㎞)→須賀神社→(6分/0.4㎞)→陽運寺→(すぐ)→於岩稲荷田宮神社→(12分/0.8㎞)→四谷大木戸跡→(4分/0.2㎞)→新宿御苑→(29分/1.9㎞)→太宗寺→(5分/0.4㎞)→成覚寺→(3分/0.2㎞)→地下鉄丸ノ内線・副都心線・新宿線新宿三丁目駅
ゴール:新宿三丁目駅から地下鉄丸ノ内線で東京駅まで16分・210円、地下鉄副都心線で渋谷駅まで5分・180円。
今回のコース◆約6.1km/約1時間30分/約8000歩
内藤新宿を再現した模型『新宿歴史博物館』
古代から近現代まで新宿の移り変わりを展示。「江戸のくらしと新宿」と名付けられたコーナーでは、内藤新宿を俯瞰で見た精巧なミニチュア再現模型が見どころ。
『新宿歴史博物館』詳細
服部半蔵が創建し、墓もある「西念寺」
伊賀忍者として有名な服部半蔵が徳川家康の長子・松平信康の供養のために創建。本堂裏に信康の供養塔、右隣には半蔵の墓(写真)がある。槍の名手として知られる半蔵が徳川家康から拝領された槍も所蔵している。
「西念寺」詳細
内藤新宿ゆかりの高松喜六が眠る「愛染院」
内藤新宿の開発に尽力した浅草の名主・高松喜六の墓と、江戸時代中期の国文学者として名高い塙(はなわ)保己一の墓がある。墓地には入れないが、手前には塙保己一の石碑が立つ。
「愛染院」詳細
四谷十八カ町の総鎮守「須賀神社」
江戸時代初期より四谷の地に鎮座する総鎮守。寛永11年(1634)に稲荷神社として創建された。石段の参道はアニメ映画『君の名は。』の舞台で、今なお多くのファンが訪れている。
「須賀神社」詳細
四谷怪談のお岩様を祀る「陽運寺」
文政年間(1818~1830)に活躍した鶴屋南北作『東海道四谷怪談』で有名なお岩様を祀っていることから「お岩稲荷」とも呼ばれている。栃木県にあった薬師堂を移築し、開山された。
「陽運寺」詳細
実在のお岩さんゆかりの社「於岩稲荷田宮神社」
田宮家の邸内にあった社で、『東海道四谷怪談』のモデルとなったお岩と夫・田宮伊右衛門が篤く信仰していた。明治時代に火事で焼失したが、その後再建された。東京都指定文化財。
「於岩稲荷田宮神社」詳細
甲州街道における江戸の出入り口「四谷大木戸跡」
現在の四谷四丁目交差点付近にある関所跡。元和2年(1616)に江戸幕府により甲州街道における江戸への出入り口として設けられた。元禄12年(1699)に大木戸の西に甲州街道最初の宿場となる内藤新宿が開設された。
「四谷大木戸跡」詳細
元は内藤家の江戸屋敷「新宿御苑」
信州高遠藩内藤家の下屋敷だったところ。後に江戸幕府が宿駅としたことが「内藤新宿」の始まり。新宿御苑は皇室の庭園として明治39年(1906)に開園した。
「新宿御苑」詳細
内藤家の墓所と江戸六地蔵「太宗寺」
内藤家5代目の正勝が埋葬されて以降、内藤家歴代の墓所となった。境内には正徳2年(1712)に建立された江戸六地蔵がある。江戸時代中期の巨大な鋳造像として文化財に指定されている。
「太宗寺」詳細
「飯盛女」たちの投げ込み寺「成覚寺」
表向きは内藤新宿で働く飯盛女、実際は私娼であった女性を埋葬している。このことから「投げ込み寺」とも呼ばれている。江戸時代中期の戯作者、狂歌師・浮世絵師の恋川春町の墓もある。
「成覚寺」詳細
取材・⽂・撮影=アド・グリーン
『古地図であるく 大江戸散歩地図』より








