旅館 多聞館
精進料理は出羽三山の自然と歴史が育んだ食文化
11代300年あまり続く老舗宿。「出羽三山精進料理プロジェクト」に地域ぐるみで取り組む。精進料理の食材はすべて出羽三山の恵みを受けたもの。それを先人の知恵がつまった調理法で丁寧に手作りする。月山筍(がっさんだけ)、旬の野菜の天ぷら、フキノトウを油味噌で炒めたバンケ味噌など、心身が浄(きよ)まる料理に心も体も癒やされる。
梅津菓子舗
代々受け継がれる手づくりの駄菓子
かつて雑菓子(ぞうがし)と呼ばれた伝統の駄菓子を昔ながらの製法で作り続ける元禄時代創業の老舗。「きつね面」などの打ち菓子や焼酎菓子、石衣(いしごろも)、ハッカ菓子などが所狭しと並ぶ。振るとカラカラ音が鳴る「からからせんべい」7個540円は、丸煎餅を三方から折り曲げ、中に御殿まりや鈴などを入れたもの。
寝覚屋半兵エ
ツルッツルな庄内のご当地うどん「麦切り」
「麦切り」は庄内地方独特の呼び方。「小麦粉を練って細く切るから」「生麺のこと」など由来は諸説あるとか。その麺は白く艶がありみずみずしい。5mmほどの細身ながらコシがあり、噛むほどに麦の香りが楽しめツルツルモチモチで喉越しがいい。あごだしの効いた甘めのつゆに、薬味として刻みネギと和カラシを添えていただく。メニューは「麦切り」と「そば」の2つ。創業約150年、6代続く老舗の味を堪能したい。
柏戸銀寿し
大洋・柏戸・ちらし寿司!あの名横綱ゆかりの店
柏鵬時代を築いた第47代横綱柏戸(1938~1996)は鶴岡市(旧山添村)の出身。引退してもう半世紀になる。柏戸の弟さんが開いた寿司処の名物は「二枚目」という30種類の具が載ったちらし寿司。食べ進めると深底の器から具がどんどん現れてくる。
農家レストラン キラリ
健康を願い、香ばしい里山の恵みに舌鼓
血管を広げ血流をよくする健康食、美容食として名高いトチの実のオリジナル商品が自慢。100%地元の山で採れたトチの実を使った栃あんもち2個400円、とちの実ソフトクリーム300円。採れたての地の山菜や農産物、農産加工品の直売も好評。
庄内映画村資料館
想い出のワンシーンが甦る「なつかシネマ」の館
日本遺産の国史跡「松ケ岡開墾場」の五番蚕室を使用。庄内ロケ作品の室内セットや小道具、懐かしい名作のポスターなど映画資料1000点以上を展示。前身の「映画『蝉しぐれ』資料館」から14年、12月1日の閉館に向け最後の企画展「さらば平成~映画で振り返る30年~」開催中。
致道博物館
歴史的建造物と豊富な資料で庄内の歴史と文化を広く紹介
旧庄内藩主酒井家16代忠良が土地建物や文物を寄付して創設された施設。鶴ケ岡城(現鶴岡公園)三ノ丸址、庄内藩御用屋敷があった場所に明治期の旧郡役所など歴史的建造物が移築され、歴史的資料や美術品などが数多く展示されている。酒井氏庭園を望む御隠殿奥座敷は、映画『蝉しぐれ』のロケ地にもなった。
南岳寺
霊験あらたかな超能力者とまちなかの即身仏
庄内藩士の長女として鶴岡に生まれた長南(ちょうなん/おさなみ)年恵(1863~1907)は、二十歳の頃に神がかりとなった稀代の超能力者。病人や悩みを持つ人々を救い「極楽娘」「年恵観音」と呼ばれた。空瓶に霊水、神水と呼ばれる液体を手を触れずに満たしたとされ、その水を飲むと重病でさえ完治したという。即身仏とあわせて霊堂に参拝したい。彼女の墓は般若寺(日吉町9-47)にある。
富樫ろうそく店
伝統の絵付けを体験して自分だけの絵ろうそくを
和ろうそくの表面に、鮮やかな顔料で源氏車や蓮華などを手描きする鶴岡の絵ろうそく。江戸時代、時の将軍徳川家斉に日本一と称えられ、幕府へ献上されていた由緒あるもの。伝統的な模様の描き方を指導してもらいながら絵付けが体験できる。