【音楽と一つになれるバー】
気楽なセッションで夜をぶっとばせ。『ISOLDE』[神田]
週末はライブハウスにもなるロックバーながら、ドリンク、フードともに充実しダイニングバーとしても使えるお店。とりわけ毎週水曜の“セッションデー”は人気が高い。その日集まったプレイヤー同士がステージに上がり「オレが指さしたらドラムソロね~」などと軽く打ち合わせすれば一夜限りのセッションがスタート! 年齢も仕事も常連も新人も関係なく、演奏をとおしてひとつになれるとあって、飲み友もすぐできるそうだ。
『ISOLDE』店舗詳細
昼下がりのあなたと酒と音楽と。『 jazz Bar Gugan』[小川町]
ジャズバーなんて門外漢には敷居が高い……そんな気配がしないのは、マスターである山本博一さんのノンビリ柔和な風情のせい。定年まであと10年、というタイミングで「自分の居場所を作ろう」と脱サラし、この店をオープン。音源はCDのみ、マスターは話好き、真空管アンプも常連さんが勝手につないだというゆるさだが、だからこそくつろげる。居場所を探している人は訪れてみては。
『jazz Bar Gugan』店舗詳細
趣味全開の歌謡バー。『歌京』[麻布十番]
人気の酒処『十番右京』のオーナーが2015年に趣味全開で始めた音楽バー。流れる音楽と映像は70~90年代のものが中心で、店内には『明星』『egg』などの雑誌やラジカセなど、同時代のビンテージグッズもズラリ。この日カウンターに座っていた女性も「想像以上……!」と入店直後から満面の笑みで、音と空間で大好きな時代へのタイムスリップを味わえる店だ。トリュフたまごかけご飯など、『十番右京』の看板メニューも味わえます。
『歌謡バー『歌京』』店舗詳細
【知らない音楽に出合えるかも?個性派ショップ】
アナログ・レコードが全ジャンル揃う。『ココナッツディスク 吉祥寺店』[吉祥寺]
ポップス寄りの作品を中心に洋邦のオールジャンルを扱い、幅広い年代のファンに愛されるレコード店。商品はレコードとCDが半々で、最近は特にレコードが好調とのこと。「大瀧詠一や荒井由実など、定番で値段も手頃な作品は特に人気です。最近は若いインディーズのミュージシャンがレコードでも作品を発表しはじめたせいか、レコードを買う若い人も増えました」と店長の矢島和義さん。一方で、これまでは中古しか買わなかった人が、店内で流れる新譜を聴いて、「へー、最近の人なんだ」と感心しながら購入することも増えたそう。「最近はシティ・ポップス的な音楽がまたブームなので、往年の作品を聴いていた人はウチで扱う新譜を聴いても面白いはずです」。アナログは中古のほか再発の新品も扱う。300円、100円など手軽な価格なものも多い。店内では瓶のコーラ120円も販売。代々木、江古田、池袋にも店舗あり。
オススメレコード
オススメCD
『ココナッツディスク 吉祥寺店』店舗詳細
とにかくいろいろ試し聴け!『試聴室』[神保町]
倉庫に眠るCDが1万数千枚あり、聴かれないのはもったいないと、試聴できるカフェを始めたオーナーの根津悟さん。多くが日本のチャートに入らないものだ。お客の要望で生演奏も増え、念願の神保町にライブ主体の店を展開。「今では作品の完成に至るまでの過程が面白い」と、その場限りの音と空気を楽しむ。「知らない音楽を求めてここまで来たけどもっと知りたい。変な機械作って音楽する若者とかいない?」という貪欲さ!
『試聴室』店舗詳細
民族音楽、楽器も学べるハイブリッドな音空間。『万象房』[町田]
山岳宗教の学者である城川隆生さんが2006年に開店。世界の宗教や音楽に出合ったが、いまだ知らない事ばかりだとか。「土着的な音楽ほど、その共同体のみで通じ合うもの。半面、都市で生まれるポップな音楽には世界に通じる可能性がある」。そこで、ルーツ音楽を核に、大人が楽しめる楽器教室とアコースティックライブを開催。アマチュアも交えセッションも行う。「民族楽器が入ると面白いことが必ず起こる!」と楽しげだ。
『万象房』店舗詳細
ジャンルをブチ壊す“武闘派”ショップ。『ロスアプソン?』[高円寺]
「ハワイのサイケ」「コロンビアのダンスミュージック」「田んぼで録音した環境音楽」など、店内に並ぶのは既存のジャンルでは分類不能な作品ばかり。「組み合わせの妙で新鮮な音楽が生まれている場合もあるし、メキシコの村の祭りの音楽にダンスミュージックのルーツが見えたり、ペルーの曲にアジア的なメロディが聴こえることもあるんです」と店主の山辺圭司さん。頭の中のジャンルの壁を壊し、音楽への興味を広げたい人はぜひ訪問を。
オススメCD
『ロスアプソン?』店舗詳細
構成=フラップネクスト 取材・文=神田ぱん、常田カオル、古澤誠一郎 撮影=丸毛透、小野広幸