束の間、時を止めて静かさを味わう『珈琲屋まめは』【つくば】

のどかな農村風景が広がる吉瀬地区にあり、静かで穏やかな空気が店内にも流れる。
のどかな農村風景が広がる吉瀬地区にあり、静かで穏やかな空気が店内にも流れる。
長屋門から入ると手入れの行き届いた庭と別のショップが入った母屋が見える。
長屋門から入ると手入れの行き届いた庭と別のショップが入った母屋が見える。

約1000坪の敷地に築150年以上の農家建築が並ぶつくば文化郷。「元々は農家の住まいでした。私が子供の頃には、陶芸家や写真家、母のアトリエも入っていました。手伝いに行くたび、母屋の喫茶室で作家がくつろぐ姿を子供心にかっこいいと思ったものです」と、『珈琲屋まめは』の店主・岡谷沙織さん。門の両側に長屋を配する長屋門は、江戸時代の武家屋敷の流れを汲む建築様式で、その一室に『珈琲屋まめは』がある。歴史の厚みに思いをはせながら静けさに身を委ねれば、ゆらりと立ち上るコーヒーの香りと和菓子の滋味に促され、自然と自分に還る。

定番の吉瀬ブレンド630円。日替わりの和菓子400円前後。
定番の吉瀬ブレンド630円。日替わりの和菓子400円前後。
スペシャルティコーヒーは10種類以上。注文ごとにハンドドリップ。
スペシャルティコーヒーは10種類以上。注文ごとにハンドドリップ。

『珈琲屋まめは』店舗詳細

住所:茨城県つくば市吉瀬1679-1 つくば文化郷内/営業時間:11:00~18:30LO(土・日・祝は10:00~18:00、喫茶は10:00~14:00LO・16:00~17:30LO)/定休日:水(臨時休あり。HPを要確認)/アクセス:つくばエクスプレスつくば駅から関東鉄道バス「土浦駅」行き13分の「吉瀬」下車8分

草花みたいに朗らかな笑顔がこぼれる『prisme.』【みらい平】

自然光が注ぐ店内。店主の星さん(右)ら、スタッフが笑顔で迎えてくれる。
自然光が注ぐ店内。店主の星さん(右)ら、スタッフが笑顔で迎えてくれる。
青空に映えるカフェ。こんもりと緑が茂る一角が目を引く。
青空に映えるカフェ。こんもりと緑が茂る一角が目を引く。

花のアーチをくぐると馥郁(ふくいく)とした香りに包まれ、童話に迷い込んだような気持ちになる。「ガーデニングが趣味の母のもと庭を見て育ちました」という店主の星えみさんが手塩にかけた庭は、草花がのびのびと枝葉を広げ、木漏れ日が心地良い。テラス席で会話に花を咲かせる人々が頬張っているシフォンパルフェは、なめらかなホイップクリームとキメの細かいシフォンケーキが口の中でふわっと溶け合い、思わずうっとり。普段使いする地元客も多く、かつて大学で研究者を目指していた星さんと気が合うのか「近隣に住む学校の先生がお話をしに来てくれることも」。

季節によって装いが変わるシフォンパルフェ900円(要予約)。
季節によって装いが変わるシフォンパルフェ900円(要予約)。
スコーンディッシュ750円、濃いエスプレッソで作るカフェラテ580円。
スコーンディッシュ750円、濃いエスプレッソで作るカフェラテ580円。

『prisme.』店舗詳細

住所:茨城県つくばみらい市富士見ヶ丘1-13-17/営業時間:10:30~16:00LO(変更あり。テイクアウトは~17:30)/定休日:土・日(変更あり)/アクセス:つくばエクスプレスみらい平駅から徒歩24分

侘び寂びの趣と華のある甘味の競演『茶房 香』【平和台】

ながれやまプリンとコーヒー(ブルーマウンテンNo.1)のセット2640円。
ながれやまプリンとコーヒー(ブルーマウンテンNo.1)のセット2640円。

『京料理 かねき』の店内で『茶房 香』を始めたのは「昔からの常連さんに、年齢を重ねても気軽に利用してほしいから」。店主の渡邉昭一郎さんが考案した甘味のレシピには、どれも京料理の技術が生かされている。茶碗蒸しの要領で蒸すながれやまプリンは、柔らかいが絶妙に食感が感じられ、地元の万上本みりんとしょうゆで作るカラメルは、みりんの甘みが余韻となって鼻腔を舞う。数寄屋造りの侘び寂びとコントラストを成す、ゆるやかに広がる甘み。食後にサービスの焼き菓子とお茶があるのも、ゆっくりしていってと言われているようでうれしい。

京都から運んだ建築部材を使用している。
京都から運んだ建築部材を使用している。
江戸川沿いで昭和8年(1933)に創業。
江戸川沿いで昭和8年(1933)に創業。

『茶房 香』店舗詳細

住所:千葉県流山市流山5-19-4/営業時間:13:00~15:30LO/定休日:土・日・月/アクセス:流鉄流山線平和台駅から徒歩5分

誰もが思い思いに羽を休めるとまり木『千年一日珈琲焙煎所CAFE』【つくば】

筑波大学に隣接。借景の緑が清々しい。
筑波大学に隣接。借景の緑が清々しい。

『千年一日珈琲焙煎所』の姉妹店。以前はここに焙煎所があったが、「オーナーが就労支援を始めるにあたって雇用を増やそうと、約200m先に場所を移してこちらはカフェにしたんです」と店長の土田元気さん。壁を抜いたり、カウンターを立てたり、自分たちで店内の改装をしたが、「奥に謎の死角ができました(笑)」。しかしその「謎」のおかげで空間に表情が生まれ、いろんな景色が見える。店内はギャラリーも兼ね、展示によって席の配置を変えるのだとか。作品と向き合いランチを食べていると、日常と非日常の境目が曖昧になっていく。

ブッダボウル1100円。コーヒー495円。
ブッダボウル1100円。コーヒー495円。
右奥の「謎の死角」には本棚を設置。
右奥の「謎の死角」には本棚を設置。
展示のほか、トークイベントの開催も。
展示のほか、トークイベントの開催も。

『千年一日珈琲焙煎所CAFE』店舗詳細

住所:茨城県つくば市天久保3-21-3 星谷ビル 1F/G/営業時間:11:00~18:00/定休日:火・水/アクセス:つくばエクスプレスつくば駅から関東鉄道バス「筑波大学循環(左周り)」8分の「合宿所」下車5分

温もりいっぱいのもう一つの居場所『kiss a CLOVER』【みどりの】

店内はアットホームに。森田さんのお宅に遊びに来たような気分。
店内はアットホームに。森田さんのお宅に遊びに来たような気分。
住居兼カフェの一軒家で、落ち着いた雰囲気の住宅地にある。
住居兼カフェの一軒家で、落ち着いた雰囲気の住宅地にある。

紅茶を柱に、スコーンやヴィクトリアケーキなど、それに合うイギリスのお菓子を用意。店主の森田真紀子さんは開業前、本場のレシピをもとに試行錯誤を重ねてレパートリーを増やしたという。ミルクティーは「イギリス人の常連さんが『good color(日本のものより色が濃い)』と喜んでくれます」。常連同士が仲良くなることもしばしばで「カフェというより集会所のよう。みんなのサードプレイスになりたい」とはにかむ。畑で採れたフルーツをお裾分けしてくれる人もいて「それでお菓子を作るから原価計算は度外視」。おなかが満たされ、心もぽっと温まる。

週替わりスイーツ3種セットはドリンク付き1500円~。スコーンにクロテッドクリームも。
週替わりスイーツ3種セットはドリンク付き1500円~。スコーンにクロテッドクリームも。
森田さんとのおしゃべりを目当てに通う常連も多い。
森田さんとのおしゃべりを目当てに通う常連も多い。

『kiss a CLOVER』店舗詳細

住所:茨城県つくば市谷田部1144-123/営業時間:12:00~18:00/定休日:木~日のうち週3日営業(変更あり)/アクセス:つくばエクスプレスみどりの駅からつくバス谷田部シャトル「万博記念公園駅・つくば市役所・研究学園駅」行き3分の「陣場ふれあい公園」下車5分

取材・文=信藤舞子 撮影=加藤熊三
『散歩の達人』2026年7月号より