今日も商店街におでんの湯気が立ち上る『後藤蒲鉾店』
戸越銀座の老舗にして変わらぬ人気の『後藤蒲鉾店』。まず驚かされるのは、店頭を彩る何十枚もの記念写真。街レポでおなじみのタレントの方々から、ジャニーズのあの方、そしてなんとあの内閣総理大臣までもがおいしそうにこのお店のおでんを食べる笑顔の光景が展示されている。もうその光景に触れただけでお店を訪れるかいあり。
お店の奥には、大きなガラス張りのケースの中に横たわる何十種類ものおでん種。そして左手前には、メニューなどの掲示物に囲まれるようにして、部屋が区分けされたおなじみの大きなおでん鍋が湯気を上げている。
もちろん地元の主婦の御用達のお店だが、数年前に開設した飲食コーナーには地元の若い男女が集結。出来立ておでんを肴に今日も盛り上がる。季節ごとにおでんの新作も登場。最近のヒットは具に黒コショウや七味が入った辛いおでんとのこと。何種類も販売されているオリジナルコロッケもうれしい。
『後藤蒲鉾店』店舗詳細
今日も音楽好きが大集結するソウルの殿堂『SOULBAR OBRIEN’S』
日本有数の長さを誇る戸越銀座商店街は今や観光地としても大人気。ソウルの殿堂にして多くのファンが訪れる『SOULBAR OBRIEN’S』は商店街からすぐ。閑静な住宅街になかに忽然と光り輝く存在感抜群のお店だ。
店にはほぼ毎日のように“街なかで一番人気のある”DJが日替わりで出演し、そのDJ目当てのお客で満員になることも多いとのこと。「みんなうちに出たいと言ってくれるんだよね」と店主のKenchanman。深夜、日付が変わったころからは毎日Kenchanman自らがDJを行い、好きな音楽で、なじみのお客さんたちと、朝までの時間を過ごす。
お店のスタイルがいたって自由。踊るのも良し、好きな音楽を大きな音で聞きながら眠るのも良し。腹が空いた客にはKenchanmanお手製の料理がすっと出される。
年齢、性別関係なくとことん遊べる自由度抜群のスポット。開店は20時。閉店はだいたい朝。「遊びに行くから2時過ぎくらいに途中で閉店なんて時もたまにあるかな。おれだって自由だもの」とのこと。
『SOUL BAR OBRIEN’S』店舗詳細
24坪にこだわりがいっぱい! 銘柄和牛セレクトショップ『MEAT&DELI 355』
親子三世代で切り盛りするミートショップ『MEAT&DELI 355』は、戸越駅A3出口から徒歩5分。24坪のショップには吟味した銘柄肉と、産地や調味料にもこだわったデリや弁当、こだわり野菜にワインまである。天気がいい日は、購入したものを店外のテーブルでも楽しむのもいい。
主力は国産の肉。「うちは“銘柄和牛のセレクトショップ”。信頼できる問屋が持ってくる肉を自分たちの舌で確かめ、本当に納得のいくものを部位ごとに販売しているんです」と、店長代表の原田さん。好きな銘柄牛はその場で好みにスライスしてくれ、豚肉や鶏肉もお好みの量で購入が可能だ。
店内で販売するデリや弁当は、店にあるもので作られていて、なかでも人気なのが銘柄和牛と深雪もち豚を使用した人気のメンチカツ。散歩のおやつにいかが? アツアツにかぶりつけばジューシーな肉汁があふれだし、コクはあるけどしつこくない。まずはソースをかけずに召し上がれ。
『MEAT&DELI355』店舗詳細
好きな道具で暮らしを楽しく『くらしの雑貨店 もくもくいし』
戸越銀座駅から徒歩10分ちょっとのところにある『くらしの雑貨店 もくもくいし』は、全国の作家さんから届く個性あふれる器や昔ながらの生活用品が並ぶ、自然素材にこだわった雑貨店。
6坪のこぢんまりとした店内には、店主自らが陶器市やクラフトフェアへ出向いて見つけてきた全国各地の作家さんが手がける器たちが並ぶ。同じように見えても一つ一つ風合いが違う器は、つい手に取ってみたくなる。
作家さんの器以外にも、手の届くお値段で使いやすい台所用品がたくさんそろう。店内の商品はどれも店主が自分で使ってみて「使いやすい」と感じたものばかり。
自然素材の道具を触ると心地いい。お気に入りの道具を手に取れば、疲れていても頑張れる。「道具を使って育てる」のも楽しみだ。ぜひ、自分のお気に入りになるような「使ってこその道具」を見つけたい。
『くらしの雑貨店 もくもくいし』店舗詳細
取材・文・撮影=丸山美紀(アート・サプライ)、夏井誠、パンチ広沢