設計士でもある店主の遊び心を探す『トンボロ』[神楽坂]

ブレンド600円は、香りと酸味、こくと苦みの2種。
ブレンド600円は、香りと酸味、こくと苦みの2種。

神楽坂に住んで三十数年の店主・平岡伸三さんが語ってくれた、店のコンセプトは「新しいものと古いものをつなぐラブリーを」。ヨシズの残りと和紙で照明を作ったり、自作のアート作品を飾ったり。息子さんが営む棟続きのカフェと引き戸でつながっていたり。開店から約30年、今でも少しずつ手を加えているとか。小さな創意工夫が、変わらないものの中に心地よく同居する。

擦りガラスから外の風景がぼんやり。
擦りガラスから外の風景がぼんやり。
平岡さん作の針金オブジェ。
平岡さん作の針金オブジェ。
元は写植屋だった建物。
元は写植屋だった建物。

『トンボロ』店舗詳細

住所:東京都新宿区神楽坂6-16/営業時間:10:00~18:00/定休日:木・第1水/アクセス:地下鉄東西線神楽坂駅から徒歩3分

都心では貴重なザ・昔ながらの喫茶店『珈琲専科 珈瑠で』[神楽坂]

俳優の佐藤浩市さんが学生時代に1年間アルバイトをしていた店としても有名だ。
俳優の佐藤浩市さんが学生時代に1年間アルバイトをしていた店としても有名だ。

オープンは昭和49年(1974)だ。飴色の木材を多用した内装に、籐の背もたれのパイプ椅子、温かみのあるオレンジ色の照明がほのかに壁を照らす。店主の堀井敏弘さんは開店以来、一貫してサイフォン式で1杯ずつ丁寧にコーヒーを淹れている。薄いガラス容器越しに見るコーヒーは、目にも美しく、じっくり抽出される時間を待つのもどこかぜいたく。料理の看板メニューは「ナポリタン」。中太のやや柔らかめの麺に生のトマト、ベーコン、玉ねぎなど食べやすい大きさの具材が絡む。上品な味わいで、ボリュームもランチにちょうどいい。

ホットコーヒーは1杯550円。アイスコーヒー550円は、よく冷えた銅製のマグカップで供される。
ホットコーヒーは1杯550円。アイスコーヒー550円は、よく冷えた銅製のマグカップで供される。
ランチのパスタセットは、サラダとコーヒーゼリー、コーヒーが付いて980円。
ランチのパスタセットは、サラダとコーヒーゼリー、コーヒーが付いて980円。

『珈琲専科 珈瑠で』店舗詳細

住所:東京都新宿区津久戸町3-17/営業時間:9:30〜20:00(早じまい有り)/定休日:日・祝/アクセス:JR・地下鉄飯田橋駅から徒歩3分

風光を感じる席にするか、それともおこもり席にしようか『そよや江戸端 喫茶室』[江戸川橋]

北欧シナモンロール450円は、シナモンとカルダモンが香り豊か。ほうじ茶ソイラテ600円とセットで50円引き。
北欧シナモンロール450円は、シナモンとカルダモンが香り豊か。ほうじ茶ソイラテ600円とセットで50円引き。

階段を上がると、左右に対照的な空間が現れる。商店街に面する陽の間と、深緑の壁が光を吸い込む陰の間だ。戦後建築の平屋は増改築を繰り返し、しゃれた意匠が随所に光る。店主の新実喜久子さんは、工務店を営む一級建築士で「人が暮らした記憶を生かして」リノベ。時折催す茶会やイベント、販売もするアーティストの作品、近所の料理家考案のおやつが、新たな息吹を吹き込んでいる。

陽の間の窓辺の椅子は、古布アーティストの作品。
陽の間の窓辺の椅子は、古布アーティストの作品。
陰の間はアートイベントが催されると、がらりと雰囲気を変える。
陰の間はアートイベントが催されると、がらりと雰囲気を変える。
粋な意匠。
粋な意匠。

『そよや江戸端 喫茶室』店舗詳細

住所:東京都文京区関口1-5-6 小日向31番地C室/営業時間:12:00~19:00(土・日・祝は~21:00)/定休日:月・火/アクセス:地下鉄有楽町線江戸川橋駅から徒歩3分

路地の先の茶室で過ごす気張らない時間『神楽坂 和茶』[神楽坂]

ほんのりした酸味の阿波晩茶800円。食べる甘酒の旬果実添え「米の花」800円とよく合う。セットで1300円。
ほんのりした酸味の阿波晩茶800円。食べる甘酒の旬果実添え「米の花」800円とよく合う。セットで1300円。

小さな看板に誘われ、引き戸を開ければ、正統派の茶室が出迎えてくれる。店主・塚田玲美さんは「お茶のおもしろさを少しでも感じてもらえたら」と、茶室をカフェとして開放。抹茶と上生菓子だけでなく、発酵や収穫の違いを楽しめるよう、和紅茶や、阿波晩茶、和チャイも用意。付かず離れずのもてなしを旨としながらも「話が弾むとつい、にじり寄っちゃう」。茶を囲む時間が朗らかに過ぎていく。

着物姿の塚田さん。畳の上に座れるほか、土間のテーブル席もある。
着物姿の塚田さん。畳の上に座れるほか、土間のテーブル席もある。
毎月、初心者大歓迎の体験茶会開催。
毎月、初心者大歓迎の体験茶会開催。

『神楽坂 和茶』店舗詳細

住所:東京都新宿区横寺町37/営業時間:12:00~17:00LO/定休日:水・日/アクセス:地下鉄東西線神楽坂駅から徒歩4分

民家をリノベした開放的なカフェ『elm green coffee』[神楽坂]

『Pain des Philosophes』のバゲットを用いたサンドイッチは11時~。古釜炊きの自家製あんバター&マスカルポーネ650円と、エルムブレンド550円。
『Pain des Philosophes』のバゲットを用いたサンドイッチは11時~。古釜炊きの自家製あんバター&マスカルポーネ650円と、エルムブレンド550円。

のんびり過ごす人の姿を見つけ、行き止まりの路地へ入れば、開け放った窓から芳しい香りがこちらを誘う。民家を改装した店は「美容室を営むオーナーが見つけました。仲間のネイリストと3人で、街の人が憩えるカフェにしたくて」と、店長でバリスタの山崎順絵(ゆきえ)さん。エチオピアを軸にした深煎りのエルムブレンドや、スペシャリティーコーヒーが香り高く、カップ片手に談笑する時間がいとおしい。

ハンドドリップで淹れる山崎さん。
ハンドドリップで淹れる山崎さん。
貸し切りで利用できる2階席もある。
貸し切りで利用できる2階席もある。

『elm green coffee』店舗詳細

住所:東京都新宿区赤城下町10/営業時間:10:30~18:30/定休日:月・火/アクセス:地下鉄東西線神楽坂駅から徒歩3分

住宅地で人を呼ぶタイのお母さんの味『AKHA AMA COFFEE』[神楽坂]

深煎りのケムコン580円、ふわふわしっとり、スパイスを効かせたキャロットケーキ480円。
深煎りのケムコン580円、ふわふわしっとり、スパイスを効かせたキャロットケーキ480円。

オーナーの山下夏沙さんと市川純平さん夫婦がタイで出会ったのは、自身の母親が栽培する豆を用いたカフェを経営するリーさん。「少数民族アカ族出身で、村で初めて大学に行き、食育や教育を広めるための施設をつくってるんです」。その活動に共鳴し、丁寧に作られたコーヒーの味を伝えようと、日本1号店として開店。ハンドドリップを飲めば、すっきりした旨味と深い香りにほれる。

作り手の顔を描いた月替わりのシングルオリジンなど豆も販売。
作り手の顔を描いた月替わりのシングルオリジンなど豆も販売。
現地の栽培風景も紹介。
現地の栽培風景も紹介。
山下さん(左)と市川さん。「豆の味を引き出すロースター技術も高くて。いつか、その技も日本で広めたいですね」。
山下さん(左)と市川さん。「豆の味を引き出すロースター技術も高くて。いつか、その技も日本で広めたいですね」。
タイと同じく住宅地にひそむ。
タイと同じく住宅地にひそむ。

『AKHA AMA COFFEE』店舗詳細

住所:東京都新宿区赤城元町1-25/営業時間:8:00~19:00/定休日:無/アクセス:地下鉄東西線神楽坂駅から徒歩2分

取材・文=佐藤さゆり(teamまめ)、香取麻衣子(編集部)、風来堂 撮影=加藤熊三、木村心保、鈴木愛子