風が吹き抜ける心地よい空間『アルスクモノイ』[神楽坂]

店名はラテン語の「アルス(技術・芸術)」と、日本の古語「くものい(蜘蛛の網)」を合わせた造語から。
店名はラテン語の「アルス(技術・芸術)」と、日本の古語「くものい(蜘蛛の網)」を合わせた造語から。

2019年9月に開店。並ぶ本はジャンルで区切ることはしていない。「わたしが選んだ本をおすすめするというよりは、お客さんが大切なもの、未知のものに向き合える場所にしたい」と店主の上原麻紀さんは話す。アート、写真集、人文、海外文学など巡り合わせで集まってきたものが、やわらかくつながっている。店主がつくる古本の流れに身を投じてそのときどきで違う好奇心の網を広げてみたい。

1912年創刊、ドイツのインゼル文庫シリーズ。
1912年創刊、ドイツのインゼル文庫シリーズ。
古いマッチや紙モノもあり。
古いマッチや紙モノもあり。
珈琲300円。店主が自宅で焙煎している。
珈琲300円。店主が自宅で焙煎している。
店内奥には、文庫、生活の本など。
店内奥には、文庫、生活の本など。

『アルスクモノイ』店舗詳細

住所:東京都新宿区西五軒町10-1/営業時間:12:00~20:00/定休日:月・火/アクセス:地下鉄東西線神楽坂駅から徒歩6分

ここで一息ついて一日を終える愉悦『Book & Bar 余白』[神楽坂]

根井さんと料理担当の奥様。カウンターの文庫は著者の生年月日順に並ぶ。
根井さんと料理担当の奥様。カウンターの文庫は著者の生年月日順に並ぶ。

店主の根井浩一さんが勤めていた出版社を退職、本とお酒を楽しむバーを開いた。自身の蔵書から始まった閲覧用の本は現在2000冊を超え、お客さんが持ってきてくれた本の棚もできた。フードメニューは常時20種類、酒類もビール、ウイスキー、ワイン、日本酒、焼酎、スピリッツと豊富に揃える。家と勤め先以外の第三の場所として、生活の余白を楽しむために大切にしたい店である。

余白のサラダ(自家製鶏ハム、ナンプラードレッシング)720円、餃子660円、グレープフルーツサワー590円。
余白のサラダ(自家製鶏ハム、ナンプラードレッシング)720円、餃子660円、グレープフルーツサワー590円。
本のジャンルは文学から漫画まで幅広い。
本のジャンルは文学から漫画まで幅広い。

『Book & Bar 余白』店舗詳細

住所:東京都新宿区白銀町1-13/営業時間:18:00~24:30LO/定休日:月・火/アクセス:地下鉄東西線神楽坂駅から徒歩5分

地域のニーズに応えた書店&レンタルオフィス『文悠』[神楽坂]

1階は雑誌、新刊、文庫、漫画と街の書店の基本型。他では手に入りにくい神楽坂散歩の本も。
1階は雑誌、新刊、文庫、漫画と街の書店の基本型。他では手に入りにくい神楽坂散歩の本も。

創業は1946年。代表の橘陽司さんは2代目になる。神楽坂の歴史やガイド本、付録付きの幼年誌などを揃えて地元に根付いた本屋さんとしての役割を担う一方で、街の変化にも敏感だ。2019年には地下フロアをレンタルオフィスに改装。「神楽坂に住む方が代替わりして喫茶店で仕事をしている人が増えたので、そのニーズに応えようと思いました」と橘さん。場所の価値を生かす新たな試みだ。

レジ横には神楽坂関連の本。
レジ横には神楽坂関連の本。
代表の橘さん。レンタルオフィスは年間契約で24時間利用可。
代表の橘さん。レンタルオフィスは年間契約で24時間利用可。
店頭右側は貸しスペースとして利用可能。
店頭右側は貸しスペースとして利用可能。

『文悠』店舗詳細

住所:東京都新宿区神楽坂6-8/営業時間:10:00~22:00(日は13:00~)/定休日:祝/アクセス:地下鉄東西線神楽坂駅から徒歩3分

街が変わると品揃えも変わる『芳進堂 ラムラ店』[飯田橋]

東野圭吾や池井戸潤はやはり売れ筋。芥川・直木賞などの受賞作品は切らさずに。
東野圭吾や池井戸潤はやはり売れ筋。芥川・直木賞などの受賞作品は切らさずに。

駅ビルの2階にありビジネスマンや学生などさまざまな層のお客さんでにぎわう。店長の鈴木勝也さんは「飯田橋には新刊書店が1軒しかないので何かのジャンルに特化するというよりは、話題書を切らさないようにしています」と話す。ここ数年は、再開発で高級マンションが建ちファミリー層が増えたため、児童書や学習ドリルの売れ行きが伸びている。本屋さんは地域の生活を支えているのだ。

学習ドリルコーナ ーは圧巻。同じビルには学習塾もある。
学習ドリルコーナ ーは圧巻。同じビルには学習塾もある。
漫画コーナーの平台は充実の品揃え。
漫画コーナーの平台は充実の品揃え。
鈴木さんは1984年のオープン時から働いている。
鈴木さんは1984年のオープン時から働いている。

『芳進堂 ラムラ店』店舗詳細

住所:東京都新宿区神楽河岸1-1 セントラルプラザラムラ2F/営業時間:10:00~21:00/定休日:無/アクセス:JR・地下鉄飯田橋駅から徒歩2分

取材・文=屋敷直子 撮影=加藤熊三、鈴木奈保子