にっぽんの洋食 新川 津々井[茅場町]

威風堂々。醤油系しょうが焼きのレジェンド

肉のカットはオーダーを受けてからという、ポークの生姜焼き1566円。
肉のカットはオーダーを受けてからという、ポークの生姜焼き1566円。

酒と醤油の会社が多かったという中央区新川。それゆえにこの街に根付いて72年の洋食店では、お酒にもマッチする辛めの醤油味のしょうが焼きが人気だ。2代目店主はこの店で生まれ育ち、ホテルオークラで腕を磨いた洋食界のサラブレッド。「とにかくご飯に合うものが目標」だそうで、しょうが焼きは昔ながらのレシピで作っている。しょっぱいタレと豚の甘みが口の中でとろけあう昭和のごちそうを噛みしめると、しょうが焼きのある国に生まれてよかった、と痛感!

ポークジンジャー1650円は大根を使った甘めのソースで、さっぱりした仕上がり。ライスは単品280円。
ポークジンジャー1650円は大根を使った甘めのソースで、さっぱりした仕上がり。ライスは単品280円。
店主の越田健夫さん、奥さんの和代さん。
店主の越田健夫さん、奥さんの和代さん。

『にっぽんの洋食 新川 津々井』店舗詳細

キッチンマカベ[祖師ヶ谷大蔵]

焼き方、ソース、そのどれもが達人の域!

ポークジンジャー1716円はリブロースを使用。分厚くボリューミーだが肉は柔らかい。
ポークジンジャー1716円はリブロースを使用。分厚くボリューミーだが肉は柔らかい。

余分な脂を抜くために肉は多めの油で焼く。しょうがだけでなくタマネギやニンジンもソースに加える。そして、隠し味にニンニク。ちょっと話を聞いただけで2代目店主の兵藤智さんは、惜しげもなくその絶品しょうが焼きの秘密を教えてくれる。けれど『キッチンマカベ』の味は家ではとてもマネできない。ジューシーで肉の旨味を存分に楽しめるのに、しつこくなく上品な味わいなのだ。うれしいのは厨房に3代目の姿があること。祖師谷の名店の味は、しっかり次世代に受け継がれていく。

薄切りの、豚ロースの生姜焼き1485円も人気。
薄切りの、豚ロースの生姜焼き1485円も人気。
左から2代目兵藤智さん、奥さんの寿志子さん、3代目の由弥さん。
左から2代目兵藤智さん、奥さんの寿志子さん、3代目の由弥さん。

『キッチンマカベ』店舗詳細

はと屋[新橋]

ビジュアルも味も昭和レトロ、神々しさが漂う

豚肉バラ生姜焼き定食950円。レタス入りの生姜焼きとは珍しい。ロースも旨い!
豚肉バラ生姜焼き定食950円。レタス入りの生姜焼きとは珍しい。ロースも旨い!

昔懐かしいプラスチックの器。キャベツに添えられた黄色い物体はレモン? いやいや、たくあん。ビジュアルからして、『はと屋』のしょうが焼きは昭和の雰囲気たっぷりだ。「先代の作り方を何も変えていないよ」と店主はしょうが焼きをあっという間に仕上げるが、ブランデーでフランベするところはさすが。風味良いしょうが焼きを頬張った後、たくあんをパクリ。昭和にタイムスリップしたような、ノスタルジックな思いにどっぷり浸れた。

1963年創業で荻山一夫さんは2代目店主。
1963年創業で荻山一夫さんは2代目店主。

『はと屋』店舗詳細

bio ojiyan cafe 下北沢[下北沢]

おじやとしょうが焼き、衝撃のタッグに感動

OJIYA 850円(M)。しょうが焼きは単品1100 円。ラテ・フロート550円。
OJIYA 850円(M)。しょうが焼きは単品1100 円。ラテ・フロート550円。

看板メニューは店名通りおじや。老若男女、幅広い客層が卵たっぷりのおじやを求めてやって来るが、実はしょうが焼きもかなりレベルが高い。定食で食べてもいいけれど単品で注文して、おじやと一緒に楽しんでみよう。しょうが焼きは塩と醤油の2種。しかも大根おろし、キムチ、マヨネーズからトッピングも選べる。塩だれのしょうが焼きは珍しいが、刻みネギとの相性の良さには驚いた。ここでしか味わえない新感覚のしょうが焼きだ。

約20席と店内は広々。
約20席と店内は広々。

『bio ojiyan cafe 下北沢』店舗詳細

取材・文=半澤則吉、かつとんたろう 撮影=小野広幸、オカダタカオ