歴史的建造物のホテルニューグランド本館
山下公園前にある1927(昭和2)年開業の『ホテルニューグランド』。
日本を代表するクラシックホテルのひとつです。1991年にタワー館が出来ましたが、本館は、ほぼ開業時のままを保ち、1992年には横浜市認定歴史的建造物となり、さらに2007年には、経済産業省が選んだ近代化産業遺産にもなっています。
その本館は、銀座和光などを設計した渡辺仁氏によるもので、どの場面を切り取っても絵になる素敵な雰囲気。
ひとつひとつ歴史を感じることが出来ます。ホテルに宿泊していなくても見学することは出来るので、ぜひこの雰囲気を味わってほしいにゃー♪
第二次世界大戦後にはGHQに接収され、マッカーサー元帥も滞在したとのこと。
マッカーサー元帥専用室に当てられた315号室は、今も“マッカーサーズスイート”として存在します。
今回“黒猫スイーツ散歩”で訪れたのは、そんな歴史ある本館1Fにある『コーヒーハウス ザ・カフェ』。
『ホテルニューグランド』発祥と言われるメニューが、いまもこちらで味わうことが出来ます。
木のぬくもりを感じる明るく清潔感のある店内は、広々と100席ほどあり、ランチ・ティータイム・ディナーとシーンに合わせて気軽に利用出来ます。
ニューグランド発祥のスパゲッティ ナポリタン
諸説ありますが、2代目総料理長・入江茂忠氏が、進駐軍の米兵が作って食べている具なしのケチャップスパゲッティを見て、ホテルメニューに相応しく生のトマトで作ったソースに玉ねぎやハムを合わせ作り出したのがナポリタンの始まりとされています。
にんにくと玉葱のみじん切りを飴色になるまでよく炒め、トマトの粗切り・トマトホール・トマトペーストを加え、ローリエとオリーブオイルを入れて完成したソースを、ボイルして一晩寝かした麺と絡めたスパゲッティ ナポリタン。
程よい酸味のソースと、もちもちの麺の相性は抜群でウマウマ。一晩寝かすことにより、このもちもち食感になるそうです。
こちらも、ニューグランド発祥と言われるメニュー。
GHQに接収されていた7年間、宿泊していたのは進駐軍の将校と夫人方。
そのため、デザートも将校夫人が喜ぶものをと考え、ボリュームあるアメリカのデザートに負けないように、別々で出していたプリンとアイスクリームにフルーツを加え、前菜に使っていた横長のガラスの器に盛り付けて誕生したプリン・ア・ラ・モード。
全卵使用の固めのプリンとアイスクリームに添えられるアローカットのりんご、チェリー、キウイ、プルーンなどのフルーツの種類は当時と変わらないそうです。
器や、フルーツの盛り付けなどは、その後広まったプリン・ア・ラ・モードに引き継がれていますが、プルーンは一般的にはならなかったですね。
やはり終戦直後は、プルーンはアメリカから持ち込まれないと手に入らなかったのかな。
黒猫の大好きなプリン・ア・ラ・モードの元祖を味わえて感動でした。
ケーキや焼き菓子のテイクアウトも出来ますが、そんな中にもラムボールなど、ニューグランド発祥と言われているケーキがあるのも凄いですよね。
歴史あるホテルならではのホテル発祥のメニューたち。
ぜひ本館の素敵な空間と一緒に、楽しんでにゃー♪
『コーヒーハウス ザ ・カフェ』店舗詳細
取材・文・撮影=ミスター黒猫