北向地蔵尊

稽古照今、地蔵の力と感染対策で乗り切ろう

岩船地蔵尊と正対してるとか。マスク着用だから至近で拝んでも安心。

江戸天明年間の関東地方は、浅間山の噴火に飢饉(ききん)、加えて赤痢や腸チフスなどの悪疫が流行。現在のコロナ禍より、はるかに悲惨な状況だった。そんなとき、悪疫退散を願って天明6年(1786)に建立。岩船地蔵尊(現在の栃木県)の分身なのは、当時人気を博していた念仏「岩船節」の影響だろうか。感染対策の徹底を誓って合掌。

●拝観自由。埼玉県毛呂山町権現堂

毛呂山食堂

町内産食材で固めたサプライズなご当地丼

豚玉毛丼680円。焼きそば530円〜も、食堂の人気メニューの一つ。

「豚玉毛(ぶったまげ)丼」は毛呂山のB級グルメ。「ぶったまげ」とは地元産豚バラの「ぶ」、赤玉卵の「たま」、毛呂山の「げ(毛)」のこと。甘辛いタレで煮込んだ具に、町の名産「桂木ゆず」の香りが添えられる。「もろしょく」の名で地元に親しまれているこの老舗食堂をはじめ町内9軒で味わえる。

住所:埼玉県毛呂山町毛呂本郷1557/営業時間:11:00〜19:30/定休日:月

毛呂氏の供養塔

名家の流れを汲み、長く毛呂郷を治めた

手前の地蔵の石頭に目が行くが奥3基が供養塔。通路側が表らしい。

毛呂氏は藤原北家小野官流の系譜。祖の季光(すえみつ)は源頼朝の側近として仕え、子孫は代々毛呂郷の領主だった。後に北条氏に属したため、小田原征伐のとき八王子城で多くが討死。約400年続いた在地領主の歴史は幕を閉じた。毛呂氏が開いた長栄寺境内と裏山が館跡で、供養塔から上ると土塁や曲輪(くるわ)が現れる。

●見学自由。埼玉県毛呂山町小田谷698

出雲伊波比(いずもいわい)神社

1000年近く続く神事「やぶさめ」が待ち遠しい

乗り子(射手)は秋が15歳前後の男子、春は7歳未満の男児が担う。

延喜式神名帳にその名がある古社で、国の重要文化財に指定されている本殿は埼玉県最古の神社建築。鎌倉時代に源頼朝の命で畠山重忠が造営、大永7年(1527)に焼失した翌年、領主の毛呂顕繁(あきしげ)によって再建された。康平6年(1063)に始まった古式神事「やぶさめ」は、武芸でなく地域安寧を願う祭り。現在も春と秋の年2回行われている。2020年秋は中止だが春は2021年3月14日に開催予定。

●境内自由。埼玉県毛呂山町岩井西5-17-1  ☎049‐294‐5317

大正7年(1918)の銘がある狛犬。背中のラインと尾の流れがステキ。
かつて乗り子を務めた当地出身の競泳選手・瀬戸大也奉納の願的。
臥龍山の山頂にある社殿。左手の馬場が「やぶさめ」会場になる。

毛呂山町歴史民俗資料館

文化遺産に囲まれた環境で知る、町の通史

縄文から近現代に至る人々の生活、文化や戦乱について深く学べる。

山あいに花開いた古代仏教文化に3つの古墳群、毛呂氏など武蔵武士の活躍、さらには中世の古道と歴史好きには興味深いエリア。町の規模を考えると相当力が入った立派な施設なのもうなずける。保管中の「桂木寺伝釈迦如来坐像」は10世紀の作と思われる県下最古級の仏像。お見逃しなく。

2020年10月17日〜11月15日公開の県指定文化財「桂木寺伝釈迦如来坐像」。
住所:埼玉県毛呂山町大類535-1 /営業時間:9:00〜17:00/定休日:月

苦林野(にがばやしの)古戦場

軍記物に描かれた14世紀の合戦の舞台

合戦で物見に使った小塚とされる前方後円墳の苦林古墳(大類1号墳)と供養塔。

貞治2年(1363)に鎌倉公方・足利基氏と、宇都宮氏綱の重臣・芳賀禅可(ぜんか)の軍が争い基氏が勝利した合戦。足利は上杉憲顕(のりあき)の関東管領就任をもくろみ、芳賀は足利に取られた越後の統治権の奪還が目的だった。実際の兵力は足利3000・芳賀800ほどらしいが『太平記』には両軍計一万数千騎が激しく戦った様が描かれている。ともあれ足利尊氏の登場以後、14世紀の関東は諸勢力が入り乱れ混沌としておもしろい。

●見学自由。埼玉県毛呂山町川角2238

鎌倉街道

武蔵武士が駆けた古道の面影が1.5kmにわたり残る

高さ3mの延慶(えんきょう)の板碑。延慶3年(1310)の銘がある。

鎌倉から武蔵国を経て、上野国(現在の群馬県)と結んだ鎌倉時代の古道。文化庁の「歴史の道百選」に「鎌倉街道上道(かみつみち)」として選ばれている。沿道には南関東で初めて発見された中世の宿「苦林宿」(堂山下遺跡)や大板碑など見どころ多数。江戸初期、東側に並行して道が付け替えられたため、中世の面影がよく残っている。

●歩行自由。埼玉県毛呂山町川角ほか

町東部を南北に縦断。資料館近くには崇徳寺跡などの遺跡も多い。

十社神社

落武者でなく手柄を立てたので怨念なし?

境内を歩くと「八つ墓村」感も少々。左に古墳が一つ見える。

苦林野合戦と関係が深いといわれる旧大類村の鎮守。『太平記』によると、足利基氏の影武者として参戦した岩松治部大輔に芳賀軍の岡本信濃守が斬りかかった際に岩松の家臣・金井新左衛門が差し違えて戦死。金井ら10名の戦死者が祀られ「十首明神」と呼ばれていたという。境内の古墳群に合戦の死者を弔ったとの伝承もある。

●境内自由。埼玉県毛呂山町大類29

柚子の郷製麺おたか本店

ユズの香りさわやか毛呂山のご当地うどん

もり650円。ミニ天丼、ゆず豆腐とゆかりごはん各350円をセットで。

毛呂山特産の「桂木ゆず」の香り高い皮を生地に練りこんだうどん。彩の国優良ブランド認定品で、製法特許を持つこの店でだけ味わえる。ツルっとした舌ざわりと、ほのかなユズの香りが心地よい。地元の旬の天ぷらもおいしい。

乾麺、半生麺、七味など各種あり家でも味わえる。買い物のみも可能。
住所:埼玉県毛呂山町滝ノ入624-1/営業時間:10:30〜15:00(なくなり次第終了・販売は9:00〜16:00)/定休日:月