那須与一の墓
あの弓の名手も熊野を目指した?
那須与一宗高(1169? ~ 1189?)は、源平合戦で源義経に従った武将。弓の名手で『平家物語』には屋島の戦いで軍船上の扇の的を射落とすエピソードが有名。義経亡き後の足跡は定かでなく、出家して旅に出たなど諸説あり、全国各地に伝説や墓所が残る。長野地区には熊野詣での道中で倒れた話が伝わる。後年、末孫の定守が終焉の地を探しあてて寺社を建立したといい、現在もこの地には那須姓が多い。
鬪雞神社
2019年に創建1600年を迎えた武蔵坊弁慶ゆかりの古社
熊野三山の別宮的な存在で「権現さん」の名で親しまれている。神社の名は、壇ノ浦合戦で源氏を勝利に導いた熊野水軍の伝説が由来。武蔵坊弁慶の父であるとされる熊野別当湛増(たんぞう)が、源平双方から熊野水軍の援軍を要請され、神意を確かめるために本殿前で赤を平氏、 白を源氏に見立てた紅白7羽の鶏を闘わせた故事による。勝運導きの神としても信仰を集める。
RaRa Locale
天然酵母パンとパスタを大正風な洋館でいただく
地域に愛された洋館を残そうと、町家カフェとともにNPO 法人が運営。あんパン好きの熊楠にあやかった天然酵母の「くまぐすあんぱん」が人気。ランチのパスタセットは、スモークサーモンのクリームソースなど 5、6 種類あり各 1320 円。
辻の餅
かの熊楠も愛した田辺の定番スイーツ
熊野街道の辻に立つ天保年間(1830 ~1844)創業の老舗。看板商品のおけし餅は、杵でついた餅の表裏につぶあんをつけたシンプルな和菓子。厳選した国産糯米(もちごめ)と北海道産小豆を使用、あんは甘過ぎず餅はしっかりした粘りがある。添加物不使用なので当日中に。
宝来寿司
紀州の海の幸たっぷりの「あがら丼」(=私たちの丼)
田辺観光協会がプロモートする名物ランチ「あがら丼」。昭和 8 年(1933)創業の老舗には「あがら丼」が4つあり、写真は紀州沖で捕れたカツオを特製タレに漬け、田辺名物の釜揚げシラスを盛り込んだ、一番人気の丼。また田辺湾に自生するひとはめ(ヒロメ)はワカメより厚いのに柔らかい海藻。すべてに、このひとはめと地物の小梅入りのお吸い物がつく。