アクセス

電車:京成上野駅から成田スカイアクセス線ほかで約45分の空港第2ビル駅下車。空港シャトルバスに乗り換え約22分の多古町役場前下車ほか。

車:宮野木JCTから東関東自動車道・新空港道を利用し、新空港ICまで約32km。同ICから多古町中心部まで約12km。横芝光ICも利用可。

TACO GLAMP THE MEXICO

廃校を活用した2023年OPENの新名所

里山の自然にどっぷり抱かれたグランピング&オートキャンプ施設で、場内はカラフルなメキシカンテイストに統一。プール(夏季のみ)や旧図書室を活用したコミックルームといった学校跡ならではの魅力を残しつつ、ライトアップされたクリスタルナイトバーでは居ながらにして非日常の時間を過ごせるなど、楽しみ方の自由度も高い。利用プランの詳細はHPで確認を。

●千葉県香取郡多古町南玉造162 ☎︎047-701-8840(11:00〜16:00)

日本寺(にちほんじ)

飯高(いいだか)・小西と並ぶ関東三大檀林

例年6月にはアジサイ見物の参拝者でにぎわう日本寺。杉木立の先に本堂が見える。
例年6月にはアジサイ見物の参拝者でにぎわう日本寺。杉木立の先に本堂が見える。

アジサイの名所として親しまれる古刹。後の飯高檀林(現・匝瑳〈そうさ〉市)4世日圓(にちえん)が日本寺15世になったのを機に徳を慕う学僧が集まり、慶長4年(1599)に学問所の中村檀林を開講。その歴史は明治8年(1875)の廃檀まで275年間続いた。鐘楼や扁額が懸かる山門など見どころも多い。

住所:千葉県香取郡多古町南中1820-1/営業時間:境内自由

泉ベーカリー

地元で長年愛される町のパン屋さん

やわらかな食感のブドウがたっぷり詰まったレーズン食パンは1斤500円、1枚180円など。
やわらかな食感のブドウがたっぷり詰まったレーズン食パンは1斤500円、1枚180円など。
代表の平山泉さん。
代表の平山泉さん。
バターinメロンパン200円。メロンの皮と中身の両方にカルピスバターをたっぷり練り込んである。
バターinメロンパン200円。メロンの皮と中身の両方にカルピスバターをたっぷり練り込んである。

飾り気のない外観ながら、店内には焼きたてのコッペパンにあんぱん・メロンパン・アップルパイ・クロワッサン・チーズパンなどがずらり。一番人気のレーズン食パン(ブドウパン)には希少なカルピスバターを使用し、口にすると風味とコクを感じる。塩水に一昼夜浸けたブドウをナッツやイチジクなどと組み合わせたアイデアパンも豊富だ。

住所:千葉県香取郡多古町多古2658/営業時間:6:00~18:00/定休日:無

多古米

「おかずがいらない」と評される

栗山川沿いの『白石菓子舗』では焼きたての多古米のだんごを提供。左から玄米だんごのしょうゆ100円、多古米だんごのみたらし70円、同あんこ70円。注文は3本から。
栗山川沿いの『白石菓子舗』では焼きたての多古米のだんごを提供。左から玄米だんごのしょうゆ100円、多古米だんごのみたらし70円、同あんこ70円。注文は3本から。
収穫を控えた多古米の水田(写真提供=多古町企画政策課)。
収穫を控えた多古米の水田(写真提供=多古町企画政策課)。

黄金色の稲穂が水田を埋め尽くす光景は、町の秋の風物詩。栗山川の流れが育んだミネラル豊富で稲作に適した粘土質の土壌で作られた米は、ほどよい甘みが感じられ、ブランド米「多古米」として定着。この味に惚れた多くの飲食店でも提供されている。「多古米祭り」の一環として例年10月上旬には、その年に収穫した新米の出来を競う「多古米グランプリ」が『道の駅多古あじさい館』周辺で開催される。

山城巡り

中世城郭遺構が数多く点在

明瞭に窪みが残る多古城跡の空堀。
明瞭に窪みが残る多古城跡の空堀。
城跡訪問のよい記念となる御城印(1枚300円)。裏面には各々の城の解説が記されている。『道の駅多古あじさい館』で販売。
城跡訪問のよい記念となる御城印(1枚300円)。裏面には各々の城の解説が記されている。『道の駅多古あじさい館』で販売。

各所に縄文海進の名残である台地が残る多古町。こうした台地の多くが中世の山城として利用され、その数30カ所以上とか。二重の空堀や土塁などが良好に残る並木城跡、低地に島のように浮かぶ志摩城跡、町を一望する高台にある多古城跡などが訪れやすい。地元有志の「多古城郭保存活用会」では地域の歴史資源を生かすべく、城跡整備のほか、御朱印をもじった御城印も発行している。

●町内各所

CAFE薫風

門をくぐると広がる異空間

建物には澁谷嘉助旧宅で使われていた材料を再利用し、新たに開放的なテラス席を設けている。
建物には澁谷嘉助旧宅で使われていた材料を再利用し、新たに開放的なテラス席を設けている。
塩をまぶした近隣のブランド豚を多古米に混ぜ、薬味を加えて出汁と食す豚めし900円。塩豚のうまみに思わずうなる。ドリンク付きは+200円。
塩をまぶした近隣のブランド豚を多古米に混ぜ、薬味を加えて出汁と食す豚めし900円。塩豚のうまみに思わずうなる。ドリンク付きは+200円。

ダイナマイトの輸入で財をなした澁谷嘉助(かすけ)旧宅跡(正門は国登録有形文化財)にある古民家カフェ。店主・生出(おいで)薫さんの自宅を一部開放した造りで、控えめな照明が落ち着く。ブレンドコーヒー300円、手作りのアップルケーキ500円、フードメニュー900円と、気軽に来てもらえるよう価格は抑え気味だ。来店時は予約が望ましい。

住所:千葉県香取郡多古町北中86/営業時間:11:00~15:00/定休日:月・木

HISTORIA TAKO 871

周囲から隔絶された立地も魅力

牛舎跡を活用した広々とした店内。
牛舎跡を活用した広々とした店内。
シンプルピッツァのマリナーラに旬の地元野菜がぜいたくにのったしんのみイン サラータ1738円(左奥)。ランチタイム限定のBセット(+638円)には前菜6種・デザート・ドリンクが付き、大満足。
シンプルピッツァのマリナーラに旬の地元野菜がぜいたくにのったしんのみイン サラータ1738円(左奥)。ランチタイム限定のBセット(+638円)には前菜6種・デザート・ドリンクが付き、大満足。

雑木林の奥に忽然と現れるイタリアンレストランで、一人でもグループでも利用しやすい。バラエティに富んだパスタと、石窯で一気に焼き上げる自家製ピッツァが評判だ。多古町内をはじめ成田市や富里市など周辺で採れた新鮮野菜を用いたメニューも見逃せない。テラス席はペット同伴での利用も可能。

住所:千葉県香取郡多古町十余三355-64/営業時間:11:30~15:30・17:00~22:00/定休日:月(臨時休あり)

もっこり農園

明るく元気になれるコテコテ系直売所

リヤカーを改造した直売所は常連客が持ち寄った珍妙な装飾品であふれ返る。
リヤカーを改造した直売所は常連客が持ち寄った珍妙な装飾品であふれ返る。
「平和の像」ポーズで出迎えてくれた菅澤さん夫妻。
「平和の像」ポーズで出迎えてくれた菅澤さん夫妻。

幹線沿いのド派手な看板と一見怪しげな屋号が目印。この地で両親と農業を営む菅澤多加男さん・裕子さんによる無人農産物直売所で、根菜類を中心に丹精込めて育てた季節の野菜が並ぶ。かたわらではピアスなど娘さん自作のアクセサリーも販売。

●7:00~19:00、原則無休。千葉県香取郡多古町飯笹797 ☎︎非公開

たまご屋さんCocco

たまご三昧に思わず頬が緩む

数量限定のおっきいたまご20個入り660円を手にするスタッフ。
数量限定のおっきいたまご20個入り660円を手にするスタッフ。
たまごかけご飯セ ットはたまご食べ放題とサービス満点だ。
たまごかけご飯セ ットはたまご食べ放題とサービス満点だ。

隣接する匝瑳市で循環型農業を通じて養鶏・鶏卵生産に取り組む『九十九里ファーム』の直営店。飼育環境やエサにこだわった自慢の生たまごをはじめ、プリンにロールケーキ、玉子焼き、鶏そぼろなどの加工品も販売。地元生産者の農作物なども扱う。店内提供のたまごかけご飯セットは大盛りの多古米にみそ汁・玉子焼き・鶏ごぼうが付いて400円!

住所:千葉県香取郡多古町喜多413-44/営業時間:9:00~17:00(食事販売は~14:30)/定休日:月2回火

YOSHIめだか

愛情がひしひし伝わる無人販売所

世話と補充のため毎朝顔を出す多田さん夫妻。
世話と補充のため毎朝顔を出す多田さん夫妻。
メダカの数は種類により異なり1ケース当たり2~7匹。価格は500~2000円(500円単位)と相場より格安で、飼育のしやすさも魅力だ。
メダカの数は種類により異なり1ケース当たり2~7匹。価格は500~2000円(500円単位)と相場より格安で、飼育のしやすさも魅力だ。

趣味のめだか飼育が高じ、「気軽に見に来て、メダカの魅力をもっと知ってもらえれば」と2022年に無人販売を始めた多田淑和さん・聖子さん。色やサイズの異なるメダカのほか、飼育に必要な水草・エサ・産卵床も販売している。

●4月半ば~11月頃営業。千葉県香取郡多古町御所台266 ☎︎090-8857-0457

松崎神社・北条塚古墳

古社と古墳時代の前方後円墳が隣接

松崎神社社殿の奥にこんもりとした北条塚古墳が見える。
松崎神社社殿の奥にこんもりとした北条塚古墳が見える。

宝亀3年(772)創建と伝わる古社の松崎神社。拝殿前には弘法大師(空海)が参拝した際に残した杖に由来するとされる、逆さ公孫樹(いちょう・町指定天然記念物)が残る。境内裏手には6世紀中葉~後葉のものと推定される全長70mの北条塚古墳(県指定史跡)があり、あわせて訪れたい。

住所:千葉県香取郡多古町東松崎1747-1/定休日:境内自由

【COLUMN】数々の土器も並ぶ魅力発信拠点

町内を巡っていると、「たこらぼ行った?」と声をかけられることもしばしば。「たこらぼ」とは多古町の魅力発信や交流促進を図る複合施設で正式名は『多古町魅力発信交流館』。観光情報を得られるほか、フリーWi-Fiや無料で利用できるコワーキングスペースも完備。町内で出土した土器も多数展示されている。

●9:00~18:00、火休。千葉県香取郡多古町多古2444-1 ☎︎0479-74-3130

旅のワンポイント

出土した丸木舟の大きさにびっくり

1994年、栗山川流域で出土した丸木舟。縄文時代前期末造と推定され全長は7.45m。『多古町コミュニティプラザ』に展示されている。

町内に残された歴史的建造物を訪ね歩く

町内の国登録有形文化財は「木内家住宅」「澁谷嘉助旧宅正門」の2カ所。指定外の「旧多古郵便局」も含め、歴史の面影が色濃く残る。

取材・文・撮影=横井広海
『散歩の達人』2023年9月号より