佐助豚100%にこだわった、彩り豊かなハンバーグランチ
船橋駅、京成船橋駅前で活気を見せる本町通り。人通りが多くにぎやかな通りだが、図書館の隣の道を曲がると、一気に閑静な住宅街に。ワインダイニング『ECURIE』は、そこにたたずむ。
ここで楽しめるのが、店主こだわりの豚肉を100%使用したハンバーグランチだ。
平日ランチメニューのひとつ、大きなプレートに盛られた、佐助豚のハンバーグ1500円。岩手県北部の折爪岳で丁寧に育てられた三元豚“佐助豚”を使用したハンバーグだ。モモやバラなど各部位をブレンドしながら、佐助豚100%にこだわっている。
「佐助豚の脂はすごく上品なんです」と、店主の渡邊さんは話す。一般的な豚肉よりも脂が口の中でとろけやすく、後には残りにくい。豚肉特有の臭みも少ないという。しかし、程良い塩味とスパイスが効いており、しっかりとした味わいだ。
目を見張るのはハンバーグだけではない。サラダやピクルス、焼き野菜がプレートいっぱいにひしめく。このランチだけでかなりの種類の野菜を食べられそうだ。彩りも良く、プレート全体がより華やかになる。
スープも具沢山だ。この日は、タマネギとナスと大根のブイヨンスープ。こうした野菜の豊富さも、『ECURIE』の魅力のひとつだ。季節の旬野菜や珍しい品種など、渡邊さんが自身で目利きしたものを仕入れている。
この日のおすすめワインは、南アフリカのカベルネ・ソーヴィニヨン950円だ。「ハンバーグにはデミグラスソースがかかっているため赤ワインも合いますが、佐助豚と白ワインの相性もいいので、赤・白どちらもおすすめです」と渡邊さん。
ちなみに、土日祝のランチではグランドメニューを提供しているが、もちろんこちらでも佐助豚のハンバーグを堪能できる。
気負わず、飾らず、けれど贅沢に。ワンランク上の豚料理を味わう
『ECURIE』は、フレンチをベースとした創作料理を提供する。しかし、フレンチと聞いて身構える必要はない。店内の雰囲気や料理は、上品でありながらもカジュアルだ。フレンチの知識がなくても、料理のスタイルや素材など、何か聞けば渡邊さんは優しく答えてくれる。気負わずに、ワンランク上の食事を楽しめそうだ。
「当店はどのメニューもおいしいですよ」取材に居合わせたスタッフの方は、胸を張ってそう話す。「もちろん味に自信はありますし、量にも満足していただけると思います。フレンチというとこじんまりした料理を思い浮かべるかもしれませんが、ここではランチもディナーコースもボリューミーですね」とも。
ランチは近隣に住む女性客が多いが、ディナーではカップルや夫婦など、他の地域からも来店する。「細い路地にあるので、フラっと見つけて入ってくるというよりは、ネットやSNSやクチコミで来てくれる人が多いですね」この落ち着いた空間でゆったり料理を楽しめると、常連客からの評価は高い。フランス語で“馬小屋”を表す『ECURIE』。内装は馬小屋をイメージしており、照明もあたたかで、心地よい空間だ。知る人ぞ知る店。ここを密かな憩いの場にしている人も多いのだろう。店内のところどころには、馬モチーフのオブジェが飾られている。
「これだ!」やっとたどり着いた、佐助豚とワインを楽しめる店
10代の頃から料理人を夢見ていた渡邊さん。調理師専門学校を出た後は、ホテルのフレンチで修業を始める。その後は独立に向けてイタリアンや和食、ワインバルなど、幅広い料理のジャンルを日本各地で経験。長い年月を経てたどり着いたのが、“おいしい豚肉とワインを楽しめる店”だった。
本格的に店を出そうと考えていたとき、盛岡の知人の店で偶然食べた佐助豚のとんかつに一目惚れ。「鹿児島の黒豚なども吟味していたのですが、佐助豚に出会って、これだ!と思いました」すぐに、佐助豚を提供する『久慈ファーム』の社長を紹介してもらい、提供してほしいと直々に頼んだのだとか。
また、今後はワインの魅力をもっと広めていきたいとも話す。ワイン好きや、これからワインを知りたい人は要チェックだ。注文した料理とのペアリングも提案可能だという。店内に置かれたワインセラーには、厳選したワインがぎっしりと並んでいた。
街の喧騒も時間も忘れて、大切な人と「おいしい」だけを楽しむ。そんなとびきりの空間に、『ECURIE』を選んでみてはいかがだろうか。ちなみにランチは不定休。そして、ランチもディナーも予約客で満員になることが多いという。来店する際は、電話やネットで予約すると安心だ。
取材・文・撮影=aki