スタート:JR中央線・京王井の頭線吉祥寺駅―(すぐ)→ゾウのはな子像―(2分/0.1㎞)→ハモニカ横丁―(1分/0.1㎞)→小ざさ―(すぐ)→吉祥寺さとう―(2分/0.1㎞)→吉祥寺美術館―(7分/0.4㎞)→四軒寺―(3分0.2㎞)→武蔵野八幡宮―(15分/0.8㎞)→成蹊学園ケヤキ並木―(40分/2㎞)→太宰治文学サロン―(20分/1.1㎞)→禅林寺―(30分/1.7㎞)→三鷹市山本有三記念館―(10分/0.6㎞)→井の頭自然文化園―(2分/0.1㎞)→井の頭恩賜公園―(15分/0.8㎞)→ゴール:JR中央線・京王井の頭線吉祥寺駅
今回のコース◆約7.9㎞/約2時間30分/約1万600歩
1 ゾウのはな子像
駅前の新待ち合わせスポット
はな子は、昭和22年(1947)から井の頭自然文化園で飼育されていたメスのアジアゾウ。69歳というアジアゾウの国内最高齢記録を更新し、日本で飼育された中でも長寿として知られ、同園の人気者となった。像は、平成28年5月に亡くなったはな子をしのんで、吉祥寺駅北口広場に同29年に完成した。
2 ハモニカ横丁
闇市がルーツという昭和風情残る商店街
狭い間口に商店がひしめきあう様子が、ハーモニカの吹き口に似ていることからこの名が付いた。約100店舗が並び、行列必至の肉屋や和菓子店、花屋などの物販をはじめ、夜には飲食店や居酒屋の提灯がともり、より一層にぎわいを増す。毎月第3日曜に開催される朝市が人気を呼んでいる。
3 小ざさ
幻の羊羹を求めて早朝から行列
1日3回、各3升の小豆を煮るため、1日150棹しか作れない羊羹を買い求める客が8時15分から配布される番号札を求めて行列ができる。北海道小豆を炭火で丁寧に練り上げ、きめ細かく、仕上がりはしっとり。羊羹1棹870円、1人3棹まで。
4 吉祥寺さとう
ジューシーなメンチカツが人気の精肉店
契約農家から買い付けている銘柄国産黒毛和牛専門店。行列する客のお目当ては、元祖丸メンチカツ1個240円。和牛の旨味と甘みを感じ、ザク切りの玉ネギも歯ごたえがある。平日は1人20個、土日祝は1人10個まで購入できる。
5 吉祥寺美術館
日本画から版画まで多岐にわたる作品
日本画家・野田九浦の作品をはじめ、油彩や版画、写真など約2500点を収蔵。多彩な企画展を開催するほか、「浜口陽三記念室」「萩原英雄記念室」では、両作家の版画作品を常時展示。オリジナルグッズがそろうミュージアムショップも注目。
6 四軒寺
吉祥寺寺町の俗称ともなった4軒の寺院
真言宗の「安養寺」、浄土宗の「光専寺」、日蓮宗の「蓮乗寺」、曹洞宗の「月窓寺」の総称。明暦の大火によって焼け出された本郷元町(現文京区本郷1丁目)吉祥寺門前町の人々が、この地へ移住し、吉祥寺村が誕生した。4つの寺はその後の創建で、吉祥寺村開村の歴史を今に伝える。
7 武蔵野八幡宮
今も昔も吉祥寺住民が氏神様として尊崇
延暦8年(789)に、坂上田村麻呂が宇佐八幡大社の分霊を勧請して創建したのが始まりという。勝負や仕事運などに御利益がある誉田別尊(ほむたわけのみこと)、縁結びや安産、子育てに御利益がある比売神(ひめがみ)と大帯比売命(おおたらしひめのみこと)の三柱を祀る。武蔵野吉祥七福神の一つ。
8 成蹊学園ケヤキ並木
学生にも市民にも愛される憩いの場所
成蹊大学が、池袋から現在の地へ移転した大正13年(1924)に植栽された。本館前と外周路を合わせて100本以上あり、いずれも樹齢は95年を超える。武蔵野市指定天然記念物、東京都「新東京百選」、環境省「残したい日本の音風景100選」に指定され、11月中旬の紅葉の時季が美しい。
9 太宰治文学サロン
太宰ファンの必見スポット
小説家の太宰治は昭和14年(1939)に妻と甲府から移り住み、疎開期間を除いて約7年半を過ごした。没後60年、生誕100年を記念して開館し、彼の生涯や功績を紹介している。(写真=三鷹市スポーツと文化財団)
10 禅林寺
文学ファンなら一度は訪ねたい古刹
森鷗外や太宰治の墓があり、毎年6月に行われる「桜桃忌」がよく知られている。江戸時代初期に明暦の大火によって移住した神田連雀町の町民によって創建されたのが始まりで、その後、元禄13年(1700)に、黄檗宗の賢洲元養が再興した。
11 三鷹市山本有三記念館
建物は三鷹市の有形文化財に指定
小説家の山本有三が、昭和の一時期を家族と共に暮らした洋館を一般公開し、遺品や資料を通じて彼の生涯を伝える。レンガ壁の瀟洒な建物は、応接間や個性的にデザインされた暖炉に、本格的な洋風建築の粋を見ることができる。(写真=三鷹市スポーツと文化財団)
12 井の頭自然文化園
動物から彫刻まで文化と自然が調和した施設
ニホンリスを放し飼いする「リスの小径」などがある動物園、水鳥や魚類などを見られる水生物園、長崎の平和祈念像を制作した北村西望の約200点の彫刻など、直接触れられる自然と文化が魅力。昭和17年(1942)開園。
13 井の頭恩賜公園
水上から眺めるのが絶景ポイント
大正6年(1917)に開園。武蔵野三大湧水池に数えられる井の頭池を中心に、雑木林のある御殿山、運動施設のある西園、第二公園がある。桜から新緑、紅葉、冬枯れと季節で移り変わる自然が魅力で、ボート(有料)での水上散歩が楽しい。
歩いたらもっと美味しいごほうびグルメ
カフェローズアンドエム
手搾りレモンたっぷりのレモンケーキが評判
山本有三記念館に隣接する洋館。アンティークの家具や調度品を置いた店内は小さいながら落ち着いた雰囲気。レモンケーキ350円などの手作りスイーツやコーヒー500円でくつろぎたい。野菜中心のランチ1200円~もある。
いせや総本店
昼から楽しめる焼き鳥屋。立ち飲み、テイクアウトも可
創業90年を数える老舗焼き鳥店。前身が精肉業者だけに、使用する肉のおいしさは折り紙付き。タン、シロなど12種類ある焼き鳥は1本90円と、財布にうれしい価格。ミックス焼き鳥(4本)360円、ビール(大)550円。
取材・文・撮影=塙 広明(アド・グリーン)