アクセス
電車:JR・私鉄・地下鉄上野駅からJR常磐線・水郡線で約2時間40分の常陸大宮駅下車。
車:常磐自動車道三郷JCTから那珂ICまで約94㎞。同ICから常陸大宮市中心部まで約13㎞。
西ノ内(にしのうち)紙 紙のさと
店舗奥に小さな資料館も併設
水戸藩に厚く保護され、現在は県無形文化財に指定される西ノ内紙の製造・販売兼資料館。店舗では最高品とされる那須楮(なすこうぞ)を原料とした西ノ内紙(西ノ内判未晒〈みさらし〉500円~)のほか、丈夫な揉(も)み紙から作った小銭入れなどの小物を販売。前日までの要予約で1名から漉(す)き絵体験もできる(送料込み1300円、所要1.5~2時間)。
舟(ふな)納豆
室(むろ)の中でクラシックを聴かせて発酵
久慈川の渡し舟を模し、舟形に細工した経木(きょうぎ)で良質な小粒の納豆を包んだ「舟納豆」。ユニークな形状に目が向きがちだが、松の経木は納豆特有の臭みを和らげ、納豆とたれを混ぜる容器としてもそのまま利用できる優れものだ。郷土食を取り入れた「こごいら納豆」や大粒シリーズも扱う店内では多くの商品を試食でき、購入後は冷凍保存も可。
●9:00~17:00、無休。茨城県常陸大宮市山方477-1
☎0295-57-3337
淡水魚館
希少なオオサンショウウオとご対面
自称“日本一小さい淡水魚館”で、久慈川水系を中心に約40種の淡水魚を展示。目玉は国の特別天然記念物でもあるオオサンショウウオで全長は1m超とか。Tシャツやトートバッグも販売。
そば家 麦藁(むぎわら)
新そばの提供は11月初旬を予定
香り・風味・甘みで高い評価を受ける常陸秋そばを提供。日々変わる条件を見極めながらのそば打ちはもちろんのこと、店主自ら地元の野菜を厳選し、市場に足を運んで鮮魚を仕入れるなど、料理の食材にもこだわる。ざるそば750円をはじめ、盛りの量が多めな点にも店主の心意気が表れている。
コミュニティカフェ バンホフ
モットーは"心も体もヘルシーに"
地元民間病院が関わる地域密着型カフェ。多彩なドリンクメニューや手作りスイーツは独創的でありながら、リーズナブルな価格設定がうれしい。管理栄養士がメニュー作りに携わり、健康面にも気を配ったバランスのよいフードメニューは、ランチタイム(~13:45LO)やディナータイム(17:00~)に味わえる。
3年ぶりの実施を目指す“集中曝涼(ばくりょう)”
曝涼とは大切に保管された文化財を虫干しすること。市内の文化財を良好な状態で保存するとともに、周知・活用のため一般公開されるのが「集中曝涼」で、2022年度は11月12・13日に市内各所の寺社などで開催予定。ふだん目にすることのない文化財に親しむ貴重な機会だ。詳細は市のHPで確認を。
●☎0295-52-1111(常陸大宮市教育委員会文化スポーツ課)
百観音自然公園
山腹の各所に多くの観音像を奉祀
緒川地域の川向男体山(かわむこうなんたいさん)中腹に位置し、急な斜面には百基の石仏が点在。なかでも高さ1.5mほどの横穴に36体の観音像が安置され、一番奥に大日如来像が鎮座する「観音洞窟」に足を踏み入れると、自然と厳粛な心持ちに。江戸時代に近在の盲人・小森清蔵が浄財を募り彫ったと伝わる。
●茨城県常陸大宮市那賀
三王山(さんのうざん)自然公園
大展望塔からのパノラマが自慢
標高253mの三王山の山頂一帯に広がる自然豊かな公園。施設としては遊具と野外炊事場がある程度だが、一番のお楽しみは山頂に立つ大展望塔。らせん階段を登りきった先からは、日光・男体山や那須連山のほか、空気が澄んだ日には富士山の姿も。寒い時期には、那珂川の上に発生する雲海を一望できるという。
●茨城県常陸大宮市秋田・千田
お菓子処 ふるさわ
クセになる食感の生クリーム大福
看板商品は生どら焼きをヒントに試行錯誤を重ねた生クリーム大福。餅のやわらかさに生クリームと餡の組み合わせが絶妙で、リピーターが多いのも大いに納得。苺ミルク大福や抹茶大福など種類も豊富で、季節限定品を含め通常12種が店頭に並ぶ。テイクアウトに好適な、カスタードクリーム入りクロワッサン270円も要注目だ。
おがわ富士ハイキングコース
小舟富士山頂から本家・富士山を望む
小舟富士(標高273m)や小瀬(おせ)富士(同246m)と名付けられた地域の里山を巡る、全長5.5kmのハイキングコース。拠点の「物産センターかざぐるま」にはコース概要を写真付きで紹介したパンフレットが用意されているので、案内マップ片手に散策に出かけてみては。
●茨城県常陸大宮市上小瀬・小瀬沢・小舟
高部(たかぶ)宿の町並み
散策がてら文化遺産に出合える
古くは高部館(だて=戦国時代の山城)の城下町に起源をもち、江戸時代からの地割が今も残る美和地域高部地区。江戸時代から近現代にかけての建造物が点在し、往時の面影を今に伝えている。建物の多くが一般公開されていないため、道路から外観を眺めるだけにとどめておきたい。
●茨城県常陸大宮市高部
鷲子山上(とりのこさんしょう)神社(※茨城県では「さんじょう」)
金運・運気上昇のパワースポット
茨城県と栃木県の県境上に鎮座する大同2年(807)創建の古社で、両県におのおの宮司がいる(茨城県側は諏訪神社宮司が兼務)。大神様の使いとしてフクロウが崇敬され、運気を呼ぶ神鳥として参拝者を出迎えている。
茨城県では「とりのこさんじょう」と呼ぶ。
やまがたすこやかランド 三太(さんた)の湯
閑静な山あいに湧く美人の湯
施設名は地元の大男伝説に由来。県北エリア最大級の広々とした内風呂を備えた日帰り温泉施設で、pH値9.7を誇るアルカリ性の湯は滑らかな肌触りが評判だ。ローマ風の東館と洋風の西館は偶数日と奇数日で男女入れ替え制。レストランや売店も併設。
籠(かご)岩
自然が生み出した不思議な景観
奥久慈男体山の南側、大子(だいご)町との市町境に広がる湯沢峡の一角にある奇勝。長年にわたる風雨によりえぐられた岩の表面が籠の目に見えることからこう呼ばれる。紅葉の名所でもある眺めのよい展望台脇から鎖が張られた足場の悪い道を少し進むと、上の写真の場所に出る。訪れる際は慎重に。
●茨城県常陸大宮市諸沢
旅のワンポイント
清流・久慈川が目の前を流れる
久慈川を前にした辰ノ口親水公園には、自然観察路や展望台が整備され、さけ展示館を併設した管理棟には常陸秋そばを味わえる食事処もある。
運がよければ富士山も遠望
籠岩へ向かう車道途中にあるのが山座同定盤も設置された休場(やすんば)展望台。南西側が大きく開けており、日光方面の眺めがよい。
取材・文・撮影=横井広海
『散歩の達人』2022年10月号より