カフェなら縛りナシ!コーヒー、スイーツ、お酒におつまみなんでもOK
ベビーカーを持ったファミリー、仕事途中のビジネスマン、ヘッドフォンをしてキーボードを打つ学生、おしゃべりに花を咲かせるおばあちゃんたち。店内には、幅広くいろんな人がくつろいでいた。
メニューを見ると、コーヒーやスイーツなどの喫茶メニューだけでなく、定食やお酒、そしておつまみと多種多様。その数は、ちょっとした居酒屋レベルだ。その上、お弁当もやっていて……。
店主の安田さんはもともとは焼肉店の料理人だ。自分の店を始めるにあたって、料理はもちろん、こだわったコーヒーにお酒、スイーツなど、自分の食べたいものはなんでも出せる店にしたい、と考えていたそう。そこで、安田さんは思いついた。「カフェならジャンルの縛りがないから、なんでも提供できる」と。
かくして、スペシャリティコーヒーとスンドゥブチゲ定食が共存する空間ができあがった。
自信作はプリンとチーズケーキ。「丁寧さ」が際立つ味わい
開店当初から評判なのが、焼プリンとベイクドチーズケーキ。どちらもシンプルな見た目がとても美しい。その他のスイーツもすべて安田さんの手作りだが、独学とのこと。本当に驚いてしまう。
まずはチーズケーキからいただこう。初めに感じたのは、そのなめらかさだ。キメが細かく、とてもしっとり。甘さと酸味のバランスがよく、チーズのコクも申し分ない。そして、ここでコーヒーを一口。ブラジルのスペシャリティコーヒーを使ったコーヒーは香り高く、重厚な甘さとほどよい苦味のバランスも◎。もちろんチーズケーキとの相性もぴったりだ。
焼プリンは、カラメルソースが特徴的。スプーンですくうと、流れ落ちるほど粘度が少ない。実際に食べてみると、見た目のとおり、さらりとした甘さと苦味で、濃厚な卵の風味が感じられる。派手さのないところがむしろいい。まさに王道の味だ。
「作業の一つひとつ、手を抜かないように心がけている」と話す安田さん。この言葉に集約されているように、どの料理にも「丁寧さ」が印象的だ。
メニューをさらに増やして、もっともっと楽しめる店に
すでにメニューは十分多いと思っていたが、安田さんはもっと増やしたいという。
「昼間から夜まで、自由に楽しんでもらえたら。たとえば夜、お子さんにはきちんとご飯を食べさせて、自分はおつまみとお酒とか、会社帰りにご飯とコーヒーとか。夜のメニューは特に充実させたいです」
今でも、丁寧な料理を提供し、多くの人に愛される店だが、さらに上を目指したい、という安田さん。どんなメニューが出てくるか、まだまだ楽しみな店だ。
取材・文・撮影=ミヤウチマサコ