王道純喫茶で味わう昔ながらのナポリタン『珈琲 琵琶湖』
1979年開業。食事やケーキなど多彩なメニューが揃うなか、一番の人気を誇るのが昔ながらのナポリタン。デュラム・セモリナ粉100%使用の中太パスタは、もちもちとした食感で、食べごたえがある。具は、あえてゴロゴロとした食感を残した豚挽き肉とピーマン、タマネギ、マッシュルームなどの野菜。完熟トマトのみで作った濃厚なケチャップで和えたその味は、まさに喫茶店で食べた昔ながらのナポリタンだ。コーヒー480円~は味と香りを失わないように、こまめに豆を挽き、注文を受けてから1杯ずつサイフォンで淹れる。
『珈琲 琵琶湖』店舗詳細
凝り性の数学講師が手がけるコーヒー工房『thy coffee Atelier』
もともと凝り性だと自認する店主の佐藤さんは、異色の経歴の持ち主だ。数学の教師になるために横浜の大学院で学んでいたとき、「ブルーボトルコーヒー」でアルバイトを始めたことからコーヒーの奥深い世界にハマったのだとか。社会に出て教壇に立つ傍ら、バリスタとして独立したいと開業準備を進め、2022年に『thy coffee Atelier』をオープンした。『thy coffee Atelier』には、ハンドドリップ用のコーヒー豆が常時5種類ある。ブレンドは常に定番と月替わりの2種類があり、定番ブレンドはNotre Premier(ノートル・プルミエ)と名付けられている。「私たちの最初の」という意味のフランス語だ。店主自身が、甘さが残るように焙煎している。
『thy coffee Atelier』店舗詳細
その月だけのスイーツが味わえる住宅地のカフェ『SSYET』
オープンしたのは2020年。周辺は蒲田駅から10分ほど離れた静かな住宅地だ。店主の金井真実(かないまみ)さんは、独立してカフェを開くにあたって、カフェがあまりない場所として蒲田を選んだ。オープン以来、1カ月ごとにメニューを変えるのが『SSYET』のスタイル。毎月3種類のスイーツが用意されていて、どれも甘さは控えめ。そのうちのひとつは、いつも「季節のスープとフォンテーヌブロー」だ。 フォンテーヌブローとは、フランスの同名の街で生まれた、フレッシュチーズを使ったデザートのこと。『SSYET』 では、そのフォンテーヌブローに季節のフルーツをアレンジして提供している。お店を開いたころは、フォンテーヌブローを知っている人はほとんどおらず、注文する人も少なかった。しかし、口コミが徐々に広がり、今では真っ先に品切れになる看板メニューに成長した。
『SSYET』店舗詳細
広い店内はスペシャルティコーヒーの入り口『蒲田カフェ』
住宅地の入り口のようなロケーションに、テーブル席とソファ席を持つゆったりした空間。朝8時から18時まではカフェタイム、18時以降23時まではバータイムとして営業し、食事とドリンクを組み合わせて提案するなど使い勝手の良い店だ。バリスタが自家焙煎するコーヒーは、農園指定の豆が中心。これまで本格的なコーヒーが飲める店が少なかった蒲田で、スペシャルティコーヒーの入り口になっている。フードメニューも豊富で、モーニングの時間帯はクロックムッシュやクロックマダム、ランチタイムはグラタンやパスタ、サンドイッチが提供されている。オープンしたのは2021年12月だが、1年ほど経った2023年1月に、お店に自動車が突っ込むという災難に見舞われた。しかし今では無事復活を遂げ、その修繕のために行われたクラウドファンディングに協力した蒲田の人たちの名前が店内に掲げられている。
『蒲田カフェ』店舗詳細
/定休日:木/アクセス:JR・私鉄蒲田駅から徒歩5分
オリジナリティあふれるモーニングが自慢!『きりん珈琲』
「モーニングの醍醐味は、安くてお得な気分を味わって今日も1日がんばるぞって思えること」と話す店主の大原明日香さん。モーニング文化が根強い岐阜県出身で、東京でもその魅力を広めたいと2019年に店を開業した。自家焙煎のコーヒーとセットで味わえるモーニングメニューには、大人気の厚焼たまごサンドセットをはじめ、専門店かと見紛うばかりの一風変わったサンドイッチが揃う。神田にあった喫茶店「エース」をリスペクトしたきりん流のりバターサンドは、海苔の佃煮とマスカルポーネチーズのマッチ具合が期待をはるかに超えてくるおいしさだ。
『きりん珈琲』店舗詳細
ロートレックの作品を飾った古き良きパリのカフェ『チェリー』
1960年創業の純喫茶。2014年に“古き良きパリのカフェ”をコンセプトに店は大変身。店内の赤い壁にはパリのキャバレー『ムーラン・ルージュ』を描いた作品で知られるロートレックの絵画を飾り、洗練された雰囲気のなかにも懐かしさを感じる独特の空間になった。店の看板料理のチェリー風 焼きチーズカレーをはじめ、フードメニューが充実しているのでレストランとしても利用できる。メニューには掲載していない、いわゆる裏メニューがプリンアラモード。半切りしたメロンの器にパイン、メロン、ブドウ、バナナ、オレンジなど10種類を超す季節のフルーツと、生クリーム、バニラアイス、プリンなどが入ったビッグサイズのスイーツだ。
『チェリー』店舗詳細
時がゆっくりと流れる昭和レトロ喫茶『テラス・ドルチェ』
昭和の面影を残す蒲田のアーケード商店街で、40余年の歴史を持つ純喫茶。創業以来続くサイフォンコーヒーの味を、現在は若き2代目店主が伝えている。この店ではアイスコーヒーもサイフォンで淹れる。濃いめに淹れたコーヒーと、クラッシュした氷が入ったグラスをテーブルまで運び、客の目の前でグラスに注ぐ。瞬間的に冷やすことで、味と香りが際立つのだという。これも初代店主が考案した人気メニューだ。また、フードメニューが多いのも特徴の一つ。メニューを開けば、ケーキ、パフェ、パンケーキ、ピラフ、スパゲティ、カレーなどに分かれ、それぞれに数種類が用意されており、選ぶのに迷ってしまいそうだ。いずれもドリンクとセットにすれば割安になる。
『テラス・ドルチェ』店舗詳細
スペシャルティコーヒーに定食、お酒まで楽しめる『Cafe ig(カフェ アイジー)』
喫茶、定食、酒と全方位のメニューが充実しているだけでなく、仕入れや淹れ方にこだわるスペシャルティコーヒーや丁寧に作り上げる自家製スイーツが評判。特に焼プリンは流れ落ちるほどさらりとしたカラメルソースが特徴で、濃厚な卵の風味とバランスの良い甘みと苦味が絶妙。店内は明るさのある落ち着いた雰囲気で、定食を食べる親子連れや、ゆったりとカフェオレを飲む一人客、お酒を楽しむ人たちと多くの楽しみ方にあふれている。作業一つひとつに手を抜かず、新しいメニューにも挑戦していくカフェだ。
『Cafe ig』店舗詳細
日本茶で楽しむ和スタイルカフェ『KAKUMEI Burger&Café』
蒲田の中でもディープなスナック街にあるカフェで、牛ステーキ肉100%で作るハンバーガーが自慢だ。塩と混ぜた1cm大の赤身肉を手でぎゅっと握ってまとめ、鉄板にそーっと置いてレア気味に焼く。軽い口当たりのバンズにかぶりつくと、大きめの肉の塊が口の中でほろりとほどけ、肉々しい弾力が口の中いっぱいに広がる。まるでステーキを食べているような気分になるが、脂肪を取り除いた赤身肉使用で、ソースは味噌麹、付け合わせも和風なので食べごたえはありつつヘルシーだ。
『KAKUMEI Burger&Café』店舗詳細
おいしいマクロビで心も体もリセット『ひだまりカフェ』
ヴィーガンと非・ヴィーガンが一緒においしく食事できるカフェ。肉、卵、乳製品などの動物性食品と白砂糖は不使用、できる限りオーガニックの食材を使用するが、ベジタリアンでない人のために魚料理も提供している。3種のメインのおかずから1品、「本日のおそうざい」4種から2品、または3品セレクトでき、玄米ご飯、味噌汁、おしんこ、健康茶がセットになる「ひるの定食」が人気。とくに圧力釜で炊く有機無農薬の玄米は、噛めば噛むほど甘みがありモチモチとしていて「玄米のイメージが変わった」という人も。大豆ミートに味付けをしてからりと揚げた「なんちゃって鶏の唐揚げ」など、健康に良いだけではなく、しっかりと「おいしい」メニューがいっぱい。心も体もリセットできるやさしさあふれるカフェだ。
『ひだまりカフェ』店舗詳細
取材・文・撮影=野崎さおり、中村こより、塙 広明、ミヤウチマサコ






