歌麿らの貴重な肉筆画や、浮世絵師らによる版画が勢ぞろい
海外では最も包括的なもののひとつと評されるほど、量・質ともに充実を誇る『大英博物館』の日本美術コレクション。その形成を支えてきたのは、ジャポニスムが流行した19世紀後半以来、海を隔てた異国の地・日本の文化に魅了された人々だった。数々の収集家や学芸員が築いたつながりは、国境や時代を越えて広がり、今日まで受け継がれている。
本展では、4万点に及ぶ同館の日本美術コレクションから厳選し、歌麿、写楽、北斎、広重といった代表的な絵師を中心とした浮世絵版画作品や、江戸時代の屛風、掛軸、絵巻の絵画作品などが登場する。同館が日本美術の収集・研究・保存の第一線で果たしてきた役割をたどるとともに、名品が一堂に会する貴重な機会だ。
近年話題になった作品なども登場
本展で紹介され、日本初上陸となる《法隆寺金堂壁画 九号壁 模本》は、『大英博物館』コレクションを調査していた三笠宮彬子女王殿下によって発見された作品だ。これをはじめ近年の調査で話題になった作品が展示されているのも注目だ。
2024年9月には、青森県中泊町の旧家にある襖絵《春景花鳥図襖》が、『大英博物館』が所蔵する襖絵《秋冬花鳥図襖》と一連の作品だったことが判明し、日本美術の研究者や愛好家のあいだで話題になった。『シアトル美術館』所蔵の作品《琴棋書画仙人図襖》とも連動しており、これら3つの作品が本展で約150年ぶりの再会を果たす。襖絵はどのようにして青森、ロンドン、シアトルという遠く離れた土地に分かれたのか。海を越えた襖絵の数奇な運命をたどるとともに、驚きの新発見がひもとかれる。
大英博物館に受け継がれた日本美術の名品たちから国際的な文化交流の歴史を振り返り、時間と場所を超えた美術との対話を堪能しよう。
開催概要
「東京都美術館開館100周年記念 大英博物館日本美術コレクション 百花繚乱~海を越えた江戸絵画」
開催期間:2026年7月25日(土)~10月18日(日)
開室時間:9:30~17:30(金は~20:00。入室は閉室30分前まで)
休室日:月(ただし8月10日・9月21日・10月12日は開室)、10月13日(火)
会場:東京都美術館 企画展示室(東京都台東区上野公園8-36)
アクセス:JR上野駅公園改札から徒歩7分、地下鉄銀座線・日比谷線上野駅7番出口から徒歩10分、京成電鉄本線京成上野駅から徒歩10分
入場料:一般2300円、65歳以上1600円、学生1300円、18歳以下・高校生以下無料
※身体障害者手帳・愛の手帳・療育手帳・精神障害者保健福祉手帳・被爆者健康手帳をお持ちの方とその介護者の方(1名まで)は無料。
※学生、65歳以上、各種手帳をお持ちの人は、証明できるものを提示。
【問い合わせ先】
ハローダイヤル☏050-5541-8600
公式HP:https://daiei-ten2026.exhibit.jp
取材・文=前田真紀 画像提供=東京都美術館






