今回歩いたコースはこらら!

●歩いた距離・時間(登山口から。休憩などは含まない)
約2.3km・約1時間25分
●登山口までのアクセス
JR土讃線伊野駅から車2時間10分の瓶ヶ森駐車場下車、徒歩5分

比較的楽に登れる、絶景の瓶ヶ森へ【いの町】

秋が深まり、紅葉に染まる瓶ヶ森を望む。UFOライン付近にある伊吹山からの眺め。
秋が深まり、紅葉に染まる瓶ヶ森を望む。UFOライン付近にある伊吹山からの眺め。

高知県は北を四国山地、南を太平洋に囲まれた自然豊かなエリア。県土の80%以上を山地が占め、眺望の美しい山々が連なっている。

瓶ヶ森は、高知県と愛媛県の県境付近にある標高1897mの山。登山口そばの駐車場までは「UFOライン」(町道瓶ヶ森線)と呼ばれる道を経由して向かう。標高1300mから1700mの尾根沿いを縫うように走る、まさに天空のドライブコースが気分を高めてくれる。

瓶ヶ森の山頂近くを通る、町道瓶ヶ森線の別名は「UFOライン」。毎年10月上~中旬には紅葉も見られる。
瓶ヶ森の山頂近くを通る、町道瓶ヶ森線の別名は「UFOライン」。毎年10月上~中旬には紅葉も見られる。

瓶ヶ森には、女山(めやま)と男山(おやま)という2つのピークがある。男山、女山を制覇し、笹原の登山道を抜けて下山する周回コースを選択した。

登山口は標高1680m付近にあり、山頂までの高低差220mほど。比較的やさしいルートなのもありがたい。

氷見二千石原(ひみにせんごくばら)と呼ばれる笹原を見下ろす、 男山へ向かう登山道からの眺め。左奥に見 えるのは、西日本最高峰の石鎚山。
氷見二千石原(ひみにせんごくばら)と呼ばれる笹原を見下ろす、 男山へ向かう登山道からの眺め。左奥に見 えるのは、西日本最高峰の石鎚山。

山のお土産に! 特別な出会い

今回は、四国の山々で行商をする「お菓子売りのてくてく」さんのおやつもお目当てだ。てくてくの小川麻里子さんは、登山とお菓子づくりという趣味が高じて生業(なりわい)にしてしまった人。

10㎏を超える背負子(しょいこ)を担いでいるとは思えないほど、軽やかに登っていく姿がまぶしい。

途中、すれ違う人が「てくてくさ~ん!」と駆け寄ってくる。背負子を開けて焼菓子を手に取ると、たちまち笑顔が弾ける。四国の山で、彼女は有名人だ。

そんなハートウォーミングなふれあいに癒やされながら、その背中を追って上を目指す。

自然の豊かさに惹かれて東京から移住した小川麻里子さん。「てくてく」として四国の山を回るほか、高知市内でお菓子工房『alku(アルク)』を営む。自分たちで栽培したサトウキビから黒糖を作るなど、できるだけハンドメイドで。●てくてくさんの販売スケジュールは、インスタを確認。@tekuteku_shikoku

男山を目指す途中に、石鎚山を望む見晴らしのよい岩場を発見。
男山を目指す途中に、石鎚山を望む見晴らしのよい岩場を発見。
手づくりのクッキーやパウンドケーキ、マフィンなど10種以上がそろう。各500円
手づくりのクッキーやパウンドケーキ、マフィンなど10種以上がそろう。各500円
てくてくさんの行商予定に合わせて登山を楽しむ仲よしの親子も。
てくてくさんの行商予定に合わせて登山を楽しむ仲よしの親子も。
てくてくさんのオリジナルピンバッヂ1200円も道中で購入できる。
てくてくさんのオリジナルピンバッヂ1200円も道中で購入できる。

瓶ヶ森は頂上付近一帯がクマザサで覆われており、比較的なだらかな平原のため登りやすい。

男山までの登山道には、ところどころにゴツゴツとした岩場があるが、息を切らし登った先には、西日本最高峰の石鎚山や風に揺れる笹原の眺め。視界が開けるゾーンが多く、眺望のよさも瓶ヶ森の魅力だろう。

男山山頂からなだらかな稜線を辿り、女山山頂へと向かう。その道中には、緑の絨毯(じゅうたん)のような景色。山頂で頬張る、てくてくさんの焼菓子が沁みる。

瓶ヶ森は古来、石土(いしづち)信仰の対象とされ、男山山頂には石土古権現の祠(ほこら)が祀られている。登山日はお山開きの時期だったため、山伏の方々の姿も見られた。
瓶ヶ森は古来、石土(いしづち)信仰の対象とされ、男山山頂には石土古権現の祠(ほこら)が祀られている。登山日はお山開きの時期だったため、山伏の方々の姿も見られた。
ロープを登るプチ難所もあるが、基本的には登りやすい。
ロープを登るプチ難所もあるが、基本的には登りやすい。
愛媛からやってきた同級生コンビもこの笑顔!
愛媛からやってきた同級生コンビもこの笑顔!
瓶ヶ森の最高峰・女山に登頂! 晴れた日には、瀬戸内海まで見えるとか。
瓶ヶ森の最高峰・女山に登頂! 晴れた日には、瀬戸内海まで見えるとか。
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ちょっと足を延ばせば……

瓶ヶ森の名前の由来になったという瓶壺(かめつぼ)。サンショウウオが見られるかも。●登山口から徒歩20分。
瓶ヶ森の名前の由来になったという瓶壺(かめつぼ)。サンショウウオが見られるかも。●登山口から徒歩20分。

登山後は桑瀬川沿いに湧く『木の香温泉』へ立ち寄り、名湯にのんびりほっこり。

山々を望む露天風呂に身をゆだね、湯上がりにはソフトクリームをパクリ。満天の星の下の湯浴みもおすすめしたい。

仁淀川をイメージした木の香ブルーソフトクリームミックス500円。
仁淀川をイメージした木の香ブルーソフトクリームミックス500円。
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『木の香温泉(道の駅 木の香)』川のせせらぎがBGM、山里の名湯

露天風呂は男湯も女湯もこの眺め。大浴場の湯は、疲労回復や冷え性に効果が期待される良泉だ。広々サウナもあり、水風呂のあとの外気浴で最高にととのう。
露天風呂は男湯も女湯もこの眺め。大浴場の湯は、疲労回復や冷え性に効果が期待される良泉だ。広々サウナもあり、水風呂のあとの外気浴で最高にととのう。

吉野川の支流・桑瀬川のほとりにある道の駅。露天風呂を備えた温泉をはじめ、地元食材を味わえるレストラン、高知の特産品が並ぶ物産館があり、ドライブインに最適。宿泊施設もあるので、登山の前後にステイもよし。

☎088-869-2300
温泉は11:00~20:00受付、800円
物産館は9:00~18:00(レストランは11:00~)
火休
泉質/ナトリウム-塩化物泉
高知県いの町桑瀬225-16
JR土讃線伊野駅から車1時間3分

駅長イチオシ、あめごの塩焼き定食1450円。吉野川の支流で育てられた新鮮なアメゴを、塩焼きと天ぷらで食べ比べできる。
駅長イチオシ、あめごの塩焼き定食1450円。吉野川の支流で育てられた新鮮なアメゴを、塩焼きと天ぷらで食べ比べできる。
ご近所の酒蔵・川澤酒造の日本酒は各種720ml2300円~、けずり芋けんぴ480円など、いの町の特産品が買える。
ご近所の酒蔵・川澤酒造の日本酒は各種720ml2300円~、けずり芋けんぴ480円など、いの町の特産品が買える。
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紅葉が彩りを添える渓谷をゆく【仁淀川町】

いの町のお隣、仁淀川町では、仁淀川の支流・岩屋川渓谷を地元のガイドとめぐるハイキングが好評。

むかしながらの山道を辿り、案内のもと季節の草花や暮らしの知恵にふれ、山里に受け継がれる文化を学ぶ。素朴な郷土菓子「いりもち」を七輪で焼いて食べるひとときも素敵な思い出に。

旅の締めくくりは、中津渓谷の入口に立つ『中津渓谷 ゆの森』。紅葉を眺めながら湯に憩い、仁淀川町の旬を盛り込んだ料理に舌鼓。

木のぬくもりあふれる客室やコテージに泊まれば、朝夕で表情を変える渓谷の自然をたっぷり浴びることができる。

岩屋川渓谷の吊り橋を渡って上流へ。地元を知りつくした仁淀川町の観光を考える会のガイドのもと、 巨石の間を通り抜けたりするルートを歩く。
岩屋川渓谷の吊り橋を渡って上流へ。地元を知りつくした仁淀川町の観光を考える会のガイドのもと、 巨石の間を通り抜けたりするルートを歩く。
ハイキングのあとは渓谷茶屋 嵯峨野で七輪を囲み、いりもちでカフェタイム。
ハイキングのあとは渓谷茶屋 嵯峨野で七輪を囲み、いりもちでカフェタイム。
焼き目が香ばしい郷土茶菓・いりもち。
焼き目が香ばしい郷土茶菓・いりもち。

巨石連なる岩屋川渓谷の絶景ハイキングと郷土茶菓『いりもち』を楽しむ

地元ガイドとともに、巨岩や清流が織りなす岩屋川渓谷を歩く体験プログラム。四季折々の自然を満喫したら、あんを包んだよもぎ餅を香ばしく焼いた町の郷土菓子「いりもち」を味わい、地域の人との交流も楽しもう。

☎090-8696-7707(仁淀川町の観光を考える会)
出発時間は10:00~13:00で応相談、所要約2時間(10日前までに要予約)
9500円(2名以上の場合は1名5000円)
集合/仁淀川町別枝(秋葉広場観光駐車場)
JR土讃線佐川駅から車55分

『中津渓谷 ゆの森』“仁淀ブルー”の渓谷に佇む湯宿

一面の窓から紅葉狩りができる大浴場。川沿いにある男女週替わりの露天風呂も気持ちいい。
一面の窓から紅葉狩りができる大浴場。川沿いにある男女週替わりの露天風呂も気持ちいい。
別館には温泉ではないが、専用の内風呂もある。
別館には温泉ではないが、専用の内風呂もある。

中津渓谷の入口に位置する温泉宿。露天風呂や地元食材を生かした料理を堪能できるほか、2026年3月のリニューアルで国産木材を使った古民家風の別館が誕生した。木のぬくもりに包まれながら、渓谷の自然を享受したい。

☎0889-36-0680
1泊2食2万1800円~
日帰り入浴は11:00~19:30受付、
火曜(祝日の場合は翌日)と水・木曜不定休あり。850円
泉質/アルカリ性単純硫黄冷鉱泉
高知県仁淀川町名野川258-1
JR土讃線佐川駅からバス35分の名野川下車、徒歩12分

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[Infomation]よさこい高知 宵の舞(秋の陣)―鳴子響く原点へ。よさこい発祥の地。―

高知の夏の風物詩「よさこい鳴子踊り」が、秋の夜にも楽しめる。各日イベントの最後には、踊り子と一緒に参加できるよさこい総踊りも。さらに期間中は、特別に高知城が夜間開館される。2027年1月には冬の陣も開催。

開催期間/2026年10月24日~12月6日の金~日曜・祝日と2026年11月2日
会場/ひろめ市場南スペース「よさこい広場」、大橋通り商店街
https://doppuri.kochi-tabi.jp/yoinomai_2026/

取材・文=本田亜由美 撮影(いりもちハイキング、中津渓谷 ゆの森を除く)=西森ちえみ(ORDI)
紅葉写真=いの町観光協会
協力=どっぷり高知旅キャンペーン推進委員会

『旅の手帖』2026年10月号より

温暖な気候に恵まれた高知県では、ビニールハウスなどを使って野菜を育てる「施設園芸農業」が盛ん。スーパーマーケットや街路市で普通に売られている野菜も高品質で、味がギュッと詰まっている。実は野菜の王国なのだ。風土とともに作られる野菜を知るべく、高知市内の農家や飲食店を訪ねた。
高知では、「おきゃく」など独自のお酒文化が根づき、毎日杯を傾ける人も多い。そんな土地で、風土に調和しながら技を磨き、個性あふれるお酒を生み出す人がいる。いま注目の美酒を求め、蔵やワイナリーを訪ねよう。
高知県のほぼ中心を流れる仁淀川は、エメラルドグリーンともターコイズブルーとも呼べるような「青」の美しさから“仁淀ブルー”と表現される。実は“仁淀ブルー”は、冬に最も青く見える。ほかにも冬の高知には、脂ののったウナギに、ご当地食のウツボ、そして温かく体を休めてくれる温泉など、冬に楽しめる魅力が詰まっている。実はいいぞ、冬の高知!