島(沖縄料理)【飯田橋】
本場の出汁で飲む酒、快感!
なんと! 沖縄返還前から飯田橋の片隅で開業。創業60年目の沖縄料理屋『島』で味わえるのは、昔から変わらない本場の“沖縄そば”である。「豚や鶏に根菜、あとは昆布とかつお節も。それを弱火で3時間煮るから出汁は手間かかって大変なのよ」と山本文江ママは笑う。スープはコクがあるのに滑らかサラサラ。アルデンテの麺にもよく絡み、合間に泡盛35度のストレートを飲み込めばじわ~っと胃袋に響く。あっという間に酔っちゃって、アハ~~いい気持ち。
『島』店舗詳細
焼鳥×和酒 遊【飯田橋】
身体に染みる安らぎの味
串焼にも使う“健味どり”をとろ火で煮込んだ繊細なスープには、シイタケと昆布の出汁を加える。「鶏の旨味にプラスすると味に厚みが出るんです」と店主の田上裕一さん。栃木県の日本酒・大那を合わせれば、口のなかで優しくひとつにまとまって余韻にほのかな米の甘みが残る。うーん……これぞ安らぎの味。酒と合わせるからこその妙である。しみじみ酔っていく快楽はこたえられず、つい飲み過ぎてしまいそう。
『焼鳥×和酒 遊』店舗詳細
おでんやden【四ツ谷】
温かい出汁+冷たい酒の醍醐味
店内に入ると鼻をくすぐる出汁の匂い。カウンターの中央に立ち、忙しく立ちふるまうのが店主の佐藤真一さん。毎日とる出汁は昆布とかつお節がベースで、清々しいほど透明な味わいだ。つゆがたっぷり入った半熟卵や珍しいカマンベールチーズのおでんは、汁物好きならば外せない。身体が温まり冷酒がするする入る。「作り続けるほどにおでんが好きになる」という柔和な店主の人柄も肴に、ゆるりと夜が更けていく。
『おでんやden』店舗詳細
東京アチコーコー【御茶ノ水】
とろける煮込みを“熱々”でどうぞ
“アチコーコー”とは沖縄の方言で“熱々”や“ほかほか”を意味する。そんな店名のこちらでいただきたいのは、やはりあったかいデミグラス煮込み。国産の牛すじを2日間煮込み、トマトを加えて爽やかに仕上げた定番の人気メニューだ。「赤ワインもいいけれど泡盛の古酒もおすすめです」と女主人の小野薫さん。樫樽熟成した「暖流」と合わせると、肉の旨味と重なってより味わいが深くなる。豊潤な後引く余韻もたまらない。
『東京アチコーコー』店舗詳細
取材・文=山内聖子 撮影=丸毛透