島(沖縄料理)【飯田橋】

本場の出汁で飲む酒、快感!

沖縄そば650円に合うのは骨太な「瑞穂」35度ストレ ート720円。泡盛は常時16種ほど。
沖縄そば650円に合うのは骨太な「瑞穂」35度ストレ ート720円。泡盛は常時16種ほど。

なんと! 沖縄返還前から飯田橋の片隅で開業。創業60年目の沖縄料理屋『島』で味わえるのは、昔から変わらない本場の“沖縄そば”である。「豚や鶏に根菜、あとは昆布とかつお節も。それを弱火で3時間煮るから出汁は手間かかって大変なのよ」と山本文江ママは笑う。スープはコクがあるのに滑らかサラサラ。アルデンテの麺にもよく絡み、合間に泡盛35度のストレートを飲み込めばじわ~っと胃袋に響く。あっという間に酔っちゃって、アハ~~いい気持ち。

文江ママの気さくな人柄も人気。
文江ママの気さくな人柄も人気。
ゴーヤチャンプル840円と豚の尾っぽを煮込んだ味噌風味のジューウ620円。
ゴーヤチャンプル840円と豚の尾っぽを煮込んだ味噌風味のジューウ620円。

『島』店舗詳細

住所:東京都千代田区富士見2-4-7/営業時間:11:30~13:45・17:00~22:30LO(土17:00~21:30LO)/定休日:日・祝/アクセス:JR・地下鉄飯田橋駅から徒歩5分

焼鳥×和酒 遊【飯田橋】

身体に染みる安らぎの味

酒がすすむ鳥スープ216円と大那・純米吟醸120㏄760 円。むね、ももなどの串焼は1本324円。
酒がすすむ鳥スープ216円と大那・純米吟醸120㏄760 円。むね、ももなどの串焼は1本324円。

串焼にも使う“健味どり”をとろ火で煮込んだ繊細なスープには、シイタケと昆布の出汁を加える。「鶏の旨味にプラスすると味に厚みが出るんです」と店主の田上裕一さん。栃木県の日本酒・大那を合わせれば、口のなかで優しくひとつにまとまって余韻にほのかな米の甘みが残る。うーん……これぞ安らぎの味。酒と合わせるからこその妙である。しみじみ酔っていく快楽はこたえられず、つい飲み過ぎてしまいそう。

いぶりがっこのポテトサラダ432円(上)、白瓜とコリンキーの塩麹漬420円(右)、砂肝ちりポン酢432円。
いぶりがっこのポテトサラダ432円(上)、白瓜とコリンキーの塩麹漬420円(右)、砂肝ちりポン酢432円。
全21席の店内。
全21席の店内。

『焼鳥×和酒 遊』店舗詳細

住所:東京都千代田区飯田橋1-9-5 B1/営業時間:17:00~23:00LO/定休日:日・祝/アクセス:JR・地下鉄飯田橋駅から徒歩7分

おでんやden【四ツ谷】

温かい出汁+冷たい酒の醍醐味

半熟卵220円、カマンベールチーズ330円のほか、おでんは30種以上。約17銘柄ある日本酒の中から選んだのは、米の旨味たっぷりの麓井・純米酒880円。
半熟卵220円、カマンベールチーズ330円のほか、おでんは30種以上。約17銘柄ある日本酒の中から選んだのは、米の旨味たっぷりの麓井・純米酒880円。

店内に入ると鼻をくすぐる出汁の匂い。カウンターの中央に立ち、忙しく立ちふるまうのが店主の佐藤真一さん。毎日とる出汁は昆布とかつお節がベースで、清々しいほど透明な味わいだ。つゆがたっぷり入った半熟卵や珍しいカマンベールチーズのおでんは、汁物好きならば外せない。身体が温まり冷酒がするする入る。「作り続けるほどにおでんが好きになる」という柔和な店主の人柄も肴に、ゆるりと夜が更けていく。

創業25年以上。おでん一筋の店主、佐藤さん。
創業25年以上。おでん一筋の店主、佐藤さん。

『おでんやden』店舗詳細

住所:東京都新宿区四谷1-8 B1/営業時間:18:00~23:30/定休日:土・日・祝/アクセス:JR中央線四ツ谷駅から徒歩3分

東京アチコーコー【御茶ノ水】

とろける煮込みを“熱々”でどうぞ

牛すじのデミグラス煮込み(パン付き)1000円には暖流・熟成古酒600円をロックで。
牛すじのデミグラス煮込み(パン付き)1000円には暖流・熟成古酒600円をロックで。

“アチコーコー”とは沖縄の方言で“熱々”や“ほかほか”を意味する。そんな店名のこちらでいただきたいのは、やはりあったかいデミグラス煮込み。国産の牛すじを2日間煮込み、トマトを加えて爽やかに仕上げた定番の人気メニューだ。「赤ワインもいいけれど泡盛の古酒もおすすめです」と女主人の小野薫さん。樫樽熟成した「暖流」と合わせると、肉の旨味と重なってより味わいが深くなる。豊潤な後引く余韻もたまらない。

にんじんシリシリ500円、小野さんが育てた季節野菜を使った料理も。
にんじんシリシリ500円、小野さんが育てた季節野菜を使った料理も。
店主の小野さん。
店主の小野さん。

『東京アチコーコー』店舗詳細

住所:東京都千代田区神田神保町1-38 1F/営業時間:17:00~22:30LO/定休日:日・祝/アクセス:JR・地下鉄御茶ノ水駅から徒歩8分

取材・文=山内聖子 撮影=丸毛透

出汁割りのために、おでんをつくる。大根と牛すじも下ゆでしたし、ゴボ天を大量に買った。こんなに手間をかけてしまうほど、おでんを好きになったのはいつからだろうか……。全てをハイにする第15弾! 今回は、心がじんと温まるおでんの出汁ハイをご紹介。
こんばんは、山内聖子です。私は、趣味が日本酒、仕事も日本酒の物書きです。長い間、日本酒のことばかりを考えて毎日を過ごしているのですが、このコラムは、そんな私が偏愛するあらゆる日本酒の話と、日本酒を飲みたくなるつまみの簡単なレシピを、毎回ひとりごとのように紹介する記事です。今回は、寒い季節にはたまらない汁物をつまみにする話です。しばし、ひとりごとにおつきあいいただけたらうれしいです。