【都内の駅を起点にした散歩コース】
浅草駅からはじめる下町王道コース
まずは浅草駅からスタートする、王道の下町さんぽのご紹介。このエリアは、歴史的な神社仏閣などの観光スポットが適度な距離感で点在しているため、東京散歩初心者にも正におあつらえ向きのコースです。
東京最古のお寺である「浅草寺」、日本最古の遊園地「花やしき」をはじめ、調理器具・食器店が軒を連ねる「かっぱ橋道具街」、小説家・池波正太郎の世界を紹介する「池波正太郎記念文庫」などなど、いろんな角度の面白さが詰まっています。
東向島駅からはじめるディープな下町コース
下町というと、アナタはどこを思い浮かべますか? 浅草? 上野? 深川? どこも素敵で魅力的な街だけど、もっとディープなのに“新しい東京”を感じることもできる、散歩におすすめのエリアがあります。それが、向島・押上・曳舟。
四季折々の草花を堪能でき、1800年代初頭に開園した歴史ある花園「向島百花園」があるのもこのエリア。また“縁起の良い初夢”でも有名な「七福神」を祀る寺社を、一気にめぐることもできます。東京のシンボル「東京スカイツリー」へだって立ち寄れる魅惑のおさんぽコースなのです。
上野駅からはじめる歴史散策コース
上野ほど“てんこ盛りな街”は、なかなかないのではないでしょうか? 動物園や桜の名所として知られる上野恩賜公園ですが、実は美術館・科学や歴史の博物館などが立ち並ぶ文化の杜でもあります。また、この辺りは徳川家の菩提寺である寛永寺の寺領であったが故に、歴史をしのぶ史跡も多く残っています。国立国会図書館・国際子ども図書館や旧東京音楽学校奏楽堂など歴史的建築物も多数立ち並び、まるで街自体が建築の博物館のよう!
さらに、和洋二つの格式高い邸宅が併設されている旧岩崎邸庭園を経て、色とりどりの梅で有名な湯島天神へ。冬休みの大人の課外学習にも、うってつけのコースです。
赤坂見附駅からはじめる都会の魅力満載コース
まさに都心の中心地・赤坂見附の駅からスタートして、赤坂・四谷・新宿をぶらりする正月おさんぽコースをご紹介。
赤坂見附駅を出発後、バッキンガム宮殿を模したという迎賓館赤坂離宮を眺めながら歩き、さらに四谷の寺町へ。この付近には、新宿歴史博物館や消防博物館というユニークな博物館も点在しています。
さらに西へ進めば、日本庭園のほかイギリス風景式庭園やフランス式整形庭園など和洋さまざまな庭園が存在し、四季折々の花を楽しめる新宿御苑が! こんな変化に富んだ都心散歩の締めくくりには、新宿末廣亭の夜席もおすすめ。換気ばっちりなので安心です。
吉祥寺駅からはじめる芸術と自然満喫コース
都会感と自然が共存し、「住みたい街ランキング」でも上位常連の人気タウン・吉祥寺。
ハモニカ横丁を横目に、油彩や版画、写真など約2500点を収蔵する吉祥寺美術館へ。四軒寺や武蔵野八幡宮といった古刹で癒やされた後は、文人墨客も多く住んだ三鷹へ。ゴールは“ザ・吉祥寺”、武蔵野三大遊水池として知られる井の頭恩賜公園。
「お買い物もグルメも、オシャレも自然もカルチャーも、とにかくぜ~んぶ堪能したい!!」そんな贅沢なあなたの欲望を満たすのは、おそらくこのコースしかございません。
東十条駅からはじめる十条・赤羽2つの街歩きコース
激安ショップが連なる都内有数の商店街・十条銀座、“せんべろ”でも有名な飲んべえたち御用達の赤羽一番街・OK横丁。2つの個性的な街を結ぶ散策路には、長大なローラー滑り台でおなじみの清水坂公園、天海僧正の弟・日寿上人が開山した法真寺など自然公園や古刹・名刹が数多くあります。
こんなバラエティー豊かな散歩コースだから大人も子どもも楽しむことができ、冬休みのファミリーさんぽやお正月の腹ごなしさんぽにもうってつけ! ゴールの手前、赤羽一番街・OK横丁で「どのお店で舌鼓を打つか?」を妄想するのも楽しそう。
池上駅からはじめる歴史の流れを感じるコース
「一年のスタートだからこそ、静かな気持ちでおさんぽを…」
そんな正月さんぽをご希望の皆さまにおすすめするのが、このコース! ここは、日蓮宗の大本山・池上本門寺のお膝元。東京23区にあるとは思えない静寂に包まれるこのお寺で、まずは癒やしのぶらり散歩。周辺も寺町の風情がしっかり残っているため、しばし日常を忘れさせてくれます。さらに、そこから少し歩けば、川端龍子をはじめとした作家ゆかりの地も点在。
コース後半には、大森貝塚遺跡庭園や大田区立郷土博物館など、歴史を堪能できる場所も多数。スタートから大森駅周辺まではアップダウンが激しいので、お正月に食べすぎた人にもおあつらえ向きのコースです。
羽村駅からはじめる水辺さんぽコース
東京の魅力は、なにも23区だけではありません! いわゆる東京都下エリアも、素敵なストーリーが詰まった場所が点在しているんです。そこで今回おすすめするのは、そんな都下満喫コース。結構歩くので、お正月の腹ごなしが目的とはいえ覚悟と気合も必要!
まずはJR青梅線の羽村駅よりスタート。このエリアの園児や児童が、遠足で訪れる定番の場所である玉川上水近辺には、古刹や酒蔵など、歴史を感じさせるスポットが多数存在します。横田基地界隈ではアメリカンテイストの街並みも堪能でき、洋の要素も味わえるコースです。
山手線の駅をさんぽしてみる ~原宿駅から代々木駅編~
「少しお先に、年末のうちに」「敢えて三が日の後に」。
ニューノーマル時代の初詣については、多くの方たちが模索したかと思います。そんな“初詣”という言葉を耳にして連想するのが、2020年に創建100年の節目を迎えた明治神宮。明治神宮といえば、明治天皇と昭憲皇太后が祀られている都内屈指のパワースポット。そしてプラントハンター西畠清順さんが、世界各国から集めた120種類以上のおもしろ草花が共存する『代々木VILLAGE by kurkku』など見どころたくさん。
今年の冬休みは、厳しい寒さ×コロナ禍というダブルパンチ。今こそ、自然に癒やされながら気分を一新するいい機会。人気スポットなので密になりそうなら、竹下通りと明治神宮を避けて、東郷神社側から代々木に向かって歩いてみるのもアリ。
山手線の駅をさんぽしてみる ~日暮里駅から西日暮里駅編~
日暮里、西日暮里と耳にして、“地味なエリア”という印象・感想を持たれている方も少なくないでしょう。しかし、両駅共に先述の山手線のほかに京浜東北線、日暮里・舎人ライナーの停車駅であることはもちろん、日暮里駅は常磐線と京成本線が、西日暮里駅には地下鉄千代田線が乗り入れる交通の要所。
そして、ビアホールやパン店、塩&オリーブオイルの専門店が集まる古民家ミニ複合施設や、日本茶を愛するフランス人が営むお茶屋、飲食店や八百屋などの工房兼ショップが同居するかわいい雑居ビルなど、伝統と下町の粋(いき)、現代カルチャーが主張しすぎず同居する、楽しいおさんぽエリアなのです。
【テーマを決めたおでかけのすすめ】
街歩き御利益フル装備! 都内の七福神めぐり
“家内安全、商売繁盛”などなど、世間で一般的に言われている「御利益がある神様・仏様」がいるのであれば、散歩の神様・仏様がいたっていいじゃないか!
というわけで、ご紹介するのは、散歩に必要な要素・楽しみなどを祀っている寺社を回る「さんぽの達人への道の第一歩!」的なコース。ちょっと気合が必要ですが、それだけに“正月の腹ごなし”にはぴったり! 素敵な御利益が期待できる神様・仏様が、たくさんいらっしゃいますよ。「徒歩、お天気、目、腰、足、食、トイレ、お酒」これだけ回れば、もうバッチリです。次回からも安心して、おさんぽチャレンジできますよ。くれぐれも密には気を付けて!
『半沢直樹』妄想散歩。六本木と羽田を歩く
次に提案するのは、あの『半沢直樹』(TBS系)が訪れたであろう東京の街をめぐりながら妄想散歩。堺雅人が演じる東京中央銀行のバンカー半沢直樹が正義を貫き巨悪を倒す姿が共感を呼び、“現代の水戸黄門”なんて異名で呼ばれたりもしています。香川照之らおなじみの顔ぶれも健在ぶりをアピールし、賀来賢人、江口のりこ、柄本明といった強烈な個性を持つ新キャストもドラマを大いに盛り上げました。
旅に出るきっかけが実に様々なように、散歩のそれもまた同じ。大好きなドラマの主人公の軌跡をたどりながら冬の空気を味わうなんてオツなもの、だと思いませんか?
懐かしの文庫地図を熟読! 10年前の新宿を歩く。
「調べものは、なんでも手軽にスマホで!」という時代になって久しい今日この頃。iPhoneが日本に初めて登場したのは2008年ですが、それ以前は、「初めて行く場所の地図をWEBで検索してプリントアウト」なんてことが当たり前でした。一枚のプリントをしっかりと握りしめてキョロキョロ…なんて光景を、かつては街中でよく目にしたものです。
そんな時代に、お仕事で都心部の移動が多かった人たちから重宝がられていたのが、“文庫サイズの地図”。今回の正月さんぽのご提案は、過去の文庫サイズの地図を使った“古今見比べさんぽ”です。
眺めるだけでも楽しい、“かつての文庫地図”。お手元にある方はぜひトライしてみてください。
地獄のファーストレディ「奪衣婆」に会いに行こう
突然ですが、「奪衣婆(だつえば)」ってご存じですか?
いかにもおどろおどろしい響きですが、かの閻魔(えんま)大王の妻とされる女性であり、三途の川のほとりで亡者を待ち受けては、死に装束を剝ぎ取るのだとか。
そのまんまです、はい。
その後の流れや彼女がどんな役割を果たすのかについては本文をお読みいただくとして、今回ご提案するのは、都内に点在する奪衣婆像めぐり! 江戸・東京は、実は奪衣婆信仰の本場でもあるのです。また、よ~く見てみると美人だったりする奪衣婆は、意外な分野の神様でもあるらしいのです。その意外な〇〇とは?
この写真、山手線沿線のどこでしょう? クイズを楽しみながらお散歩へ
2020年春、1971年の西日暮里駅開業以来の山手線新駅となった高輪ゲートウェイ駅。全30駅となった山手線は、さんぽの達人や鉄道好きにとっても、非常に魅力的な路線。ふだん慌ただしく乗り降りしている方がほとんどかと思いますが、電車に乗りながらのんびりするのに、こんなに楽しい路線はないかもしれません。
というわけで、今回提案するのは「クイズに答えながら巡る、山手線駅周辺の正月さんぽ」。親子で、カップルで、お友達同士で、クイズを出し合いながらぶらり。
マスク姿になっている街中の可愛すぎる像たちを探してぶらり
心機一転、2021年を新たな気持ちでスタートさせるにあたり、さまざまな思いでコロナについて振り返る方は少なくないでしょう。そして、話題になったのはマスク。
そんな世相を反映して、啓発の意図もあれば重苦しい時世にささやかな和みを……という意図もあるのでしょうが、生身の人間以外のマスク装着率も増加中。切り抜いて紙を当てるだけの平面タイプがあれば、あの不二家のペコちゃん人形が装着しているミルキー柄のオシャレなマスクなど、とにかくバラエティー豊富!
あなたの地元にもあるかも? 腹ごなしに探してみるのも良いですね。
勇気と気合、それから体力と相談しながら 山手線一周チャレンジ
コンプリートは気持ちいい。キツイけど程よい達成感に包まれたいならこちらのチャレンジ。
編集部には1日で挑み、達成した猛者もいるのですが、流石に誰にでもおすすめはできません……。達成するのは大変ですが、山手線沿線なのでこまめに続行か撤退か選択できるのがいいところ。
何日かに分けて、体力と気合と相談しながらチャレンジしてくださいね。
【近郊のおすすめ散歩コース】
川越駅からはじめる昭和に続く街並みで時間旅行コース
都心からも気軽に小旅行ができる場所として、すっかりおなじみとなった小江戸・川越。しかし、その魅力は、お手軽さだけではありません! 江戸時代以外も体感できる…というより、江戸時代から現代まで全ての時代を体感できることこそ、最大の魅力。
まずは、仙波東照宮、川越城本丸御殿などで、江戸時代をしのぶことができます。蔵造りの家並みが続く川越一番街では明治時代が体感でき、裏通りに入れば看板建築の商店が立ち並ぶ大正浪漫夢通りも! さらに、昭和の街並みも近年は注目されています。
こんな“時間旅行”を堪能できる川越さんぽ。お近くの方は腹ごなしに歩いてみては。
北鎌倉駅からはじめる歴史を映す寺社を巡る古都さんぽコース
古刹・名刹が集まる穴場であり、知る人知る歴史スポット、それが北鎌倉なのです。
まずは北鎌倉駅を背にして東口から左へ出ると、そこはいきなり、広大な境内を誇る円覚寺! 北条時宗によって創建されたこのお寺は、北鎌倉のシンボル的存在。さらに、“アジサイ寺”としてもよく知られる明月院、けんちん汁発祥の地・建長寺が並びます。
「洞窟の湧水でお金を洗うと何倍にも増える」という言われる銭洗弁財天も正月から縁起が良い! とにかく一度は足を運びたい名刹がずらり。
新習志野駅からはじめる干潟・バラ園・港町・寺町と見どころ満載さんぽコース
自然に飢えている……。
そんなアナタにおすすめしたいのが、このおさんぽコース。スタートは、JR京葉線の新習志野駅から。ラムサール条約登録湿地である谷津干潟で自然観察を楽しんだあとは、船橋競馬場を横目に北西へ。すると歴史ある船橋大神宮や、港町情緒が漂う海老川水門あたりの風景が見えてくる。また、千葉街道と本町通りに挟まれた船橋寺町には、個性的な7つのお寺が。
海あり、川あり、歴史的な神社仏閣あり!なコースです。
構成=景山 俊介