牧野
活き穴子の新たな味わいに感激!
穴子、貝、魚用と、生息する海域の塩分濃度に合わせた水槽を用意し、注文ごとに活魚をさばく。旬魚料理がずらりと揃うなか、9割以上の客が注文するのが活き穴子のおどり焼きだ。ピクピクした身を七輪に載せたら、皮目に焦げが付くまで箸でしっかり押さえて。踊りだすほどの力強さを感じつつ焼き上げれば、ふっくらふわふわ、風味が鼻孔を駆け抜ける。対してお造りは、見ためと異なるしっかりした弾力。清冽(せいれつ)な香味が酒にピタリ。
『牧野』店舗詳細
魚玉
大盤振る舞いの海鮮丼に驚愕する
昼のオススメは海鮮丼。鮨屋で腕を磨いた2代目の澤尻弘美さんは「サクの端っこがあれこれ出るから」と、シャリの上に多彩な旬魚をてんこ盛りに。供された味噌汁にも悩殺される。大量の甘エビの殻でだしが取られ、香味爆発。夜は魚を選んで、焼き、煮付けなどと注文を。刺し身などを買い求める人も訪れる魚屋だが、店内にテーブルが置かれ、イートインできるうれしい店。テイクアウトもできる。
『魚玉』店舗詳細
東海道品川宿 遊
宿場町で江戸仕立てを堪能
東海道一の宿場町らしいメニューがずらり。築地仕入れの穴子は、ヒレを丁寧に取り除き、ふんわり炊いて煮穴子に。そして漬けマグロは、鉄火巻きの由来となった鉄火場が近いことから、当時の江戸仕立てを再現。さっと湯引きして霜降りにしたら、醤油ベースの漬けダレに4時間浸す。すると、身が締まりながらもモチ肌となり、のせたワサビのすがすがしい辛味から、奥深い旨味が顔を出す。旨口の酒とじっくり責めたい。
『東海道品川宿 遊』店舗詳細
bistro Le Sept
今宵はワイン!目指そう赤テント
木製ボードを埋め尽くして登場するシャルキュトリーは、鴨ムネ肉の生ハム、豚タン・足・耳のテリーヌなど7種。食感の滑らかさ、塩味の穏やかさは、生肉から手間ひまかける自家製ならでは。青物横丁で生まれ育った店主・星雄基さんは、ソムリエ。「ワインの店を地元で」と、2013年冬に開店した。リストは置かず、お客の好みを口頭で探りつつ料理との相性を加味したおすすめが注がれる。1杯も1本も、星さんに委ねてくつろぎたい。
『bistro Le Sept』店舗詳細
一味 玲玲 品川店
屋台感覚でわいわい中華三昧
中国語が飛び交う厨房で、恰幅のいい料理人が勢いよく調理する。その活気が客席にも伝染するのか、ビル内にいることを忘れさせてくれるにぎわいが心地いい。皮から作る餃子は注文率100%。パリッと広がる羽根付きの「焼」、むちっと弾力ある食感が際立つ「水」、ジューシーな餡に火傷注意の「蒸」、3種が揃う。いずれも、富士高原の美豚を使い、ニンニクは不使用。塩ベースの味付きなので、何も付けずそのまま頬張りたい。
『一味 玲玲 品川店』店舗詳細
お好み焼き 瀧
瀧流お好みは、野菜沢山の健康焼き
「うちのお好みは、粉もんちゃう!」と、店主・瀧村希未絵さんの笑顔がはじける。豪快な量のキャベツと青ネギを、大和芋と卵と小麦粉を混ぜた種でつなぐが、この種が、ちゃんとつながるの?と不安になるほど少量で、“野菜もん”なのだ。オープンキッチン内の厚み2cmの鉄板で、ジュッと焼ける三元ロイヤル豚の甘い香りに包まれて、ビールと一品料理をゆるりとやるのがテッパン。「野菜食べて健康に」とお客を思う心が温かい。
『お好み焼き 瀧』店舗詳細
構成=フラップネクスト 取材・文=松井一恵(teamまめ) 撮影=加藤昌人