『近江屋洋菓子店』のバウムクーヘン[御茶ノ水]
流行に動じぬ正統派の品格
しっかりとした生地、フォンダン(外側に塗られた砂糖)のシャキシャキ感こそがバウムの王道。ブランデーの風味がハイカラさを演出する。明治17年(1884)、界隈が東京屈指の繁華街だった頃から店を構える、ブームに乗らぬ姿勢は全商品に通じる。柔らかバウム慣れした人たちに、職人が一本ずつ手掛けた本物の味を教えたい。
『近江屋洋菓子店』店舗詳細
日・祝 10:00〜17:30/定休日:無/アクセス:地下鉄丸ノ内線淡路町から徒歩5分
地下鉄都営新宿線小川町から徒歩5分
『御茶ノ水 小川軒』のレイズンウイッチ[御茶ノ水]
誰もが認める手みやげ界の人気者
欧州で食べた郷土菓子をヒントに先代が考案したレイズンウイッチ。ラム酒漬けのぶどうと特製バタークリームをサブレで挟んだシンプルなおいしさは、相手を選ばぬ大定番。1993年、御茶ノ水の並木道にレストランとして出店。界隈の会社や病院への贈答にも利用される。冷蔵、常温、冷凍と様々な食べ方を試してみては?
『御茶ノ水 小川軒』店舗詳細
『三河屋綾部商店』の千代田納豆[御茶ノ水]
納豆嫌いの人も克服できるかも?
元和2年(1616)に三河から江戸へ移り、将軍家や宮内庁にも甘酒や味噌、納豆を納めてきた老舗。稲わらにすむ自然の納豆菌の力を借りて発酵した小粒の納豆は身がしまり、大豆の味が濃厚に感じられ、いやな臭みもない。
『三河屋綾部商店』店舗詳細
『いいだばし萬年堂』の御目出糖(おめでとう)・ありが糖(と)う[飯田橋]
数百年の歴史ある和菓子の重鎮
小豆のこし餡と米粉を練って蒸し上げる高麗餅。御目出糖は元禄の頃からの秘伝レシピを受け継ぎ、蜜漬けの大納言を散らした伝統菓子だ。京都で九代、東京で五代を重ね、20年ほど前に兄弟で店を分け、弟さんが飯田橋で開業。祝いの席の引き出物にも使われる逸品は、噛むほどに味わい深い和菓子。緑茶もあると好感度アップ!
『いいだばし萬年堂』店舗詳細
『九段一口坂 さかぐち』の一口あられ[市ケ谷駅]
風雅のあられのとめどない誘惑
創業は昭和27年。ショーケースに並ぶ約50種類の中から、小梅、海老しぐれ、わさびぼうるなど、あらゆる味覚を刺激する13~15種類をよりすぐった「一口あられ」は絶品。甘みが苦手な方には「辛口」も用意。
『九段一口坂 さかぐち』店舗詳細
『ゴンドラ』のパウンドケーキ[市ケ谷]
思わずのぞき込む丸い缶の豊饒
真っ白の缶を開けるとパウンドケーキが、良質のラムとバターの芳醇な香りと共に姿を現す。まだ花柳界の面影を残す九段に昭和8年(1933)創業した『ゴンドラ』。日本の食文化に合う洋菓子をという二代目細内進さんの真摯な思いが詰まった味に、親から子へと常連さんも通い続ける。口の中に広がり留まる喜びを誰と味わおう?
『ゴンドラ』店舗詳細
『たいやき わかば』のたいやき[四ツ谷]
見目麗しき尾頭付きの甘い誘惑
独立した一つの型で一つずつ焼く「一丁焼き」を守る『たいやき わかば』は、1951年創業の超有名店。パリッとした皮と尻尾まで詰まってる餡のレシピは一切変えず、創業当時からの常連さんも太鼓判。うろこ一枚まで美しいたいやき、会議のひと休みに出せば、案(餡)がいっぱい浮かぶこと請け合い!
『たいやき わかば』店舗詳細
『四谷 坂本屋』のかすてら[四ツ谷]
しっとり濃厚な味に宿る懐かしさ
焼き上がった1枚を丁寧に8等分、蜂蜜は使わない。明治30年(1897)創業の『坂本屋』のかすてらは、大正年間に二代目が考案したレシピを何も変えていない。趣ある店構えは界隈でも戦後最初となる1947年再建のもの。かすてらを広めてくれた地元四ツ谷を愛するがゆえ。しっかりした食感とザラメの懐かしさを噛みしめたい。
『四谷 坂本屋』店舗詳細
『メルベイユ』のみかんブラン[高円寺駅]
みかんの酸味が紅茶と抜群の相性
2008年にテレビ番組の企画から生まれ、今なお不動の人気を誇るケーキ。上質な生クリームをベースに国産みかんとオレンジのピューレ数種をブレンドしたクリームはほどよい酸味。上にのった缶詰みかんが愛敬ある表情を添えている。
『メルベイユ』店舗詳細
『鉢の木 阿佐ヶ谷本店』のあんこパン[阿佐ケ谷駅]
皮はパリッと中は上品な甘さ
東日本大震災の被災地支援を目的に始めた玄米粉100%のパン。被災地農家は忙しくなり、現在は滋賀県産「イセヒカリ」を使用。焼いた後に粒あんを詰めるため、表面はパリッと、中はしっとりしている。16時前後から購入でき、96個限定。
『鉢の木 阿佐ヶ谷本店』店舗詳細
『肉の竹井商店』の豚ロース味噌漬け[四ツ谷駅]
肉のおいしさを味噌が引き立てる
明治時代に浅草で創業し、現代は4代目が営む。西京味噌にじっくり漬け込んだ豚ロースは分厚い国産豚肉を110gも使用。滋味豊かな良質な肉は脂身までしっかりおいしい。冷凍すれば、日が経つにつれてしょっぱくなるのを防げる。
『肉の竹井商店』店舗詳細
『洋菓子&アイスクリーム ドーカン』のジェラート[東中野駅]
適度な塩味とやさしい口どけ
匂いの強い市販のペーストを使わず、自然の素材を使ったやさしい味わいのジェラートは全部で約20種類。1番人気は中野逸品グランプリの受賞歴もある、桜の塩漬け入り「桜塩ミルク」。「トマト&レモン」もすっきり爽やか。
『洋菓子&アイスクリーム ドーカン』店舗詳細
『PETIT GRACE』のスノーボール[荻窪駅]
口の中でほろほろ心地よく溶ける
今のようにスノーボールが出回っていない1975年、試行錯誤の末に完成。8年ほど店を閉めた時期もあったが、ファンの根強い要望で再開した。信州の甘みが強いクルミを使い、一つずつ丁寧に粉糖をまぶしたクッキーはきれいな純白。
『PETIT GRACE』店舗詳細
『ケーニッヒ吉祥寺店』のウィンナーアソート、オードブル[吉祥寺駅]
濃いめのビールやワインのおともに
新鮮な国産豚肉・牛肉、ドイツ産の岩塩やスパイスを使い、丁寧に手作りしたウィンナー。大葉やチーズ、パプリカなどの多彩な素材が場を華やがせてくれる。
『ケーニッヒ吉祥寺店』店舗詳細
『Macaron et Chocolat』のマカロンボーロ[西荻窪駅]
マカロンのかわいさ、ぎゅっと凝縮
フランスで修業した三浦哲也さんが「マカロンより日持ちのするものを」と、マカロンの製法をベースに開発したボーロ。さくっと軽い食感で、イチゴ・ピスタチオなど5種類以上の味が楽しめる。どの味になるかは、その日のお楽しみ。
『Macaron et Chocolat』店舗詳細
『菓子厨房レヴェ』のケーキ[三鷹]
スタッフが一丸となって日々手作り。
『菓子厨房レヴェ』 のケーキは美人揃い。でも食べてみると優しい甘さで、親しみを感じずにはいられない。中でも長年のファンが多い、マロンシャンティ。栗(くり)のクリームを芯にし、スポンジと刻んだ栗入り生クリームで巻き、トッピングも栗というスペシャリテだ。商品によっては、容器を持参すると値引きされるサービスがあり、地元客から好評。他に、地卵を使ったカステラなど品揃えも豊富だ。
『菓子厨房レヴェ』店舗詳細
『和菓子処ならは』の生菓子や焼き菓子[武蔵小金井]
地元名所をモチーフにしたお菓子がずらり
地元の素材を使っているといえば、武蔵小金井の 『和菓子処ならは』 。キウイ大福は、小金井公園の近所にある 『よこきファーム』 で採れたものを使う。フレッシュゆえ甘みも酸味も立っていて、滋味深い白餡とのコントラストが抜群! さらに、地元の地名を冠したり、名所をモチーフにしたお菓子がずらり。あれもこれも気になる!
『和菓子処ならは』店舗詳細
/定休日:火/アクセス:JR中央線武蔵小金井駅から徒歩3分
取材・文=香月 真理子、高野ひろし、信藤舞子 撮影=山出 高士、高野尚人