『coffee & baked LOCASA(ロカーサ)』は、素朴さが心地いいカントリースタイル[芦花公園]
芦花公園沿いゆえ「春は窓越しの桜並木が見事です」と、店主の横谷仁さん。福生で営むアメリカ古着店の買い付けのため、現地に足を運ぶうちに惚(ほ)れ込んだのがスイーツだ。オレオがザクザクのチーズケーキ、アップルタルトなど、素朴ながら広がる香りには心が躍る。中でもベリーパイはブルーベリー、ラズベリー、ストロベリーの3種のジャム入りで甘酸っぱさにキュン。旧知の所沢『リットコーヒーサービス』の焙煎豆で淹れるラテやコーヒーが絶妙に合う。
『coffee & baked LOCASA』店舗詳細
『Jarrive!!(ジャリーヴ)』花と緑と光と味わうスイーツタイム[仙川]
陽光注ぐ店内で、ドライフラワーや植栽が季節を伝える。オーナーパティシエの高橋梓さんは、姉の神山明日香さんと共に祖父母宅を建て替え、小さなカフェに。焼き菓子はフランスのブーランジェリー仕込みで、開店早々次々と品薄になる勢いだ。店内限定スイーツも用意。卵の濃い甘みに頬がゆるむプリンソフトは、サクサクの焼き菓子、さっぱり&ミルキーなソフトとのせめぎ合いがたまらない。
『Jarrive!!』店舗詳細
『barber gram cafe』美容室の名残漂う中で今日のごはんに心弾む[仙川]
「理容店だと思ってバーバーって付けたけど、美容室だったみたい」と朗笑するのは、貞岡さん夫妻。窓、鏡、台所&カウンター席など、築60年の造りを生かした内装に和む。楽しみなのが、今日のお惣菜プレートだ。「献立は日々替えたくて」と日替わりで、近隣の常連客が「ごはん、今日は何?」と通うほど。煮干し、昆布、かつお節などの出汁が滋味深く、野菜の香味、歯ざわりにもときめく。
『barber gram café』店舗詳細
『Paston(パストン)』麗しき香味と30年代アンティーク[調布]
英国流パンケーキ・クランペットのもちもち感、ジンジャーラテの香りの余韻にうっとり。フードファンも多く、スパイス炒め煮のサブジなど、デリ満載のプレートはグラスを傾けたくなる。店主の小黒奈央さんは「料理研究家の母が作る菓子を味わう店」を、アンティークで調えた。ランプの影を映す水灰色の壁、ボタニカルな壁紙、古い写真コラージュなど、席で景色が変貌するのも楽しい。
『Paston』店舗詳細
『café & bar L’écume des jours(レキュム デ ジュール)』蔵書と生花とコーヒーにときめく[仙川]
「本に触れてほしくて」と随所に本を並べ、その合間から生命力にあふれた生花が咲き誇る。岡崎京子の漫画『うたかたの日々』を彷彿とさせる空間は、君波さん夫妻が愛してやまない喫茶文化を体現した世界。ネルドリップで淹れるたび、エイジングコーヒーの深い香りが空間に満ちていく。フードもスイーツも「このコーヒーに合うように」。中でも珈琲パフェは、ゼリーやグラニテが軽やかで、合わせれば口中で香りがふくらみ、恍惚。
『café & bar L’écume des jours』店舗詳細
取材・文=林さゆり 撮影=加藤熊三
『散歩の達人』2024年4月号より