洪瑞珍(ホンレイゼン)[高田馬場]
高級食材なしで究めた庶民派サンドの完成形
1947年、食糧難だった時代に極力具材の無駄を排し、味つけを工夫して生まれた洪瑞珍サンドイッチ。トリコになった旅行者続出の直営店が高田馬場に2023年4月開店。
薄焼き卵、ハムなどシンプルな具に特製ソースを加味、3層に配したサンドは一気にかぶりつくべし。具材が口内で組み合わさり、独特の味わいの食パンがそれを包み込む。素朴な見た目から想像のつかぬおいしさだ。
サンドに合うよう調整されたお茶も美味。
別腹でもうひとくち!
台湾茶(3種) 各500円。
四季を感じさせる、焙香烏龍茶・文山青茶・蜜香紅茶の3種が揃う。飲み干しても水を継ぎ足せば二煎味わえる(熱湯不可)。
『洪瑞珍(ホンレイゼン)』店舗詳細
ワナマナ[飯田橋]
これぞ住民仕様のリアル台湾朝めし
台湾人にも大好評、行列のできる早餐店が2023年3月、大阪から上陸。繁華街から一歩距離を置いた店は、明るくゆったり。油條(ヨウティアオ=揚げパン)ほかたくさんの具を餅米で包んだ台湾式おにぎり総合、サクサク感がクセになる台湾式クリスピーサンド揚げパン入りほか、台湾日常の朝食が勢揃い。一度ではとても制覇できない。
新鮮な伝統製法豆乳も当然美味。朝〜夜営業なので、軽めの夕食にするのも良し。
別腹でもうひとくち!
台灣甜甜圈(ティエンティエンジュアン=台湾ドーナツ) 280円~。
日本ではまず食べられない、見た目通りの素朴懐かし味。
『ワナマナ』店舗詳細
台湾早餐天国[要町]
一見普通の台湾料理、実はどれもベジフード!
『TSUMUGU CAFE〜台湾茶とベジフードのおみせ〜』が、店内で週末午前中だけ開く早餐店。こちらも料理はベジ仕様だが、見かけも味も普通の料理と変わらぬ満足度。
魯肉飯や餛飩湯のしっかりコクある味わいにうならされる。花生蛋餅などスイーツ系も充実。どれもベジフードだけに食後感は軽やかだ。「素食」と呼ばれ日常生活に溶け込んでいる台湾ベジの実力を、朝食で堪能できる。
上質な台湾茶もおすすめ。
別腹でもうひとくち!
自家製パイナップルケーキ各種 250円~。
これはベジにあらず。台湾で人気の神さま三太子が目印だ。
『台湾早餐天国』店舗詳細
guenin(グェイニン)[恵比寿]
手作り感漂う台北のリアル街角ごはん
2022年8月開店。台湾人の店主が、かつて勤めていた台北・西門の早餐店の味をベースに本場の味を丁寧に再現。まろやかな台湾式マヨネーズが決め手のホットサンドはまさに街角の朝の味だ。やはり朝の定番で喉にもいい杏仁茶も用意されている。混ぜそばなどメニューも続々追加。
近隣の大手企業から朝食の大量注文を受けたり、常連さん憩いの場となったり、早餐店本来の機能を見事に果たしている。
別腹でもうひとくち!
雪花餅 650円。
もちもち食感とココナッツフレークの取り合わせが美味。
『guenin(グェイニン)』店舗詳細
豆乳専科[池袋]
長年の経験と台湾愛に満ちた工夫が光る
駅直結の「Esola池袋」1階に、2023年2月に開店。台湾スイーツのチェーン店『MeetFresh 鮮芋仙』を日本で運営する会社が始めた早餐店だ。長年関わってきた台湾への理解と愛着を感じる構成で、蛋餅、飯糰(おにぎり)、鹹豆漿(シェントウジャン)に台湾パン各種と、朝の定番を手軽に味わえる。
看板商品は店内で作る新鮮な豆乳。それを注いでコクを加減できるオリジナルの豆乳がゆも絶品。朝昼夜で微調整するメニューも巧みだ。
別腹でもうひとくち!
芋香牛角(タロイモクリームクロワッサン) 380円(左)。
肉鬆麵包(ルーソンパン) 389円(右)。
台湾の肉でんぶ=肉鬆や、タロイモを用いた味わいが新鮮。
『豆乳専科』店舗詳細
取材・文=奥谷道草 撮影=井原淳一
『散歩の達人』2022年6月号より