心ときめくラグジュアリーなお茶の時間『CAFE LA SYMPHONIE(カフェ ラ サンフォニ)』[東所沢]
森の合間の立地に惚(ほ)れ、建設会社を営むオーナーが建てたのが一軒家カフェ。アンティーク家具、チェコガラスのシャンデリアがクラシカルな風情を醸し、「西日が柄入りガラスを虹色に染めるんですよ」と、店長の竹下麻美さん。特注ブレンドTOKOROZAWA coffeeと味わうなら、手製ケーキを。香ばしさと濃厚な卵の風味が絶妙なカヌレ、香りはじけるフルーツピザは忘れ難し。ゆったり過ごしたい。
『CAFE LA SYMPHONIE』店舗詳細
雑木林と柳瀬川の息吹を感じながら本とお茶を『図書喫茶カンタカ』[所沢]
河原をイメージしたカウンター、不揃いの木製机、天井のあちこちには落ち葉の影が。音楽の合間に耳に届くのは川音だ。雑木林保全にいそしむオーナー肥沼位昌(こいぬま のりあき)さんが、父が遊んだ所沢の情景に想いをはせ、2020年に開店。森、地域、音楽、絵本など、壁を埋める本棚も圧巻で、読みふけるもよし、手作りあんこ添えのトースト、西所沢『negombo33』監修のカレーやコーヒーと楽しむもよし。
『図書喫茶カンタカ』店舗詳細
朗らかな空気感の中、小さな幸せを呼ぶ青い鳥『BLUE BIRD ベイクハウス』[東久留米]
アメリカ人の夫と店を営む陽菜さんは「ここは祖母たちが総菜パン屋をやっていた場所で」と、記憶を頼りにコッペと食パンを焼き、日替わりサンドイッチや弁当を用意。「夫が凝り性で」と、自家焙煎のコーヒーにも力を注ぐ。青い壁が印象的なパンカフェは、父の手作り家具など、家族の温もりに囲まれた空間。小体ゆえ相席になることも多いが、夫妻を交えて客同士、話がはずむ姿にも和む。
『BLUE BIRD ベイクハウス』店舗詳細
たなびく香りの余韻に、ほうっとため息『お茶とおやつ 和茶』[清瀬]
商店街のざわめきから一転、店に入れば白壁に反射した穏やかな光に包まれる。店主の松田尚子さんは「ケーキを日本茶で味わうのもいい」と、東京紅茶のほか狭山茶も用意。「奇をてらわずシンプルに」と、仕上げるおやつを頬張れば、香りにうっとり。中でも、希少&最高級チョコのオクマーレを使用したガトー・ショコラがリッチ。お茶をすすれば、甘酸っぱさが口中で花開き、2度おいしい。
『お茶とおやつ 和茶』店舗詳細
裏路地に流れる焙煎の香りに誘われて『珈琲の店 もっく』[東久留米]
「この路地を歩かないと近隣の人でも気づかないみたいで」と笑うのは、店主の鈴木一真さん。木造りの老舗喫茶を幼少の頃から窓越しにのぞき見し、高校生の時に初来店。常連、手伝いを経て、前店主から引き継いだ。「人が変われば味は変わるもの。店名を変え、自分の味でやりなさいと言っていただきました」。真摯で深みのある香りと気さくな笑顔に惚れ、窓辺でのんびり憩う人が絶えない。
『珈琲の店 もっく』店舗詳細
取材・文=佐藤さゆり(teamまめ) 撮影=原 幹和