【高田馬場】
店主の地元・徳之島の味、皮付きチャーシューのトロトロ感がいい『麺友 一誠』
店主の出身地である鹿児島県徳之島などの西南諸島では、皮付きの豚肉を使うことが一般的だという。皮付きあっさりらーめん750円には、黒糖や九州産の甘口醤油でじっくりと煮込んだ三枚肉(バラ肉)がのる。提供前に炙るため、香ばしさととろける脂の旨みが口に広がり、プルプルの食感でコラーゲンもたっぷりだ。豚頭や鶏ガラ、野菜などを2日間かけて丁寧に作った豚骨スープはマイルドな仕上がりで臭みが全くなく、奥深さを感じられる。夜には徳之島や奄美大島の黒糖焼酎と奄美のパパイヤ漬物をはじめとした料理で一杯。締めにラーメンというのもいいだろう。
『麺友 一誠』店舗詳細
3種類の自家製チャーシューが旨い!『つけ麺屋 ひまわり』
さかえ通り商店街にある、創業約20年のつけ麺店。店長もイチオシの肉三昧つけ麺1300円は、豚バラ肉、鶏のムネ肉とモモ肉の3種類をトッピングした肉盛り三昧。かえしと自家製醤油ダレに二度漬けした豚バラ肉、3日間ほど漬け込んで低温調理する鶏肉と調理法も変え、肉本来の旨さを際立たせている。プリッとした食感でそれでいて喉ごしも良い特注の高加水中太麺とのバランスもよく、肉と麺とそれぞれのおいしさを堪能できるボリュームのある1杯だ。
『つけ麺屋 ひまわり』店舗詳細
伝統の真っ黒で熱々のスープがたまらない『末廣ラーメン本舗 高田馬場分店』
京都の名店『新福菜館』で修業した初代が、地元秋田でなじむ味に改良して昭和13年(1938)に創業。中華そば(大)800円は真っ黒なスープが特徴。動物系や煮干し、香味野菜などに加えて、殻付きのアサリが入り、かえしには溜まり醤油とチャーシューの煮汁を使用。見た目ほどしつこくなく、溜まり醤油の香ばしさや深みのあるまろやかさを感じる。のど越しのいい中太ストレート麺が旨しょっぱいスープと絡み、ネギの食感がアクセントになる。腕肉で作る薄切りのチャーシューが深い味わいがあってたまらない。中華そばと同様に溜まり醤油を使うヤキメシもぜひ食べたい(写真はヤキメシ黄身のせ710円)。
『末廣ラーメン本舗 高田馬場分店』店舗詳細
中太平打ち麺に、渾身の自家製鶏油を使用した油そばが旨い『廻麺 鶏千』
国産の鶏皮からじっくりと手間暇かけて作る鶏油(ちーゆ)は、スッキリとした味わい。自慢の鶏油を堪能できるのが、鶏油汁無し醤油800円。トッピングとともにかえしと鶏油などを豪快に混ぜ合わせて食べる。ひと口すすれば、かえしの香ばしさが鼻の奥をくすぐり、鶏油の豊かな風味と旨みが広がる。モチモチとした中太平打ち麺との相性も抜群だ。大きめにカットされたサイコロ状の豚バラチャーシューは食べ応え満点で、鶏むね肉のそぼろがプチッとした歯ごたえと旨みをプラスしてくれる。刻み玉ネギやかいわれ大根もアクセントになっていい。後半に追い飯50円を丼に入れて最後まで楽しもう。
『廻麺 鶏千』店舗詳細
マイルド豚骨醤油ラーメンで勝負!『麺達 うま家 高田馬場店』
フレンドリーな接客も好評な人気店。基本のスープは、新鮮で旨みが出やすいゲンコツや背ガラなどを約200㎏使用し、約20時間もかけて作る。おすすめは味玉ラーメン890円。スープは、濃厚でありながらスッキリとした後口で、かえしのキレも感じられる。スープの強さに負けない中太ストレート麺は、加水率が高くモッチリとしている。トッピングのチャーシューはほろりと崩れて、肉の旨みがあふれ、味玉はトロッとした黄身もいい具合だ。ライスが1杯無料なので、スープに浸した海苔と食べて旨みの一体感を楽しもう。自慢のスープに魚介類と野菜の旨みがプラスされたつけ麺860円も忘れずに。
『麺達 うま家 高田馬場店』店舗詳細
黒毛和牛のローストビーフラーメンと自家製スイーツが自慢『道玄』
熊本県産黒樺牛(くろはなぎゅう)の希少部位使用のローストビーフをトッピングしたチャーギュウ麺1300円が看板メニュー。クリアな淡麗スープの塩清湯(ちんたん)は、ローストビーフのやさしい甘さの脂との調和がよく、飲み口はすっきりしながらも、ジュワッと肉汁が広がりコクが増す。エゴマを練り込んだコシのある中細の縮れ麺も、風味豊かでスープの塩けを絡め取りおいしい。食後には、サクサク食感の生地とほどよい甘さのカスタードクリームがたまらない、オリジナルのシュークリーム350円がおすすめ。
『道玄』店舗詳細
2種類の麺の違いを楽しむ『デイトセイ 高田馬場店』
さかえ通り商店街に2022年3月にオープン。全粒粉を使ったつけ麺と、プライムハードという最高級小麦粉を使った中華そばが看板メニューだ。全粒粉極濃つけ麺は、ドロッと濃厚な魚介豚骨のつけ汁とモッチリと弾力のある極太麺との相性は抜群で、食べごたえも十分。たまり醬油ネオ中華そばは、独特の弾力性とプリッとした食感の麺が特徴的。スープは鶏脂の香りがふわっと鼻をくすぐり、たまり醬油独特のコクが感じられる1杯だ。
『デイトセイ 高田馬場店』店舗詳細
【西早稲田】
個性が光る彩りも美しい極上の鶏白湯ラーメン『鶏白湯麺 蔭山 高田馬場店』
フカヒレ料理専門店の『蔭山樓』が手がける。鶏白湯麺塩そば880円は、手羽先をメインにした鶏白湯の濃厚な味わいが広がる。味のキモにもなっている塩ダレは、ミネラル豊富で甘みとまろやかな香りも感じられ、仕上げに入れたエビ油で、奥行きのある味になっている。中太ストレート麺はツルツルシコシコとして力強いスープを受け止める。ふっくらとした蒸し鶏や、シャッキリとしたサニーレタス、半熟味玉などのトッピングもよく合う。添えられたレモンを途中で搾れば、風味を損なわずにさっぱりと食べられる。スープにご飯を入れておじや風にして堪能しよう。
『鶏白湯麺 蔭山 高田馬場店』
感動すら覚える味わい。研ぎ澄まされた鶏そば『らぁ麺やまぐち』
早稲田通り沿いの店舗前にはいつも行列が続く。鶏そば1050円が運ばれてくると、芳醇な香りが鼻をくすぐる。スープは店主で総料理長の山口裕史さんの出身地・会津の会津地鶏を中心に熟成させた地鶏を4種類使う。ひと口飲めば、鶏と鶏油(ちーゆ)の旨みがしっかりと感じられ、深いコクもたまらない。麺はコシが強く滑らかな食感で、小麦の味わいが感じられる特注麺を使用。トッピングも秀逸で、とろけるような肩ロースチャーシューと豚肉本来の旨みがある赤身のチャーシューはたまらない。じっくりと煮込まれた極太メンマのしっかりとした味わいとシャキシャキ感がいい。
『らぁ麺やまぐち』店舗詳細
濃厚かつマイルドな極上鶏白湯『鶏白湯専門らーめん 我羅奢』
スープは熊本の地鶏・天草大王と、美桜(みおう)鶏のダブル丸鶏がメインで、濃厚を極めた鶏白湯に仕上がっている。人気は鶏白湯 醬油らーめん850円。スープをひと口飲めば、鶏の旨みとともに、やや甘さが感じられる。かえしには九州産の醤油を使用しているので、キレとスッキリとした後口があり、昆布、シイタケ、魚粉なども加わっているので旨みが複雑に絡み合う。モチモチとした食感のやや縮れた中細麺と旨み満載のスープが好相性だ。提供直前に炙られたバラチャーシューや柔らかな穂先メンマ、トロッとした味玉も秀逸で、満足感のある一杯となっている。
『鶏白湯専門らーめん 我羅奢』店舗詳細
濃厚豚骨魚介スープが主役のラーメン『渡なべ』
高田馬場駅から徒歩10分。早稲田通りの坂道を入ると『渡なべ』がある。創業以来変わらぬレギュラーメニューのらーめん1100円は、いわゆる濃厚豚骨魚介ジャンルの先駆け的な存在。濃厚な豚骨スープに、魚介をそのまま入れて炊き上げる方法を採用しており、豚骨と魚介の旨味がたっぷりと詰まったスープが特徴だ。その濃厚なスープに合うように自家製の中細ストレート麺を開発。大きくて味の染みこんだメンマや、トロトロつやつやのチャーシューなど、具材もひとつひとつキャラが立っていながら、スープと調和する絶妙な味わいだ。
限定メニューは1日1種類、それを1~2週間くらいの目安で切り替えて提供しており年間を通して何十種類というラーメンが登場する。楽しみが尽きないラーメン店、これは通ってしまいそうだ。
『渡なべ』店舗詳細
炙りチャーシューが旨さのアクセント。黄金色に輝く金色塩らぁめん『麺屋 宗』
雑誌のラーメングランプリなどで数々の受賞歴を誇る人気店。金色塩らぁめん850円は、真っ白な丼に黄金色のスープが映える。名古屋コーチンの丸鶏とガラ、野菜などで作るスープは、すっきりとした味わいだが口の中で鶏の風味が広がる。海塩「対馬海峡の浜御塩」と岩塩「ヒマラヤのピンクロックソルト」を使用した塩だれによってさらに深みのある味わいになる。スープとよく絡む適度な綴れ方の麺は、細めだがモチッとした歯ごたえがあり、ツルツルと気持ちよくすすれる。低温調理した豚肩ロースチャーシューは提供前に特製ダレをかけて炭火焼きしているので香ばしさがプラスされ、食欲が増す。
『麺屋 宗』店舗詳細
【早稲田】
濃厚で深い味わいが魅力の鶏白湯『柳屋 銀次郎』
店頭のウィンドーサインや店内のネオンサインなど、「近未来のNEO TOKYO」をイメージ。一番人気は塩そば880円だ。スープは赤鶏の丸鶏や鶏ガラ、モミジ、野菜などを加え、丁寧に手間暇かけて作ったクリーミーな鶏白湯(ぱいたん)。濃厚な鶏の旨みが感じられ、鶏油(ちーゆ)が味の奥行きを生んでいる。脂身の甘みが広がる炙りバラチャーシューや、柔らかな穂先メンマ、キクラや玉ネギや焼きネギなどが味と食感にアクセントを与える。辛いものが好きならば、鶏白湯、ブレンドした3種の味噌、自家製の3種のラー油を加えた赤塩そば930円がおすすめ。麺はしなやかな細麺かモッチリとした太麺が選べる。
『柳屋 銀次郎』店舗詳細
取材・文・撮影=千葉香苗、速志 淳、ミヤウチマサコ 写真提供=道玄