Adam's awesome PIE
リンゴのプロが生んだアップルパイ
立川の老舗青果店が営むカフェで、アップルパイが店の顔。何を隠そう青果店の初代は長野県出身で、そもそもはリンゴ問屋だった。だからリンゴへのこだわりは並大抵のものではない。ショーケースをのぞくとアップルパイだけでも3タイプあり、異なる品種のリンゴを使い分けて、それぞれ違う味わいに仕上げている。中でも店名を冠した一品には、ざく切りの紅玉がゴロゴロ。イートインにして生クリームを添えてもらえば、紅玉の特徴でもある酸味がまろやかになり、より表情が豊かになる。ところで、なぜ四角い形をしているのかというと、リンゴの木箱をイメージしたからなんだとか!
『Adam's awesome PIE』店舗詳細
一六珈琲店
コーヒーとお菓子の蜜月
看板は自家焙煎したスペシャルティコーヒーで、バリエーションの数はなんと25以上! 店内には全種類の味、深みをわかりやすく説明したチャート表が用意され、その中でそれぞれと相性のいいお菓子も教えてくれている。店のお菓子は、焙煎を手がける店主自ら腕をふるう。クリームチーズをたっぷり使い、濃厚なコクと酸味を出したレアチーズケーキには、特有の甘みがあるコロンビアや、逆に、苦味が特徴のフレンチブレンドがおすすめだ。素朴な甘みのバタードーナッツにぴったりなのは、苦味と酸味のバランスが取れた「いちろくブレンド」。お気に入りの組み合わせを探そう。
『一六珈琲店』店舗詳細
BORTON
焼き菓子の名演技に胸がときめく
旬の食材をあしらったパイやタルトが行儀よく並んでいて目を引く。「焼き菓子を作るのが好きなんです」と照れ笑いする、店主・石川大輔さんの表情が印象的だ。イートイン限定のグラスデザートでは、果実と焼き菓子の競演に注目! 例えば春先なら、新鮮なイチゴや、それを使ったババロアやアイスが主役で、そこにフランボワーズの酸味や、香ばしいナッツを生かしたメレンゲ、マカロン、チュイール、クロッカンなど、個性派ががっちり脇を固める。組み合わせも並び順も、食べてみると絶妙に均衡が取れていて、口の中がパッと華やぐ。ああ、めくるめくときめきの世界。
『BORTON』店舗詳細
甘味ゆい/パンとお菓子 mimosa
魅力あふれる2つの顔を持つお店
一年中オンシーズンで、いつでも待っていてくれる『甘味ゆい』のかき氷。定番の抹茶あずきミルクは、注文ごとに店主の由井尚貴さんが茶筅でお茶を点てるところから始まる。ふわっふわの氷の間に、香り高い抹茶、ミルクが層を成し、どこを食べてもなんとまあ、濃厚! なお、第1・3火曜だけ、店は妻の洋子さんによる『パンとお菓子 mimosa』に変身する。卵や乳製品をほとんど使わないマフィンやスコーンは、噛みしめると、小麦の風味がじわりと際立つよう。食べ応えがありつつ、それでいて後味は軽やかで、素材本来の自然な甘みが心地よい♥ こちらはテイクアウトのみ。
『甘味ゆい/パンとお菓子 mimosa』店舗詳細
構成=株式会社エスティフ 取材・文=信藤舞子、松井一恵 撮影=オカダタカオ、金井塚太郎