立ち飲みと絶品料理の幸せマリアージュ『Rendez-Vous DES Amis』
カジュアルなスタイルで、玉木拓さんの手間隙かけた酒肴を味わえる立ち飲みビストロ。発酵バターとハムのトースト660円に使う自家製ハムはフェンネルで甘い香りを加え、ポルケッタ(豚バラのロースト)990円はレモンの皮やカスリメティで下味を付ける。「フレンチにこだわり過ぎず、アジアンテイストを取り入れたり、香りに変化を付けたりしています」。ワインはヨーロッパのビオが中心で、迷ったら玉木さんに水先案内を頼むのが正解。
『Rendez-Vous DES Amis』店舗詳細
早くも地元客でにぎわう鉄板ビストロ『23』
店に入ると、ガーリックシュリンプのいい匂い。「鉄板は、音・匂いと表現力の高い調理道具です」と、深野文彦さん。オリジナルサラダS680円・M900円・L1350円は焼いた砂肝のコンフィ、スパイスで味付けした自家製ベーコンとキャロットラペの温・冷の組み合わせが口に心地よい。看板のタコス カルニータスはしっとり生地の香ばしさと豚肉、ラードの旨味、ライムの酸味が口で一体となる未体験のおいしさ!
『23』店舗詳細
“鎌倉価格”の逆を行く貴重な昭和酒場『野分』
まずは、おまかせ3点盛りを頼むとイサキの炙り、ブリの漬けなど実際は4点盛りでなんと650円。「佐島漁港から破格値で仕入れたり、常連の釣り好きから魚を買い取ったり。気軽な価格で飲める昭和の居酒屋にしたくて」と店主・岡崎武史さん。入り口を見れば縄のれん、酒の品書きには赤星・バイスが並び大衆酒場好きの心をつかむ。気さくなスタッフや常連との会話も楽しく、気づけば長っ尻。
『野分』店舗詳細
鎌倉ローカルのゆるい空気にほろ酔い『良酒屋』
材木座の住宅地にあり、常連客でにぎわう。店主のシンさんは地元愛にあふれ、糠漬け400円は仕入れ先の酒販店の女将から受け継いだぬか床を使い、水カマスのフライ500円はおでん種を仕入れる老舗から教わったもの。「大衆酒場だけど、瀬戸田産ノーワックスレモンサワーなど食材は安全でいいものを使ってます」。瓶や缶酒は先輩から受け継いだ巨大冷蔵庫から、セルフで取るシステム!
『良酒屋』店舗詳細
女将の魔法の料理で健康的に酩酊『スパイス小料理+呑み処 Magic hour』
体によくておいしいものを、との思いから2020年にオープン。店主の長石美紀さんが「スパイスは辛さ・刺激のためというより、食材の旨味を引き出す調味料」という通り、佐島のキスのスパイス南蛮は穏やかな酸味の後にコリアンダーなどの爽やかな風味が広がり、筍ときのこのアヒージョは山椒の香りがタケノコの甘みを引き立てる。締めの季節のビーガンカレーはタマネギ、トマト、豆の煮汁などを重ねた滋味深い味わいで、ついまた一杯やりたくなるのだ。
『スパイス小料理+呑み処 Magic hour』店舗詳細
取材・文=鈴木健太 撮影=丸毛透