江戸川一望の絶品イタリアン『リバーサイドレストランBIBI 』[本八幡]
水上オートバイやボートの販売、免許スクールを運営する『エムジーマリーン』の3階に2019年5月オープン。窓際のカップルシートは江戸川が目の前で、川面を染める夕日を眺めながら食事を楽しめる。メニューは系列のイタリアン店直伝の本格派だ。生地から作り専用窯で焼くマルゲリータ1100円、炊き上げ・蒸らしに時間をかけて魚介の味を染み込ませたパエリアなど、手間を惜しまない料理はどれも美味。眺めよし味よしの川辺の住宅地の穴場店だ。
『リバーサイドレストランBIBI 』店舗詳細
こだわりの小麦粉が旨味を増幅『PIZZERIA CANTO DELLA TERRA』[本八幡]
生地をかじると、小麦のふくよかな香りに鼻腔がふくらむ。店主の吉川修さんは、ナポリにいる師匠の「お前はお前のピッツァを作れ」という教えを胸に、イタリア産小麦に国産小麦を配合。小麦粉から作る天然酵母で発酵させる。日々、天候で変わる生地の顔を手捏ねの触感で察知し、ご機嫌をとることも忘れない。ミントグリーンの薪窯で焼けば、木の香りをまとう香ばしい姿に。ランチビールとの相性も申し分なし!
『PIZZERIA CANTO DELLA TERRA』店舗詳細
旬の彩りに心躍る美しきプレート『和shoku 穂々』[本八幡]
旬の刺し身と、ハモやコチ、イトウリなど、9種おかずプレートのなんと彩り華やかなこと。しかも、週替わりで姿や形を変え、訪れるたびに感嘆。日本料理店で腕を磨いた代表の八木沼康雄さんは地元出身で、「お客さんは誰かしら知り合いにつながるから、嘘がつけない」と頭をかくが、真摯な姿勢が客を呼ぶ。かつお節を惜しげもなく用いた品のある出汁が、旬味の香りをやさしく引き出し、あぁ滋味深し。
『和shoku 穂々』店舗詳細
部位で異なる食感と味に開眼!『寿司居酒屋 まぐろのカリスマ』[本八幡]
本マグロやインドマグロは船橋市場仕入れ。店主の中山修さんは「味と値段が比例することが多いから」と、余すことなく使い切れる一頭買いを決意した。おかげで、希少部位にだってお目にかかれる。人気は、本マグロのオールスター丼。赤身はもちろん、1頭から数百グラムしか取れない脳天、中とろ、おみやげにも人気のツナと、まさにマグロスターの贅沢競演。風味多彩で、昼酒にもつい、手を出したくなる。
『寿司居酒屋 まぐろのカリスマ』店舗詳細
旬野菜の底力を引き出すおふくろの味『青海』[市川]
店主の龍野美紗子さんが、娘2人と妹と切り盛りするのは家庭料理の店。牛肉だけはちょっと贅沢に松阪牛を。けれど、圧巻なのはカウンター上の常備菜だ。カボチャや大根の煮物は砂糖と醤油で、サツマイモは最後にレモンを加え、「素材の力を信じて」ひと晩かけて、ゆっくり味を含ませる。どのお総菜もやさしい香味が引き出され、男性や外国人客も虜に。厚削りと花がつお出汁の味噌汁にも、ホッ。
『青海』店舗詳細
ワインを愉しむ大人のビストロ『La marge』[市川]
ラフな空気感は、店主の石郷岡勝(いしごうおかまさる)さん、ルミさん夫妻が醸し出す“抜け感”のせい。「うちはハレの日に似合わない」と謙遜するも、おまかせコース5280円~を予約した人が「おめでとう!」と乾杯する光景が日常だ。季節を感じる各地の産直食材を使い、繊細さと大胆さが同居する皿は、スパイスやハーブがふわっ。ワインは二人が惚れ込むナチュール(自然派)中心に、小さな醸造所の個性的なものを揃えている。例えば、イカとアナゴの前菜には、口触り柔らかな微発泡白を。「ボトルなら開栓から変化する風味を愉しめます」と、ルミさん。料理と好みに合う1本を選び、食べて飲んでを繰り返すうち、果てしなく晴れやかに。
『La marge』店舗詳細
優雅で温かな時間が流れる『cuisine française Lupin』[本八幡]
ディナーは6270円のコースただ1つ。苦手な食材を伝えたら、あとはオーナーシェフ・山田勝好さんが熟考して織りなす献立を心ゆくまで楽しめる。アミューズからデザートまで全7皿を2 ~ 3時間かけて味わうが、どの皿もシンプルながら、想像力をくすぐられるアイデアがひそみ、歓声の連続だ。「釣ったその場で食べているアウトドア感を表現しました」と言う和歌山産の熊野鮎のポワレは、グリッシーニで作った枝をくわえ、木の葉を敷いた特注皿にのって登場。運ばれてきた途端、自然の風景が浮かぶではないか。デザートまで驚きは続き、並ぶアメリカンチェリーに遊び心ある仕掛けが。頰がゆるみっぱなしになる夜を約束だ。
『cuisine française Lupin』店舗詳細
農家の14代目が始めた野菜カフェ『Garten Cafe ぶ楽り』[国府台]
市川に農家レストランがあると聞くと驚くかもしれない。場所は国分の閑静な住宅地。その屋号からも、おしゃれなログハウス造りの店舗からも、ここが農家レストランだとは誰も思うまい。実は、江戸時代から続く農家が経営しているのだ。14代当主の石井一平さんが露地栽培した野菜や、ビニールハウスで育てた完熟トマトを使った料理を食べさせてくれる。シェフは奥様の久美子さん。「野菜がたくさん採れると、ついうれしくて多めに盛ってしまうんです(笑)」。ミニトマトや旬の野菜を盛り付けた、サラダ感覚のピザを考案したのも久美子シェフ。トマトジュースは絶品。完熟トマトを1時間煮詰めたことでトマトの濃厚な旨味を堪能できる。
『Garten Cafe ぶ楽り』店舗詳細
旬の市川野菜のイタリアン『トラットリア・アルポンテ 道の駅「いちかわ」』[北国分]
2018年市川市内に、日本橋浜町の名店『リストランテアルポンテ』の姉妹店が開業した。国道298号沿いに立つ道の駅「いちかわ」に併設する『トラットリア・アルポンテ』である。2019年5月、松島正さんがシェフに就任。松島さんは本店で副料理長を務めた後イタリアに渡り、帰国後、各地のレストランでシェフを歴任してきた。いしい農園の石井一平さんなど、これからの市川の農業を支える若手農家チームの「いちかわファーム」が丁寧に育てた野菜やハーブと、イタリア産チーズや、切りたてのパルマ産生ハムなどを組み合わせた、滋味あふれる本格的なイタリア料理を廉価で提供している。市川ならではのイタリア料理を、イタリアワインと一緒に舌で鑑賞させてもらおう。
『トラットリア・アルポンテ 道の駅「いちかわ」』店舗詳細
構成=フラップネクスト 取材・文=佐藤さゆり・松井一恵(teamまめ)、中島茂信 撮影=オカダタカオ、山出高士