コーヒーの香りが染み込んだ空間『カフェ ビィオット』

ビィオット・ブレンド480円、ミックストースト450円(プチデザート付き)。
ビィオット・ブレンド480円、ミックストースト450円(プチデザート付き)。

銀の鋲がクールな板張りに、天井近くでアールを描く漆喰の壁など、シックな空間に、界隈の人々がひっきりなし。お目当ては自家焙煎のコーヒーだ。光沢を放つコーヒー豆を注文ごとに挽き、ネルドリップで抽出。深いコクと甘い後味に、誰もが満足げに頷く。お供にサンドイッチも人気。「パン自体がおいしいんです」と2代目店主の正能(しょうのう)真介さんは笑うが、トースト具合、具のバランスが絶妙だ。

ほぼ毎日、自家焙煎する。
ほぼ毎日、自家焙煎する。
八丁堀で1973年に創業し、1985年より神田に。カウンターにはロイヤルコペンハーゲンなどのカップが。
八丁堀で1973年に創業し、1985年より神田に。カウンターにはロイヤルコペンハーゲンなどのカップが。

『カフェ ビィオット』店舗詳細

ショパンの音色が心地いい戦前喫茶『珈琲ショパン』

アンプレス500円は1グループ1個で。ロイヤルミルクティー650円は15時から注文可。
アンプレス500円は1グループ1個で。ロイヤルミルクティー650円は15時から注文可。

名曲喫茶として昭和8年(1933)に創業。戦禍を免れ、34年前から店名と同じ、ショパンだけを奏でるように。暖炉風家具、ステンドグラス、ベルベットの籐椅子、彫刻家手製の木彫り灰皿など、色香が満載。コーヒーが人気だが、粒餡と氷、ミルクをミキサーにかけたアンオーレは、男性も惚れるさらりとした甘さ。そして、バターをパンの耳まで重ね塗りしたアンプレスの甘じょっぱい味に恍惚となる。

3代目店主の岡本由紀子さんとチーフの佐々木信博さん。
3代目店主の岡本由紀子さんとチーフの佐々木信博さん。
アンオーレ650円。
アンオーレ650円。
たっぷりの豆でまとめ淹れ。
たっぷりの豆でまとめ淹れ。

『珈琲ショパン』店舗詳細

植栽の隙間からもれる灯りが目印『高山珈琲』

ホイップをたっぷり付けて食べたい、自家製のニューヨークチーズケーキのセット950円(単品は500円)。アイスは+50円。
ホイップをたっぷり付けて食べたい、自家製のニューヨークチーズケーキのセット950円(単品は500円)。アイスは+50円。

古い建物を隠すように緑が茂るなか、扉を開ければ、柔らかな灯りに、リノベした木造りの空間が浮かぶ。店主の高山正秀さんはコーヒーメーカー勤務の経験を元に、2~3年乾燥熟成させたオールドビーンズの焙煎豆を特注。ブレンドのみ、ネルドリップでまとめて淹れるのは、「一杯ずつだと、配合の味わいが表われにくいんです」。味を落ち着かせたコーヒーは、自家製ケーキとともに、ゆったり味わいたい。こっくりとした苦味のあと、甘みがゆっくり花開く。

1994年創業。わざと埋もれるように緑を植えた。
1994年創業。わざと埋もれるように緑を植えた。
シナモントースト600円も人気だ。
シナモントースト600円も人気だ。

『高山珈琲』店舗詳細

構成=株式会社エスティフ 取材・文=佐藤さゆり(teamまめ)、佐久間春奈・加藤桐子(風来堂)、野田りえ 撮影=オカダタカオ、中込涼

喫茶店やカフェがひしめく神田・神保町界隈では、店主たちも職人肌な個性派ばかり。テイクアウトでも妥協しない。豆に、焙煎に、淹れ方に、ちょっとの手間を惜しまず、渾身(こんしん)の一杯を注ぐ。こだわり詰まったカップを受け取り、散歩の続きに出かけよう。
外せない局面で、あるいは大事なあの人へ、これぞという一品を贈りたい。可笑(おか)しなお菓子は、いとおかし。手みやげをきっかけにして場が和むことだってある。そんなときに、神田・神保町界隈で手に入るおすすめはこの6品だ! 和菓子に洋菓子、間違いない手みやげをご紹介。
神田周辺は、ランチや仕事終わりの1杯に気軽に立ち寄れる餃子店も多い。シンプルな具材からチーズフォンデュのような変わり種まで、個性豊かな餃子を楽しめる。リーズナブルでおいしい餃子店3店舗を紹介する。