素材の味を生かす薄化粧は日本人好み 。『ヴィラモウラ銀座本店』[銀座]
蓋を開ければ、湯気の向こうにあふれんばかりの魚介たち。「カタプラーナというポルトガルの鍋料理です。味付け香り付けはコショウとニンニク、ローリエのみ」と料理長の山本太介さん。具のエビやイイダコをハフハフ味わい、トマトのスープを啜(すす)ればその調理法とは裏腹、複雑な出汁のうまさに驚く。「イワシ1匹のオーブン焼きも塩コショウとニンニクオイルで焼いただけ。素材の味を生かすのがポルトガル料理なんです」。
『ヴィラモウラ銀座本店』店舗詳細
水炊きでしゃぶしゃぶとはこれ如何に。『森川』[東銀座]
博多出身の森川英二さんが水炊きと揚鶏を主役に据え、2015年に開店。「博多の一般的な水炊きと少し違うんです」という媛っこ地鶏の水炊きは、鳥刺しでもいける愛媛の新鮮地鶏を使用。そのモモと胸をじっくり煮込まず、まろやかなスープで1分前後しゃぶしゃぶすれば肉の弾力、コクのある旨味が際立ち恍惚(こうこつ)のうまさ。追加で、香りのいい鶏油で揚げたひな鳥の素揚げを頼めば、肉汁と水炊きのコラーゲンで唇がつやつや!
『森川』店舗詳細
広島の味覚のオールスター戦開宴!『銀座 遠音近音』[銀座一丁目]
広島県鞆の浦に本店を持ち、瀬戸内の食材を使った広島の料理が品書きにズラリ。体が温まる海鮮レモン鍋は、広島産レモンの爽やかな酸味と鯛のアラのコクが絶妙に合う。瀬戸内本めばる2200円やおこぜ唐揚げ小3300円など魚料理も充実しており、30種ほど揃う広島の地酒がグイグイ進む。これからの季節、広島産の大粒かきフライも外せない。粗めの衣をカリッと噛めば中から海のエキスがジュワ~。この揚げ具合、神ってます!
『銀座 遠音近音』店舗詳細
大人女子の心をつかむおいしいものを少しずつ。『Furutoshi』[東銀座]
ウッディな店内で、肩肘張らずに北海道・三重県の食材を楽しめるカジュアルイタリアン。プリティックスコース6000円は最初の一皿から始まり、前菜の盛り合わせをお楽しみいただけます。パスタは3~4種から、メインディッシュは3~6種と組み合わせはお客様の自由にお選びいただけます。「女性が喜びそうな食材の組み合わせを意識し、おいしいものを少しずつ、食べたいものをチョイスしたいという女性の気持ちを考えました」と料理長の佐々木祐太さん。いやいや、これは男子もうれしいでしょ!
『Furutoshi』店舗詳細
冬、鴨南蛮の奥深いつゆでほっと一息。『京橋 紅葉川』[京橋]
店主・柴田隆司さんは、玄ソバを毎日石臼でひき、手打ちする。「コシがあってツルッといけるそばが理想ですね」。自慢の鴨南蛮1950円は小指ほどの厚みがある鴨肉3枚とつくねがつゆの上にドーン! 肉厚ゆえに食感プリプリ、ミディアムレアなので噛めば肉汁ジュワリ。つゆは、鴨脂に加え、炭火で焼いたかつお節やさば節など、うまみが幾層にも重なる。「年配のお客さんが多いけど、ウチのつゆは結構飲み干してくれるんですよ」。
『京橋 紅葉川』店舗詳細
珍しい湖南料理の店を京橋の路地裏に発見。『雪園 京橋店』[京橋]
都内に数軒という中国湖南料理が看板の一軒家レストラン。「本場は相当辛いですが、なるべく薄口にしてます」と料理長の髙久和也さん。名物は、竹の産地、湖南地方ならではの山バト入り湖南特製竹筒スープ。ハトと豚のひき肉に干し貝柱などを混ぜ、竹筒に入れ蒸したもので、スープの奥深い味わい、口でほろっと崩れる肉の食感がたまらない。「湖南料理の代表格、自家製ハムの蜂蜜ソースをおかわりする人も多いです」。
『雪園 京橋店』店舗詳細
取材・文=鈴木健太 撮影=井原淳一、オカダタカオ、山出高士