遡れば川に挟まれた土地の恵みか、はたまたにぎわいある寺町のお約束か、「う」の字の看板が手招きをする川越。使い込まれた重箱を目の前に深呼吸、そしてゆっくりふたを開けると、知らぬ間に頬が緩んでいる。そんな、うなぎの真髄を極めた名店6店をご紹介。

明治の味を伝えるいもせんべい。『東洋堂』[本川越]

サツマイモを1個ずつカンナで削って芋焼き機で焼き、刷毛で砂糖水の蜜を塗って乾燥。驚くほど昔ながらの手作業で、いもせんべいが完成。

明治35年(1902)創業のいもせんべい専門店。その製法は創業以来の手作り。「手間がかかるから大手は参入しません」と笑う4代目の戸田眞一さん。まっ茶やゆず味のいもせんべいをはじめ、柔らかめの「いもせん」にホワイトチョコをかけた「いもせんdeショコラ」(9月下旬~5月中旬)など、日夜味を追求。いもせんべい140g540円。

じっくりと砂糖で煮た月見糖もあります。

『東洋堂』店舗詳細

住所:埼玉県川越市松江町2-6-9/営業時間:9:30~17:00/定休日:無(1月1日を除く)/アクセス:西武新宿線本川越駅徒歩15分

自家製イモ餡とドーナツ。『稲葉屋本舗』[本川越]

人気商品のいもどうなつ。

駄菓子屋横丁にある昭和13年(1938)創業の和菓子店。いもまんじゅうや葛菓子などを手作りする。もともとアンドーナツを作っていたが、自家製さつまいも餡を入れてみたら人気商品となった、いもどうなつは1個90円。外側さくさく甘み控えめで食が進む。いもようかん(1本150円)も、素朴な味わいだ。

紫いもまんじゅう(1個110円)も、蒸かしながら販売。
川越の人気スポット、菓子屋横丁に位置する。昔から手作りのがモットーの和菓子店です。

『稲葉屋本舗』店舗詳細

住所:埼玉県川越市元町2-7-6/営業時間:9:00~18:00/定休日:無(臨時休業あり)/アクセス:西武新宿線本川越駅から徒歩16分

心地よい古民家の店。『OIMO cafe』[ふじみ野]

むさし金時のハニースイートポテト。

いも街道沿いの『むさしの自然農場』は、若手の武田浩太郎さんが10代目。「農家を継ぐなら好きなこともしよう」と、庭先の古民家でカフェも開店。むさし金時のハニースイートポテト700円や、つぼ焼きおいも500円~くらいで、自家栽培サツマイモを味わえる。夏場はかき氷が人気。サツマイモ直売もあり。

『OIMO cafe』店舗詳細

住所:埼玉県入間郡三芳町上富287/営業時間:11:00~18:00/定休日:月・火/アクセス:東武東上線ふじみ野駅からライフバス「上富・セントラル病院・三芳町役場経由~鶴瀬駅西口折り返し線」20分の「角家」下車1分

裏通りのカフェで味わう芋スイーツ。『HATSUNEYA GARDEN THE CAFE』[本川越]

抹茶のティラミス850円。人気の抹茶ティラミスにカシスのジャムをたっぷり忍ばせました。

皇族や政財界、画壇の重鎮たちに愛されてきた明治元年(1868)創業の料亭「初音屋」が、レストラン、カフェ、ウェディングの3つのスタイルをもつ「HATSUNEYA GARDEN」にリニューアル。通りを眺めるテラス席を併設した「THE CAFE」で味わいたいのが、川越ゆかりの河越ほうじ茶や河越抹茶各650円。

ゆったりとソファを配した落ち着きのある店内。

『HATSUNEYA GARDEN THE CAFE』店舗詳細

住所:埼玉県川越市元町1-9-8/営業時間:11:00~16:30LO(土・日・祝は~17:30LO)/定休日:不定/アクセス:西武新宿線本川越駅から徒歩16分

日本庭園を望む、風雅な古民家和食店。『和創菜と四季のすし 風凛』[本川越]

ランチの小江戸コース2800円は寿司、穴子丼、バラちらしからメインが選べ、先付、刺身、蒸しもの、焼物、お椀、甘味付き。

市の有形文化財にも指定される大正4年(1915)建築の古民家を利用した店。天然の素材と季節の食材を使った料理で“旬”の味覚を味わってほしいと語るのは店長の永野さん。昼の名物メニューは、その日に仕入れた魚介を中心にした旬の特選にぎり、ふっくらと煮たアナゴがのった穴子丼。各茶碗蒸し、お椀付き3200円。

表通りには洋館の店蔵が立ち、奥に進むと純日本家屋の店が現れる。

『和創菜と四季のすし 風凛』店舗詳細

住所:埼玉県川越市仲町6-4/営業時間:11:30~14:00LO(土・日・祝は~14:30LO)・17:00~21:00LO/定休日:水(祝の場合は翌日)/アクセス:西武新宿線本川越駅から徒歩10分

地元の野や里の食材を焼き菓子に!『やき菓子 野里』[本川越]

上品な仕上がりの菓子から、田中さんの丁寧な仕事ぶりがうかがえる。

川越八幡通りにあり、4坪という小さな店を田中さん夫婦が切り盛りする。北海道産の小麦やきび砂糖、埼玉県産の卵、ハチミツ、抹茶など、素材には安心安全を心がける。旬の果物や野菜を使ったシフォンケーキやクッキー、タルト、マフィンなどは、どれもデコレーションは少なく、素材そのものの味を楽しんでほしいという思いが伝わる素朴なつくり。

写真手前から焼きりんごのタルト330円、マロンくるみパイ280円、かぼちゃのシフォンケーキ240円。

『やき菓子 野里』店舗詳細

住所:埼玉県川越市新富町2-14-2/営業時間:11:00~19:30/定休日:火/アクセス:西武新宿線本川越駅から徒歩5分

アイデアあふれる芋菓子も。『大学いも いわた』[本川越]

大学いも300g660円は、ザラメを煮込んで作るサラッとした優しい甘さの蜜が芋の中まで染み込んでいる。

店主の花俣さんは、かつて東京・浅草橋のおかず横丁にあった本店の味を受け継ぎ、芋が名物の川越で勝負! 本店直伝の輪切りスタイルの大学いもを提供するほか、食べ歩きに最適な細切りタイプの「小江戸スティック」200g440円や真ん丸クッキーの「いもころりん」1袋150円、おいもチーズケーキ1本180円~を創作するなどアイデアマンでもある。

店は表通りから少し入った出世稲荷神社の近く。

『大学いも いわた』店舗詳細

住所:埼玉県川越市新富町1-8-17/営業時間:10:00~19:00/定休日:水(祝の場合は翌日)/アクセス:西武新宿線本川越駅から徒歩6分

県産食材にこだわる新感覚の和菓子『彩乃菓』[本川越]

河越抹茶パフェは、抹茶アイス、抹茶カステラ、つぶ餡、バニラアイスなどさまざまな味を楽しめる。

川越をはじめ、埼玉県産の食材を使い、固定観念にとらわれない新しい和菓子を作る。真っ白な店内に並べられた和菓子の数々は、まるでアートを楽しむような感覚で選ぶことができる。2階にはカフェスペースがあり、1階に並ぶ濃茶大福237円や河越抹茶どら焼き270円などの和菓子のほか、河越抹茶パフェ850円などの和スイーツを味わえる。

真っ白なカウンターの上に淡い色合いの和菓子が並ぶ姿は美しいアートのよう。

『彩乃菓』店舗詳細

住所:埼玉県川越市連雀町10-1/営業時間:12:00~17:00/定休日:水/アクセス:西武新宿線本川越駅から徒歩7分

取材・文=眞鍋じゅんこ、塙広明(アド・グリーン)、永見薫 撮影=鴇田康則、井上洋平、加藤昌人、永見薫