小松菜を生でバリバリ、初体験。『タイバル チャンカーオ』
船橋漁協の朝市で、「西船橋ひらの農園」の小松菜と出合い、以来惚れ込んでいるオーナーシェフの坂本貴史さん。「安心できる農法で、ほどよい苦みで癖がない。生で食べたくなるんです」。元来、生野菜をよく使うタイ料理だが、緑濃い葉を2 ~ 3枚重ねて巻く生春巻きは、ダイナミック。なんと小松菜まで生! 生の小松菜を味わえるタイ料理が盛りだくさんだ。
『タイバル チャンカーオ』店舗詳細
/定休日:日/アクセス:JR総武線・東武アーバンパークライン船橋駅から徒歩5分
漁師の街・船橋でホンビノス貝を。『Ocean Seafood LASISA DINING』
ぷくっとした弾力と濃厚な出汁が特徴の、ホンビノス貝。殻が頑丈で砂を噛まないし、日持ちがよく扱いやすい。地域との縁を大事にする店主・塩谷和正さんは、そんな魅力に引かれ、数年前から料理に使う。「加熱で固くなるけど、工夫次第でどんな料理にも合いますよ」。カルパッチョは小さめを選び、茹で汁ごと一晩置いて身に旨味を戻す。パスタは一気に蒸す。クラムチャウダーは大きめを使い出汁を存分に。店内の雰囲気も料理も、海の香りを感じる。
『Ocean Seafood LASISA DINING』店舗詳細
野菜多めのカレーに体が喜ぶ。『SUNRISE SRILANKA RESTAURANT』
2014年に留学のため来日した店主のマノーリさん。専門学校を卒業後、「故郷の味を日本でも知ってもらいたい」と、2018年1月に店を開いた。さらさらした米のバスマティの上には、10種のスパイスを使ったチキンカレーがのる。周りを彩るのはスリランカでは定番のココナッツサンボールやダールと、日替わりの野菜カレー、計7種だ。はじめは1種ずつ味わい、後に全て混ぜてかき込む。ココナッツやスパイス、野菜の風味に刺激され、食欲はさらに増進する。
『SUNRISE SRILANKA RESTAURANT』店舗詳細
/定休日:木/アクセス:JR総武線・東武アーバンパークライン船橋駅から徒歩4分
週2日昼限定、ツルシコのうどん。『日炉勢』
店主のゼンさんは、お遍路の途中で出合ったうどんの味に感激し、東京に戻ったのもつかの間、すぐにうどん行脚のため四国へ飛んだ。「1日10杯は食べましたね。その後、現地の店で修業して」と笑う。かつおや昆布、うるめや鯖など6種の食材で出汁をとったつけ汁に、少し長めのうどんをつけてすする。踏んでは寝かしを何度も繰り返した麺はコシが強く、つるりと心地よい喉越し。瀬戸内産自然海塩のまろやかでやさしい塩味が、また後を引き、次のひと口へ誘う。
『日炉勢』店舗詳細
豊かな香味に悩殺必至!『中国料理 川菜味』
料理から立ち上る湯気に鼻がひくひく。オーナーシェフの蓑島誠さんは、『四川飯店』で修業。国産ゴマを炒るところから作るゴマだれや、唐辛子2種をブレンドしたラー油、乾燥ソラマメを蒸してから挽いて加える豆板醤など、調味料ひとつひとつにも心を砕く。ゆえに、色、香り、辛味がふくよかさを増し、もちっとした水餃子、下味をしっかりつけたプリップリのエビ、卵が絡む牛肉の細切りなど、旨味の奥深いこと。まろみのある紹興酒と合わせれば、恍惚。
『中国料理 川菜味』店舗詳細
まろやかで滋味深いスープ。『拉麺いさりび』
ウッドデッキをはじめ、木の温もりを感じる店内。バランス系ネオ中華そばとも称されるラーメン800円は魚介系や動物系、野菜系など、それぞれのよさが調和する。タレには鹿児島産と関東産の醤油を使い、淡麗系でありながら、深い味わいを出す。6時間かけて作る三元豚の肩ロースチャーシューや手間隙かけるメンマなども旨い。
『拉麺いさりび』店舗詳細
エビの旨さや香りを思う存分楽しめる。『海老・特濃煮干しそば まるは』
店内に入るとエビの芳醇な香りと巨大なエビの絵が迎えてくれる。一番人気は海老そば750円。大量の甘エビの頭と鶏を使ったスープに、特製のエビ油を加える。ひと口すすれば、エビの香ばしさが広がり、あっさりとしていてコクのある味わいを堪能できる。直前に炙ったチャーシューや三番瀬海苔などが風味を一層引き立ててくれる。
『海老・特濃煮干しそば まるは』店舗詳細
足を延ばして
たゆまぬ創作魂に感涙する『Bistro Delà』(津田沼)
ホタテとキノコのムースや、薫香芳醇なまったり鶏レバーなど、手間を重ねた旬味が満載。迷ったらおまかせ前菜がおすすめだ。けれど、意外なことに名物はキャベツのロースト。湯通ししてパルメザンチーズを挟み、フォンブラン、白ワインを煮詰めて生クリームを加えたソースをたらり。キャベツのとろりとした甘みに誰もがゾッコンになる。ビストロやホテルでならした大野克也シェフの「なんでもない食材をおいしく」の真骨頂を、とくと味わいたい。
『Bistro Delà』店舗詳細
季節季節の色、香りを楽しむ『車鮨』(北習志野)
銀座界隈で腕を磨き、2011年に家業を継いだ店主の森田光博さんは「できるだけオーダーメイドで出したいんです」と、目を輝かす。会話をヒントに客の好みを探り、船橋市場仕入れの、旬の旨味を引き出す。そして、粋な手つきで握る鮨の美しいこと。千葉県いすみ市産減農薬コシヒカリのシャリは米に甘みがあり、ネタの香味が後からふわりと口中を満たす。にぎりも肴も、おまかせにすれば、短い旬の希少ネタがお目見えすることも。
『車鮨』店舗詳細
構成=フラップネクスト 取材・文=佐藤さゆり・松井一恵・高橋健太(teamまめ)、速志 淳(アドグリーン) 撮影=原 幹和、金井塚太郎、加藤熊三、オカダタカオ