もりのたね

野菜たっぷりの昼ごはんは服部一家のもてなし心満載

お昼ごはんセット1250円は、ウェルカムティー、サラダ、選べる週替わりのメイン(写真は大根、白菜、あさりのパスタ、バゲット付き)、ドリンク付き。

店主の服部竜明さんは、フレンチの手法を取り入れた中華料理店の副料理長を務めた後、飯能郊外の人気イタリアン『La Nola』へ。「師匠夫婦をはじめ、飯能の格好いい大人たちに支えてもらって」、独立した。料理は、「野菜を楽しみに来る方が多くて」と、義父が作る無農薬野菜が主軸。みずみずしい葉物のサラダに蒸し揚げの芋類で甘みを添え、ボンゴレにアゴ出汁で炊いた大根を加える。食前、食後に香り麗しいお茶もたっぷり供され、体の内から歓声が上がる。

服部一家。この日長男・義父は欠席。
クリームブリュレ400円も味わいたい!

『もりのたね』店舗詳細

住所:埼玉県飯能市落合317-1/営業時間:11:00~ 13:45LO・18:00~ 22:00(夜は前日までに要予約)/定休日:月/アクセス:西武池袋線飯能駅から西武バス「河辺駅南口」行き7分の「前ヶ貫入口」下車5分

そば舎 あお

お茶もそば湯もセルフ。参加型のそば屋

辛味大根せいろ1000円(2020年から1100円に変更予定)。常陸秋そばを使う二八。月曜は十割がお目見え。

地道に集めた骨董を使い、いつか飲食店を開こうと企んでいた佐藤暁子(あきこ)さん。やるなら「からだにいい、自分が食べ続けたいものを」と、そばを選んだ。そばを筆頭に、日本産の骨董、使い勝手のいい道具、そしてショートカットの佐藤さん。すべてが潔くかっこいい。季節のせいろなど変化球もあるが、初来店なら、秋田産・松館(まつだて)しぼり大根を使う一枚をぜひ。辛い大根をそばに直接のせて味わうと、そばの甘みがふわっと舞う。

お茶もそば湯もセルフ。参加型のそば屋
全メニューに付く、だし巻き卵とおかず1品。そばを待ちながら日本酒1合600円をちびちび。
屋根上まで青い!

『そば舎 あお』店舗詳細

住所:埼玉県飯能市小久保275-4/営業時間:11:00~ 17:00(そばがなくなり次第終了、そばの予約可、14:00~カフェ利用可)/定休日:火・水/アクセス:西武池袋線飯能駅からイーグルバス「宮沢湖」行き10分の「宮沢湖」下車3分

鮨 すずき

天然ものでにぎる江戸前を海のない飯能で

5000円のおかませより。野菜尽くしの前菜の後、にぎり8~10貫が供される。

駅から遠い住宅地に、都内からも通う人がいる寿司屋を発見。迎えてくれるのは、「寿司に行こうぜ、飯能へ!」を唱え、江戸前寿司を貫く職人、鈴木恭司(やすし)さんだ。予約時に予算と好みを事前に相談するが、「これだけは、食べてもらってます」と、近所の小島農園で育つ野菜を使う前菜が登場する。やはり近所で醸される天覧山の生酒を傾ける間に、ゆっくりと鈴木さんの手が動き出す。透明に輝くサヨリ、脂の余韻が深い松川カレイ、技ありの華麗な一貫に唸(うな)る。

ネタケースは「震災を機に節電の意味も込めてやめました」。
中伊豆から取り寄せる真妻(まづま)種のワサビをおろす、鈴木さん。

『鮨 すずき』店舗詳細

住所:埼玉県飯能市前ケ貫270-2/営業時間:11:30~ 14:00・17:00~ 22:00(昼夜とも要予約)/定休日:木/アクセス:西武池袋線飯能駅から西武バス「美杉台ニュータウン」行き5分「ひかり橋」下車3分

お寺うどん

青空の下ですする素朴なうどん

昆布とかつおからひいた出汁を夏はキリッと、冬は穏やかな味わいに仕上げる。

「こら、コタロウ!」。 観音寺の境内に、いたずら好きの子猫をやさしくいさめる店主・小林美代子さんの声が響く。もともと夫婦で飲食店を営んでいた美代子さん。昨春、常連客だった住職との縁から、境内の一角の空き小屋で1杯310円のうどんをのんびり売り始めた。毎朝、30年物の製麺機をゴトゴト鳴らして打つのは、うっすら茶色を帯びた素朴なうどん。風味を大切にしたいから、使うのは埼玉の黒土で育った農林61号100%と決めている。店頭で注文したら、小屋の外にある小さな丸太に腰掛けてすするのがお決まりだが、お天道様の下で味わう青空うどんの旨いこと! よじれた麺を噛むほど、舌に懐かしい甘みが広がる。おっと、背後のコタロウにご注意ください。

桜海老いっぱいのかき揚げは売り切れ御免!
大切に使い続けているレトロな製麺機。「ちょっと調子が悪いときもあるけど、ね。ふふ」

『お寺うどん』店舗詳細

住所:埼玉県飯能市山手町5-17 観音寺境内/営業時間:10:00~15:00(売り切れ次第終了)/定休日:月・火・水・木/アクセス:西武池袋線飯能駅から徒歩10分

福六十

まるでアフロな驚異のボリューム

かきあげ天ぷらうどん1540円(麺とかき揚げは通常別盛り)。かき揚げ単品550円。

20年近く前、知人を驚かせるために出したのが始まりというこのかき揚げ。1枚でもすごい量なのにそばやうどん、丼のセットには2枚も! 度肝を抜くボリュームにたじろぐが、口に運べば意外にも後味軽やか。「キャノーラ油で揚げるので食べやすいと思います」と店主の武藤政浩さん。具は北海道産のタマネギに、かなり多めの芝エビ、さらに刺し身用の小柱まで。食べきれなくても持ち帰れるので(パック代20円)、安心してチャレンジを。

小上がりもある店内。酒や一品料理も豊富。
店では武藤さんが打つそば・うどんが食せる。

『福六十』店舗詳細

住所:埼玉県飯能市緑町11-20/営業時間:11:00~14:00( 日・祝~15:00)・17:00~21:00/定休日:水/アクセス:JR八高線・西武池袋線東飯能駅から徒歩10分

構成=柿崎真英 取材=佐藤さゆり・松井一恵(teamまめ)、井上こん、下里康子 撮影=井上洋平、高野尚人、桧原勇太、小野広幸、加藤昌人