和菓子をキャッチーな存在にする『いちや/いちやのどら』

『いちやのどら』の炒ったクルミと北海道産バターのくるみバタどら280円。
『いちやのどら』の炒ったクルミと北海道産バターのくるみバタどら280円。

『いちや』は大福専門店。素焼大福や杏(あんず)、黒ごま、旬の果実を使ったものなどがずらりと並び、近くの高校に通う学生にも普段のおやつとして愛される。定番のいちやの大福は「滋賀羽二重糯」で作ったぷにっとして口溶けのいい羽二重餅と、ふわっとみずみずしいつぶあんが調和し、北海道産小豆「豊祝」の穏やかな香りがふんわり。2019年2月、店から徒歩1分のところに開店した姉妹店、どら焼き専門の『いちやのどら』にもぜひ立ち寄って。

どら焼きの皮は銅板で焼く。
どら焼きの皮は銅板で焼く。
冬はいちご大福が登場。
冬はいちご大福が登場。
白い暖簾が目印。
白い暖簾が目印。
いちやの大福(中央)162円を筆頭に季節限定など種類豊富。
いちやの大福(中央)162円を筆頭に季節限定など種類豊富。

『いちや』『いちやのどら』店舗詳細

住所:東京都墨田区東向島2-34-10/営業時間:10:00~18:00(売り切れ次第終了)/定休日:火/アクセス:東武スカイツリーライン・亀戸線曳舟駅から徒歩5分
住所:東京都墨田区東向島2-34-12/営業時間:10:00~18:00(売り切れ次第終了)/定休日:火/アクセス:東武スカイツリーライン・亀戸線曳舟駅から徒歩4分

素材の風味が複雑に絡み合う『HIGASHIYA man 丸の内』

店内ではお茶とともに楽しめる。煎茶+和菓子1850円~。和菓子は追加可で1個300円~。
店内ではお茶とともに楽しめる。煎茶+和菓子1850円~。和菓子は追加可で1個300円~。

目を引くのは、モダンと伝統が同居する和菓子の数々。なかでも「紫根(しこん)」「柑子(こうじ)」など、日本の伝統色の名で呼ばれているのは、さまざまな変わりあんで相性のいい素材を包んだ「ひと口果子」だ。例えば、酸味をはらんだクリームチーズをカボチャあんで包む「柑子」は、素材本来の味を生かしたほくほくした甘みが豊か。ブランデーや焼酎が鼻先を舞う大人の味もあり、モチーフになる素材とあんこのマリアージュにうっとりして身悶え。

持ち帰りは箱詰めのみ。9 個入り3402円。
持ち帰りは箱詰めのみ。9 個入り3402円。
最中は1箱2本入り864円。
最中は1箱2本入り864円。
丸の内店。店内にも趣がある。
丸の内店。店内にも趣がある。

『HIGASHIYA man 丸の内』店舗詳細

住所:東京都千代田区丸の内1-4-5 三菱UFJ信託銀行本店ビル1F/営業時間:11:00~20:00(茶房は~19:00LO)/定休日:無/アクセス:JR・地下鉄東京駅から徒歩2分

職人のあふれる遊び心にときめく『nanarica ~七里香~』

今季の最中は5種。つぶあん172円、カボチャ194円など。
今季の最中は5種。つぶあん172円、カボチャ194円など。

その見た目からてっきりシュークリームかと思いきや、なんと最中。一般的に最中種はもち米でできているが、こちらは上新粉と豆乳を使ったオリジナルレシピで、ソフトな食感と卵の風味がバターを混ぜたコクのあるあんこと呼応する。白あんで甘さを調えたカボチャあんや求肥をつぶあんにトッピングし、老若男女を魅了。売り場には花を象った正統派の練り切りもあり、小遣いを握りしめてやって来るちびっこファンもいるのだとか。

和菓子が映えるすっきりした内装。
和菓子が映えるすっきりした内装。
クリスマス限定の上生菓子。サンタクロース540円、STきんとん432円。
クリスマス限定の上生菓子。サンタクロース540円、STきんとん432円。

『nanarica ~七里香~』店舗詳細

好奇心を忘れず挑戦し続ける名店『うさぎやCAFÉ』

うさ志る古フロマージュ+飲み物1100円~。
うさ志る古フロマージュ+飲み物1100円~。

あんこが自慢の名店『うさぎや』の4代目・谷口拓也さんがオープン。「いろんなあんこを食べてもらいたい」との願いから、練り上げる際、鍋を火にかける時間を変えて異なる固さのあんこを作り、メニューごとに使い分ける。とろりとしたうさ志る古フロマージュは「ブラジルで出会った日系人の方から、羊羹とチーズを一緒に食べる話を聞き、思いつきました」。絡み合うあんこと塩気のあるチーズを香ばしい最中種にのせてどうぞ。

『うさぎや』のどらやきをバターで焼くうさどらフレンチ焼き900円。
『うさぎや』のどらやきをバターで焼くうさどらフレンチ焼き900円。
「お茶はハワイウォーターで淹れます」と谷口さん。
「お茶はハワイウォーターで淹れます」と谷口さん。

『うさぎやCAFÉ』店舗詳細

取材・文=信藤舞子 撮影=オカダタカオ

『散歩の達人』2019年12月号より