折々に立ち寄りたい地域の溜まり場『せんむすび縁側SPACE』

おにぎりランチ660円は旬野菜の総菜10~13皿並び、取り放題。
おにぎりランチ660円は旬野菜の総菜10~13皿並び、取り放題。
地域の人たちが日参。
地域の人たちが日参。

ローカルスーパー『ヤオシチ』3代目嶋田久栄さんが「個人的に」始めたコミュニティースペース。休憩だけでもOKだが、2026年6月からおにぎりランチを開始。サイズ、具を選ぶと手で握ってくれる。茨城産コシヒカリの握り具合、海苔のパリパリ感、ベジブロスの豚汁に恍惚(こうこつ)。さらに総菜、お茶とコーヒーが取り放題。

縁側もあり。フレッシュフルーツのスムージー300円~でビタミンチャージしたい。
縁側もあり。フレッシュフルーツのスムージー300円~でビタミンチャージしたい。
『Tama Coffee Roaster』に特注。
『Tama Coffee Roaster』に特注。
住所:東京都足立区千住元町3-2/営業時間:12:00〜18:00(おにぎりランチは月・水・金・土の11:00〜15:00)/定休日:不定

元廃墟で羽ばたく発想力を目撃『BUoY(ブイ)』

ボーリング場を活用したカフェ。
ボーリング場を活用したカフェ。
湯船やカランを残す劇場は演者次第で舞台が変わる。
湯船やカランを残す劇場は演者次第で舞台が変わる。
人気の昔ながらのプリン650円、本日のコーヒー600円。
人気の昔ながらのプリン650円、本日のコーヒー600円。

2階のカフェ&ギャラリーは元ボウリング場。だだっ広い空間に不揃いの椅子が並び、不思議と落ち着く居心地のよさ。また地下に下りれば銭湯の遺構を残した劇場が摩訶(まか)不思議な風情だ。アーティスト・イン・レジデンスを催すなど、新たなアートを発信し、若手を応援する場になっている。

さりげなくアーティストの痕跡が。
さりげなくアーティストの痕跡が。
建物の左端にある小さな扉が入り口。
建物の左端にある小さな扉が入り口。
住所:東京都足立区千住仲町49-11 2F/営業時間:14:00~19:00(土・日・祝は13:00~18:00)/定休日:月・火・水/アクセス:JR・私鉄・地下鉄・つくばエクスプレス北千住駅から徒歩7分
住所:東京都足立区千住仲町49-11/定休日:不定期営業

疾走感炸裂のメロコアを発掘『LONG PARTY RECORDS』

階下の『PECKHAM』を抜けて2階に上がれば、メロディックパンク、ハードコア、日本語ロックがギュギュッ。佐久間雄平店長セレクトのデモ音源CDショップで、週間ランキングは要チェック。また、コールスローのメンバーによる中古の『コーナー・レコード』、CDのみならず、オリジナルグッズも必見。アーティストたちのサインが壁を埋める。

佐久間さんの似顔絵がグッズに!
佐久間さんの似顔絵がグッズに!
住所:東京都足立区千住旭町22-5/営業時間:12:00〜21:00(変更あり)/定休日:木・不定

ゆらゆら音にのって揺れるひととき『PECKHAM(ペッカム)』

週末はDJイベントやアコースティックライブを随時開催。
週末はDJイベントやアコースティックライブを随時開催。
PECKHAMタコスセット1480円は、ビールに替えると+200円。
PECKHAMタコスセット1480円は、ビールに替えると+200円。
ドイツのビートメイカーによるレイドバックサウンドは必聴。
ドイツのビートメイカーによるレイドバックサウンドは必聴。

バンドマンたちの手でセルフDIY。窓辺のDJブース&サウンドシステムは、音響屋でもある店長ケンタさんの渾身作だ。ビール片手にタコスをつまみ、今の気分で流されたレコードの音を耳に心地いい時間が流れる。レコードリクエストも大歓迎で「ここで聴きたい」と持参する人もいるとか。ジャズやヒッブホップの中古レコード販売もあり。

レコードをかけるケンタさん。
レコードをかけるケンタさん。
『PECKHAM』の2階が『LONG PARTYRECORDS』。
『PECKHAM』の2階が『LONG PARTYRECORDS』。
住所:東京都足立区千住旭町22-5/営業時間:12:00〜23:00(イベント時変更あり)/定休日:不定

料理ごとにスパイスの表情が変幻『SPICE UP CURRY ことこと、』

本日のビリヤニ1050円はビーフキーマ。ルーローハン風、明太など、時々で替わる。しらすとパクチーの白和え510円、マサラポテトサラダ560円、カルダモンサワー660円。
本日のビリヤニ1050円はビーフキーマ。ルーローハン風、明太など、時々で替わる。しらすとパクチーの白和え510円、マサラポテトサラダ560円、カルダモンサワー660円。
和出汁と味噌のチキンカレーが昼の名物!
和出汁と味噌のチキンカレーが昼の名物!

「スパイスは300種もあって奥が深い」とは、グリーンカレーでスパイスにハマった店主の鈴木孝太朗さん。夜のスパイス酒場では、韓国唐辛子がベースのラー油、スパイス10種入りフライドオニオンが決め手のマサラポテトサラダなど、独創的。注文ごとにフライパンで作るビリヤニも香り豊か。

住所:東京都足立区千住仲町45-11/営業時間:11:00〜14:30LO・18:00〜20:30LO(月・水は昼のみ)/定休日:火

住宅地の秘密基地で革小物と酒に耽溺『DVELP(ディベルプ)』

バータイムはタコス、ピザなどの料理も楽しみ。
バータイムはタコス、ピザなどの料理も楽しみ。
クリッカーという昭和の機械で革を裁断。金型も千住製。
クリッカーという昭和の機械で革を裁断。金型も千住製。
鬼木さん手製のマリンバッグ1万3800円~、サコッシュ1万1000円~など。
鬼木さん手製のマリンバッグ1万3800円~、サコッシュ1万1000円~など。

元町工場をセルフDIYしたアトリエ兼ショップは、さまざまな革を用いたカラフルポップな革小物に加え、古着、帽子、オリジナルアパレルなどが揃い、クール。アパレル経験もある店主の鬼木祐輔さんは「地元千住でモノづくりがしたい」と革工房『天神ワークス』を経て独立。週2のバーに加え、2026年8月から喫茶も開始。

レザーコーチジャケットが爆誕。
レザーコーチジャケットが爆誕。
住宅地に潜む。
住宅地に潜む。
住所:東京都足立区千住大川町8-11/営業時間:11:00〜19:00(11:00〜15:00は喫茶併設。水・土はバータイム19:00〜24:00)/定休日:日・月・木

鮮魚料理と洋菓子の華麗なる合わせ技『路地裏 久九(くく)』

本日のお刺し身盛り合わせは1~2人前2000円、炙りカモわさ990円、名物自家製さつま揚げ1940円、「来福」1合1320円(地酒は770円~、半合あり)。
本日のお刺し身盛り合わせは1~2人前2000円、炙りカモわさ990円、名物自家製さつま揚げ1940円、「来福」1合1320円(地酒は770円~、半合あり)。

路地裏民家の門を潜(もぐ)れば、店主の久松直人さんが足立市場で目利きした旬魚の色ツヤの美しいこと。舌に吸い付くマグロ、香味が広がるカツオなど刺し身の盛り合わせは外せない。また、入り口脇のショーケースに洋菓子がずらり。妻の舞さんはパティシエで、2022年の開店当初から二枚看板で営む。

ケーキ770円は8種あり、テイクアウトも可。
ケーキ770円は8種あり、テイクアウトも可。
漁師めしなど、締めごはんも充実。
漁師めしなど、締めごはんも充実。
住所:東京都足立区千住3-35-13/営業時間:11:30〜13:30LO(売り切れ次第終了)・17:30〜22:00LO(日は21:00LO)/定休日:火不定・月
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天晴(あっぱ)れなる下町コミュニティー

千住は商店街が元気だ。なかでも駅から離れた大門商店街には精肉店、和菓子店、酒屋など、住民たちが頼りにする商店が健在だ。「忙しい親に代わって、地域の人たちが縁側でお菓子を出してくれたんです」とは、ローカルスーパー『ヤオシチ』3代目。そして、世話になった地元と商店街のためにと『せんむすび 縁側SPACE』を開いた。子供たちが宿題する脇で妙齢客がおしゃべりし、『鳥ふじ』の焼き鳥、『ふなちゅう』のコロッケをほおばる学生もいて、その自由なカオスが心地いい。しかも、和菓子屋『喜田家』の元店長・菊地さんがお母さん的存在で、輪を仕切り、世話を焼く情景はまさに台所そのもの。

かつての宿場町は今、人でにぎわう商店街に。
かつての宿場町は今、人でにぎわう商店街に。
タコさんと電車を一緒に楽しむ千住東町公園。
タコさんと電車を一緒に楽しむ千住東町公園。

商店街を抜ければ、路地がまるで迷路。探検気分で彷徨(さまよ)えば、路地裏に看板が。『ことこと、』店主の鈴木孝太朗さんは、千住のシェアハウス仲間で向かいの『編境』オーナー山本さんに誘われ、店を開いたとか。また、落語家が暮らした元民家の『路地裏 久九』では、酒肴のみならず、まさかの洋菓子にうれしい悲鳴。店主の久松直人さんいわく、海外からのリピーターまでいるという。なんて、ワールドワイド!

街の外から呼び寄せうねりを作るスポット続々

千住は松尾芭蕉が奥の細道へ出発した地。
千住は松尾芭蕉が奥の細道へ出発した地。

小窓から心地よい音が漏れ聞こえて『PECKHAM』に入れば、ジャケットアートが壁を彩るレコードカフェ。ぺッカムと、テムズ川南のサウス・ロンドンに位置する街で、音楽好きに知られたスポットだ。「千住も川に挟まれ、歴史とカルチャーのある街。シンパシーを感じるんですよ」と店長のケンタさん。奥の階段を上がれば、『LONG PARTY RECORDS』、通称ロンパリが控える。実はこの2軒、千葉の柏で活動するバンド「FILTAR」の豊方亮太さんがオーナーで、音楽仲間で運営。週末イベントも人気で、「音楽を楽しむなら、渋谷より千住のほうが面白い!」と豪語するDJもいるほど。

迷路路地が随所に。
迷路路地が随所に。

廃墟を活用した『BUoY』はアート系が大注目。劇場の特異な空間を思いっきり使って、回遊しながらパフォーマンスする演者のあとを観客がついて回るなど、独創性に舌を巻く。スタッフの「演じる側も遊べる場ですから」と、ほほえむ姿も印象的だ。

最たるは『DVELP』だ。革小物のアトリエ&ショップの週2バーは、ストリートカルチャーのごった煮の様相。料理担当は店主・鬼木祐輔さんの「学区は違うけど、子供の頃からの公園仲間」で、一見いかついのに、目がやさしい。

東武スカイツリーラインの線路下道は高さ1.6m。
東武スカイツリーラインの線路下道は高さ1.6m。
空襲前までやっちゃ場だった旧日光街道沿いで往時の名残を発見。
空襲前までやっちゃ場だった旧日光街道沿いで往時の名残を発見。

千住のあちこちで感じた、世話好き、人好き、コミュ力の高さは、宿場町の気風に加え、子供の頃から鍛え抜かれた賜物(たまもの)か。他愛もない話からアイデアが飛び交い、イベントに発展することも多々。面白がり精神にのれば、いつの間にやら自分も楽しい渦の中にいる。

北千住駅西口の飲み横は夜の名所。
北千住駅西口の飲み横は夜の名所。

取材・文=林 さゆり 撮影=逢坂 聡
『散歩の達人』2026年9月号より

毎月ピエール瀧さんと一緒に公園の魅力を探求していく「ファンキー!公園」!今回は東京都足立区です。おとぎ話をモチーフにした遊具で遊べる、舎人(とねり)いきいき公園に来ました。
「東京の東端に、めっちゃいい酒場があるらしい」。そんなタレコミを耳にして好奇心がむくり。他の端っこも、いい酒場あるんじゃね? 街の風情も、違うんじゃね?無計画でも行けば分かるさ! 東京23区東西南北最端鉄道駅の旅、スタート!
大河ドラマの影響か、注目を浴びている江戸時代。その江戸期の古地図(切絵図)を見ながらの東京散歩がとても面白いことをご存じだろうか? 今回は、安政3年(1856)の「根岸谷中日暮里豊島辺図」を手に歩く千住大橋・谷中・西日暮里の散歩コースを紹介。タイムスリップを楽しむ特別な散歩体験を!