今回のリニューアルは、1993年の開館以来はじめての大規模改修。施設全体の内外装が更新されたほか、地下鉄大江戸線両国駅からの歩廊を増設したり、JR総武線両国駅西口からの動線上に光天井を採用したりと、入り口までの道のりも新たな装いに。照明や冷暖房には環境に配慮した設備を導入し、エントランスホールにあった壁を撤去して開放感ある空間に改修するなど、利便性やバリアフリー機能も向上した。
また、世界の名だたる建築を手がける建築設計事務所OMAのパートナーを務める建築家・重松象平氏の監修で、空間演出をアップデート。鳥居をモチーフにした工作物や大型映像の投影など、現代から時を遡(さかのぼ)って江戸時代へと足を踏み入れたような没入感を堪能できる演出が加わった。
さらに、これまでは「朝野(ちょうや)新聞社」として展示されていた模型を建て替え、明治時代に銀座の象徴だった「服部時計店」を史実に基づき実物大で再現した展示も目玉の一つ。江戸時代の代表的な芝居小屋「中村座」のファサードを復元した大型模型は、内部にも入ることができる仕様になった。これは、過去に来場者の希望が多かったことから実現したのだとか。
街を深く楽しむには、その成り立ちや変遷を知ることが欠かせない。散歩の目的地の一つに進化した『東京都江戸東京博物館』を加えれば、東京の解像度がぐっと高くなるはずだ。
取材・文=中村こより 写真提供=東京都江戸東京博物館
『散歩の達人』2026年4月号より







