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旅の手帖 2026年6月号
旅の手帖 2026年6月号
北前船など流通に恵まれ、いまもその独自に発展してきた個性的な文化が風景、建築、食、庭園……あらゆるところに表れている金沢。そして能登は、巨大地震の復興の最中だが「来てほしい、見てほしい」という現地の気持ちがある。この2年の道のりといま体験すべき能登の旅へ案内。

上毛(じょうもう)の街に、山に、文化薫る新風が吹く

街なかのさらに真ん中。馬場川通り沿いの老舗宿『白井屋』が生まれ変わったのは、2020年末のこと。「地域再生・創生のために、『白井屋ホテル』は再スタートを切りました」とフロントマネージャーの萩原沙希さん。

建築家・藤本壮介が設計を手がけたホテルは、4階まで続く吹き抜け空間が美しい。1階のザ・ラウンジは、カフェラウンジとして昼間は誰でも利用可能(予約推奨)。地域の憩いの場としても愛されている。

『白井屋ホテル』のザ・ラウンジを見下ろす。吹き抜けには配管をイメージしたアート作品。
『白井屋ホテル』のザ・ラウンジを見下ろす。吹き抜けには配管をイメージしたアート作品。

ホテル再生と時をほぼ同じくして、中央通りや弁天通り界隈も活気が戻ってきた。前橋市産業経済部の田中隆太さんは、店の所有者と街なかで商売をやりたい人をつなぐ“マチスタント”として活動。

「何か始めたいと相談のあった方には、一緒に街なかを2時間ほど歩いて雰囲気やむかしから商いしている方々を知ってもらうんです」

毎月3日にフリーマーケットを開催する弁天通り。
毎月3日にフリーマーケットを開催する弁天通り。
弁天通りと中央通りにあるブックのボックス。本を自由に寄付したり借りたりできる。
弁天通りと中央通りにあるブックのボックス。本を自由に寄付したり借りたりできる。
広瀬川沿いには、パンとコーヒーの店『はるぱん』。
広瀬川沿いには、パンとコーヒーの店『はるぱん』。

牛歩のように丁寧に夢を応援する姿勢で、マッチングした店舗は計60軒。その店主の声は──。

「ファンが支えているような個人店が集まり、その魅力の掛け算で街に活気が生まれています」(『LAUGH COFFEE(ラフ コーヒー)』の神戸篤樹さん)

「自分が高校生のときはシャッター街でしたけど、田中さんと歩いたら瀟洒(しょうしゃ)なカフェや若い店主が増えていてびっくり。こういう場所なら書店を開業したいと思いました」(本屋 『水紋(すいもん)』の小澤亮太さん)

金山さん夫婦が営む、書店・学習塾・アトリエの『hengeni(ヘンゲニ)』。マチスタントの田中さん(左)が空き物件を紹介した。
金山さん夫婦が営む、書店・学習塾・アトリエの『hengeni(ヘンゲニ)』。マチスタントの田中さん(左)が空き物件を紹介した。
『本屋 水紋』の小澤亮太さん。「2026年9月から開催の『前橋国際芸術祭』で街なかがさらに盛り上がれば!」。
『本屋 水紋』の小澤亮太さん。「2026年9月から開催の『前橋国際芸術祭』で街なかがさらに盛り上がれば!」。
『本屋 水紋』は前橋ゆかりの書籍も充実。
『本屋 水紋』は前橋ゆかりの書籍も充実。

市民の視点から街なかを元気にしたいと始まった店が、『あんこもん』。代表の本橋豊さんは、地域活性の旗印に“あんこ”を選んだ。

「あんこがテーマなら、街づくりへのハードルも低くなるかなと。全12回のワークショップには5~81歳が参加し、お店で出すレシピをみんなで決めました」

郊外や赤城山周辺にも強烈な磁場を放つスポットが。2023年に誕生の『道の駅 まえばし赤城』は、まえばしバナナをはじめ、地産食材の直売所、焼きまんじゅうなどのグルメに赤城山のペンキ絵の温浴施設と、前橋の魅力が百花繚乱!

赤城山の鳥居峠では、前橋出身の糸井重里さん主宰の「ほぼ日」が営む、『ほぼの駅 AKAGI』がオープン。店長の三ツ井朋大さんいわく「赤城山には新キャンプ場ができ、ビジターセンターも生まれ変わります。季節で変わる眺望を楽しんで、ひと息つきに『ほぼの駅』にも遊びに来てほしいです」。

『道の駅 まえばし赤城』のまえばしバナナ絹シフォンサンド780円。
『道の駅 まえばし赤城』のまえばしバナナ絹シフォンサンド780円。
2026年4月にグランドオープンした『ほぼの駅 AKAGI』。
2026年4月にグランドオープンした『ほぼの駅 AKAGI』。

「普段は入れない! 赤城白樺牧場 秘密の絶景ツアー」

前橋観光コンベンション協会はレンゲツツジが咲く、普段は入れない牧場”秘密の楽園”を案内するツアーを2026年6月1〜15日に開催(写真=前橋観光コンベンション協会)。
前橋観光コンベンション協会はレンゲツツジが咲く、普段は入れない牧場”秘密の楽園”を案内するツアーを2026年6月1〜15日に開催(写真=前橋観光コンベンション協会)。
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『ほぼの駅 AKAGI』大自然への出発駅にも待合室にも

「ここから雲海のLIVE映像も配信します」と三ツ井さん。
「ここから雲海のLIVE映像も配信します」と三ツ井さん。
赤城南麓で育ったブラウンスイス牛のミルクで作る、あかぎのソフトクリーム680円。
赤城南麓で育ったブラウンスイス牛のミルクで作る、あかぎのソフトクリーム680円。
むっちりトンバーグ(写真奥)はごはんと日替わりスープのセットで1980円。
むっちりトンバーグ(写真奥)はごはんと日替わりスープのセットで1980円。

元ケーブルカーの駅舎が、「遊べるライブカメラ」など情報発信基地に生まれ変わった。赤城山麓産の豚を使うあかぎのうま豚汁 塩むすびセット1430円などの食事提供に加え、駅名入りのオリジナル商品も注目!

☎027-287-8444
10:00~16:00(ランチは11:30~14:00)、不定休
群馬県前橋市富士見町赤城山鳥居峠
JR両毛線前橋駅からバス1時間4分の覚満淵入口(直通バスは土・日・祝のみ)下車、徒歩6分

吊り下げて遊べるUFO自由自在2860円。
吊り下げて遊べるUFO自由自在2860円。
特製切符ホルダー880円など物販も充実している。
特製切符ホルダー880円など物販も充実している。

『Bentena SHOP』マチナカのB面を弁天通りから発信

街なかの個人店店主の社交場でもある。
街なかの個人店店主の社交場でもある。
ホッピーの奥にあるのが前橋グッズコーナー。レトロなキーホルダーの販売も気になる。
ホッピーの奥にあるのが前橋グッズコーナー。レトロなキーホルダーの販売も気になる。

前橋のおもしろい店や遊びを発信できるよう、グッズの販売や各店のショップカードを設置。人が集まりやすいように、と三冷ホッピー500円も提供する。「小さな個人店など前橋のB面の魅力も伝えていけたら」とスタッフの岡田友大(ともひろ)さん。

☎090-3510-6113
17:00~21:00(土・日は15:00~20:00)
月・木休
群馬県前橋市千代田町3-3-24
JR両毛線前橋駅からバス5分の千代田町三丁目下車、徒歩4分

『白井屋ホテル』アートに囲まれて泊まる贅沢

改修では各階の壁や床を大胆に排し、軽やかならせん階段を設置。
改修では各階の壁や床を大胆に排し、軽やかならせん階段を設置。
南側の外壁にはローレンス・ウィナーの作品を掲示。
南側の外壁にはローレンス・ウィナーの作品を掲示。

全体設計は「大阪・関西万博」の大屋根リングも監修・設計した藤本壮介。藤本やジャスパー・モリソンなど4人のクリエイターが手がけたスペシャルルームのほか、吹き抜け空間の『Lighting Pipes(ライティング パイプ)』、フロントの杉本博司『海景』シリーズなど各所にアートが!

☎ 027-231-4618
素泊まり1万8272円~
28室
群馬県前橋市本町2-2-15
JR両毛線前橋駅から徒歩15分

客室のレアンドロ・エルリッヒ ルームにも、吹き抜けと同じような水道管の作品が壁や天井に。
客室のレアンドロ・エルリッヒ ルームにも、吹き抜けと同じような水道管の作品が壁や天井に。
フロントマネージャーの萩原沙希さん。「宿泊者限定で館内アートツアーも一日2回、無料開催しています」。
フロントマネージャーの萩原沙希さん。「宿泊者限定で館内アートツアーも一日2回、無料開催しています」。

『LAUGH COFFEE(ラフ コーヒー)』中央通りにスペシャリティの若葉萌ゆ

自家焙煎の豆をハンドドリップする神戸さん。
自家焙煎の豆をハンドドリップする神戸さん。
エチオピア580円。夏から軽食の提供も始めるが、それまではフードの持ち込みOK。
エチオピア580円。夏から軽食の提供も始めるが、それまではフードの持ち込みOK。

光差し込むガラス張りの空間は、カウンターで立って飲む人もいたり、イスでくつろぐ人もいたり。オリジナルブレンドと、スペシャリティコーヒーのシングルオリジン2~3種があり、ビターから浅煎りまで味わいは幅広い。

☎ 090-9006-4456
10:00~18:00
月休(祝の場合は営業)
群馬県前橋市千代田町2-10-1
JR両毛線前橋駅から徒歩19分

『パーラーレストラン モモヤ』世代を超えて愛されるワンパク洋食

tontonナポリタン1100円はデミグラスソースのナポリタンと上州麦豚のソテーが大迫力。
tontonナポリタン1100円はデミグラスソースのナポリタンと上州麦豚のソテーが大迫力。
3代目の日詰有実さんをはじめ、ほがらかな接客が魅力。
3代目の日詰有実さんをはじめ、ほがらかな接客が魅力。

70年前に初代がラーメンやかつ丼を出す食堂を開業し、2代目から洋食も提供。パティシエの3代目夫妻が作るケーキも人気に。デミグラスソースからドレッシングまで手作りという味に惹かれ、4世代にわたって通う常連も!

☎027-231-5017
10:00~18:30LO
水と第3水の翌日休
群馬県前橋市千代田町2-12-2
JR両毛線前橋駅からバス3分の本町下車、徒歩2分

『あんこもん』愛さえあればあんこは自由だ

こしあんのしそ(左)やつぶあんの山椒(右)などおはぎ各300円。エクレあん450円。
こしあんのしそ(左)やつぶあんの山椒(右)などおはぎ各300円。エクレあん450円。
「6月頃にはブルーベリーとあんこの商品も出します」と店主。
「6月頃にはブルーベリーとあんこの商品も出します」と店主。

あんこ好きの市民が集い、レシピを考案。カルダモンやゆず、山椒などの個性派おはぎやエクレあん、あんトッツォ500円など、自由な発想のスイーツであんこの魅力を引き出す。暑い季節は、のむあんこICE500円(上写真の奥)が最高!

☎027-212-7090
11:00~17:30(売り切れ次第終了)
月・火休
群馬県前橋市千代田町3-4-7
JR両毛線前橋駅からバス5分の千代田町三丁目下車、徒歩3分

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取材・文・撮影=鈴木健太
『旅の手帖』2026年6月号より

『アドベンチャーワールド』の人気者・パンダが返還されちゃった……南紀白浜。が、町長が原点回帰を謳い、温泉やビーチといったもともとある魅力を改めて磨き上げ。一方で、新たな施設やお店を展開する老舗も。海開きの初夏を迎える白浜が、いまおもしろい!
秋が来る。東は魚沼丘陵、西は東頸城(ひがしくびき)丘陵に囲まれた雪国に、短い秋がやってくる。「大地の芸術祭」の舞台でもあり、米どころでもあり、山々の紅葉が美しい盆地の山里で、実りのフルコースを満喫!
日本標準時の基準となる東経135度線。その経線=子午線が通り“時のまち”の愛称をもつ明石は、昼網で有名な明石浦漁港を抱える“魚のまち”でもある。ピンクの桜鯛が春の訪れを告げる明石へ。
東海道五十三次の42番目の宿場として栄え、いまもおおよそ1㎞四方のめぐりやすい範囲に史跡が点在する桑名。ハマグリをはじめ、名産品も多い美(うま)し国・三重の玄関口で“新旧のいいもん”を訪ねた。
修験道の開祖とされる役行者(えんのぎょうじゃ)が開山した、大峯山(おおみねさん)。洞川(どろがわ)地区は、標高1719mの霊峰へ向かう修験者をもてなす行者宿として栄えてきた。近年は温泉街・避暑地としても人気を博す山岳信仰の里を歩いた。