【散歩コース】

スタート:王子駅はJR京浜東北線で上野駅から9分・180円。地下鉄南北線・都電荒川線の利用もできる。

JR京浜東北線・地下鉄南北線・都電荒川線王子駅→(1分/0.1㎞)→飛鳥山公園→(3分/0.2㎞)→紙の博物館→(1分/0.1㎞)→北区飛鳥山博物館→(1分/0.1㎞)→渋沢史料館→(9分/0.6㎞)→音無親水公園→(1分/0.1㎞)→王子神社→(7分/0.5㎞)→王子稲荷神社→(3分/0.2㎞)→名主の滝公園→(15分/1.0㎞)→北とぴあ 展望ロビー→(2分/0.2㎞)→JR京浜東北線・地下鉄南北線・都電荒川線王子駅

ゴール:王子駅からの交通は、スタート参照。

今回のコース◆約3.1㎞/約45分/約4200歩

江戸時代から続く桜の名所「飛鳥山公園」

徳川8代将軍吉宗が、江戸っ子たちの行楽地にするため桜を植えて名所になった。ソメイヨシノやサトザクラなど約600本のほか、約1万5000株のツツジや約1300株のアジサイが咲く。

「飛鳥山公園」詳細

紙専門の珍しい博物館『紙の博物館』

世界有数の紙専門の博物館。和紙・洋紙を問わず、紙に関する資料を幅広く収集し、保存・展示する。常設展では、紙の製造工程や種類、紙の歴史や紙の工芸品などを紹介。

『紙の博物館』詳細

住所:東京都北区王子1-1-3/営業時間:10:00~16:30/定休日:月(祝の場合は翌平日)/アクセス:JR京浜東北線・地下鉄南北線王子駅から徒歩5分

北区のことが詳しくわかる『北区飛鳥山博物館』

北区の歴史や自然、文化に関する展示を14のテーマに分けて紹介する博物館。武蔵野台地と東京低地の境となる北区の成り立ちや古代人の暮らし、江戸時代の飛鳥山などを学べる。3階は北区ゆかりの作家の企画展。

『北区飛鳥山博物館』詳細

住所:東京都北区王子1-1-3/営業時間:10:00~16:30/定休日:月(祝の場合は翌平日)/アクセス:JR京浜東北線・地下鉄南北線王子駅から徒歩5分

日本近代経済社会の創造者『渋沢史料館』

2024年度に発行された新1万円札の顔となった渋沢栄一。「栄一の思いにふれる」「91年の人生をたどる」「幅広い活動を知る」という3つのテーマで渋沢栄一の生涯と思想を伝える。

『渋沢史料館』詳細

住所:東京都北区西ケ原2-16-1/営業時間:開館日・開館時間は渋沢史料館HPで要確認/アクセス:JR京浜東北線・地下鉄南北線王子駅から徒歩5分

江戸情緒が漂う水と緑の公園「音無親水公園」

音無川(石神井川)の旧流路に整備された公園。江戸時代には浮世絵にも描かれた景勝地で、水路や権現の滝、舟串橋などが再現され、往時がしのばれる。日本の都市公園100選にも選ばれている。

「音無親水公園」詳細

住所:東京都北区王子本町1-1-1/営業時間:入園自由(親水施設は9:00~16:00)/アクセス:JR京浜東北線・地下鉄南北線王子駅から徒歩1分

徳川吉宗が飛鳥山を寄進した「王子神社」

元亨2年(1322)に当時の領主・豊島氏が紀州熊野三社から王子大神を分霊したのが始まりという。紀州出身の徳川8代将軍吉宗は、この神社が紀州にゆかりがあることを知ると飛鳥山の土地を寄進した。境内の大イチョウは都の天然記念物。

「王子神社」詳細

住所:東京都北区王子本町1-1-12/営業時間:参拝自由/アクセス:JR京浜東北線・地下鉄南北線王子駅から徒歩3分

1000年以上続く関東稲荷総司「王子稲荷神社」

康平年間(1058~1065)に源頼義から関東稲荷総司の称号を頂く。境内にある狐の穴跡は落語「王子の狐」の舞台。

「王子稲荷神社」詳細

住所:東京都北区岸町1-12-26/営業時間:参拝自由/アクセス:JR京浜東北線・地下鉄南北線王子駅から徒歩8分

斜面を巧みに利用した回遊式庭園「名主の滝公園」

安政年間(1854~1860)、王子村の名主が自邸に築いた滝。昭和20年(1945)の空襲で焼失したが、15年後に再公開された。水しぶきをあげる落差8mの男滝が往時の景観を想像させる。

「名主の滝公園」詳細

住所:東京都北区岸町1-15-25/営業時間:9:00~16:30(時期により変更あり)/定休日:無/アクセス:JR山手線・地下鉄南北線王子駅から徒歩13分

飛鳥山や王子の街を一望する『北とぴあ 展望ロビー』

北区の産業と文化の拠点・北とぴあの最上階17階にある展望ロビー。三方に窓があり、南側は飛鳥山公園、北東側は筑波山、南西側は秩父連山が望める。北区が誇る絶景スポットだ。

住所:東京都北区王子1-11-1/営業時間:8:30〜22:00/定休日:不定(要問い合わせ)/アクセス:JR京浜東北線・地下鉄南北線王子駅から徒歩2分

【王子グルメを堪能!】

落語にも登場する名物店『扇屋』

慶安元年(1648)創業。落語『王子の狐』にも登場する料理屋。名物は家伝の出汁を混ぜて焼いた厚焼き玉子。卵9個分を使った1折1300円、ハーフ650円。現在は持ち帰りのみ販売。

『扇屋』店舗詳細

住所:東京都北区岸町1-1-7 新扇屋ビル1F/営業時間:13:00~19:00/定休日:水(不定あり)/アクセス:JR京浜東北線・地下鉄南北線王子駅から徒歩10分

モチモチとした弾力がたまらない『石鍋久寿餅店』

明治20年(1887)創業。くず餅は、小麦デンプンを木桶で1~2年間発酵させ、発酵臭や酸味を取り除くため水にさらして蒸し上げる。くず餅(小)2~3人前740円。手作りするあんみつ540円もおすすめ。

『石鍋久寿餅店』店舗詳細

住所:東京都北区岸町1-5-10/営業時間:テイクアウトは9:30〜18:00(土・祝は〜17:00)、イートインは要問い合わせ/定休日:日/アクセス:JR京浜東北線・地下鉄南北線王子駅から徒歩3分

【街探検】飛鳥山を愛した渋沢栄一は、この地を終の棲家とした。渋沢栄一と飛鳥山

晩香廬(ばんこうろ)。
晩香廬(ばんこうろ)。

渋沢栄一は、天保11年(1840)に現在の埼玉県深谷市に生まれた。家業を手伝う一方、父に読み書きを習い、次いで従兄の尾高惇忠(後の富岡製糸場初代場長)から「論語」をはじめとする学問を学ぶ。その後、一橋慶喜に仕え、パリ万国博覧会(1867年)を視察するなど見聞を広め、やがて実業界の指導的な役割を果たすようになる。

渋沢が創設・育成に関わった事業は、明治6年(1873)に設立した第一国立銀行をはじめ約500に及び、約600の社会公共事業(福祉、教育など)や民間外交にも尽力するなど、日本近代経済社会の創造者として大きな役割を果たした。

明治12年(1879)には、創立に携わった製紙会社(のちの王子製紙)の工場を見守ることができる飛鳥山に別邸を構え、内外の賓客を招く場として利用した。渋沢はこの地を愛し、「曖依村荘(あいいそんそう)」と呼び、明治34年(1901)から亡くなる昭和6年(1931)までは家族と過ごす生活の場として使用した。

『渋沢史料館』はその一角に立ち、旧渋沢庭園に立つ大正建築の「晩香廬(ばんこうろ)」と「青淵(せいえん)文庫」は、国の重要文化財に指定され、一般公開されている。

取材・⽂・撮影=アド・グリーン
『散歩の達人 歩きたい人のための 東京散歩地図』より