半澤隊員が驚いた、パーティー気分になれる「おうちで町中華」のすすめ
テイクアウトで見えてきた、町中華の新しい楽しみ方
町中華の醍醐味はお店そのものを味わえるということだ。店主やおかみさんとのやりとり、味のある店内、昭和からその姿を変えない外観など、料理以外の魅力を体感できるのも町中華の良さだ。……ということを本連載では語り続けてきたが、今回はこんなご時世ということもあり、過去に「町中華探検隊がゆく!」で取材した名店でお持ち帰りに挑戦した。いざ料理を集めてみると、びっくりするほど食卓が華やかになり町中華パーティーがスタート。その豪勢さにも感動したが、面白いのはテイクアウトだからこその発見があったということだ。
「町中華のテイクアウト、かなりアリですね!」と話すのはマグロ隊員だ。「『お茶の水、大勝軒』さんのメンマの存在が立ち上がってきます」と、お店でいただくのとはひと味違う、テイクアウトだから体感できた味わいに感動。「『ことぶき食堂』さんのブタカラを、『大勝軒』の麺つゆに付けるなんてこともできるよ」と山出隊員は夢コラボにトライ。複数店舗をテイクアウトするとこんな楽しみ方も叶ってしまう。私、半澤も「『中華いちむら』さんのチャーハンは、このしっとり感がたまらないわ!」と思わずつぶやくほど。テイクアウトゆえの味わいの虜になってしまった。テイクアウトすることで、町中華メニューの奥深さと、面白さを改めて痛感する結果に。これまでテイクアウトをしたことがなかった人も、ぜひお持ち帰り中華に挑戦して! お店とはまた違う喜びを感じるはず。
あのブタカラが家にやってきた! 荻窪『ことぶき食堂』
高級ラードにこだわり、通し営業なのにいつ行ってもおいしい揚げ物を提供してくれる『ことぶき食堂』。ニンニクの香りがたまらない豚の唐揚げ700円、コロッケ500円が家で食べられるとは。定食の場合はそれぞれプラス200円!
団地で愛され続けるあの味を!豊洲『中華いちむら』
豊洲の団地中華『中華いちむら』は昔は出前をやっていたが今は行っていない。しかし、コロナウイルス禍で出前の問い合わせも多くテイクアウトをスタート。餃子520円、春巻き520円、チャーハン800円、肉キャベツ丼810円。温かい麺以外は持ち帰り可能!
名物もりそばの味の深みを感じる!『お茶の水、大勝軒』
『お茶の水、大勝軒』でお持ち帰りしたのは、かの旧東池袋大勝軒の味を継ぐ、特製もりそば820円。しょっぱさ、甘さ、すっぱさのバランスがたまらない。家でもレンチンすれば「あつもり」が楽しめる。麺がのびないうちにいただくべし。
※テイクアウトした料理はできるだけ早く食べることをおすすめします。
取材・構成=半澤則吉 撮影=山出高士
私、半澤は東京の荻窪に住んでいるが、このコロナウイルス禍で大きな変化を目にした。荻窪ラーメンの名店『春木屋』が接触を防ぐために食券を導入したのだ。歴史ある店も「変化」を迫られる時代なのだなとつくづく。ほかにもコロナ対策を行っている飲食店は多く、テイクアウトできる町中華も明らかに増えた。と、思うと「実は元々テイクアウトやってるんだよ」という店も少なくないのが、町中華の面白いところだ。出前同様に「持ち帰り」も町中華が培ってきた文化の一つなのだ。そんなわけで今回は初の試み、都内各地の名店で料理をテイクアウト。3店舗の料理を集めたら、何これ? 完全に町中華パーティーじゃん! おうちで町中華、こりゃ、流行りますぞ!