数々の名店を取材してきた町中華探検隊が、中華にとどまらず和食や洋食も併せ飲む「町中華」の気になるメニューや文化を研究。第11回は「町中華についてくるスープ」。前編では町中華探検隊が出前やテイクアウトについて思いの丈を語りました。後編では、スープが印象的なお店をご紹介!

トロ隊長が考える、“ついてくるスープ”について

トロ

チャーハンや定食を頼むとちょこんとついてくるスープってありますね。正直、存在感はあまりない。ありがたがられることもない。そもそもメニューではないので、存在意義や味付けについて真剣に考えたことのある人も少ないと思う。でも、あのスープがなかったらと考えてみてください。これはもう、途端にメニューの魅力が落ちる。チャーハンと水、味気ないですよ。定食には味噌汁も合うけど町中華らしさは減る。脇役のスープがあるからメニューが輝くんです。そう思って飲んでみると、店ごとに味が違うことに気づかされる。メニューがしょっぱい味付けの店には薄味のスープがついてくるもの。味の調整役として、いぶし銀の働きがある。だかた、ときにはゆっくり味わって飲んでみてください。気分は「いつもありがとう、サイドスープ!」なんですよ。

無料スープに込められた熱い思いを感じるべし

あえて説明するまでもないことだが町中華は、ラーメンを提供している店が多い。ほとんどといってもよいだろう。それゆえ、サービスとして無料で提供されることが多いのが中華スープだ。定食やチャーハンを頼むと、自動的についてくる“アレ”。ラーメンのスープをそのまま使う店もあるだろうが、ネギを散らしたり、卵を入れたり、そもそもラーメンのスープとはまるで別物を用意したりと、店ごとにサイドスープの趣はだいぶ異なっているのが面白い。そしてスープには、普段スポットライトが当たらないものだからこその愛おしさがある。

スープか豚汁か。本気で迷う早稲田『五芳斉』

チャーハン750円などにつく、これぞ町中華というサイドスープが実においしい。そして、プラス80円で豚汁にパワーアップ。「ついつい頼みたくなるのが豚汁マジック! あれをいつも仕込んでいるのがスゴい」と、半澤隊員は熱弁する。どちらを選ぶかはかなり悩ましい問題、メニューを選ぶ楽しみをさらに奥深いものにしてくれている。

※現在、チャーハン、豚汁の提供はお休み中。9月~復活予定

住所:新宿区榎町41/営業時間:11:00〜14:30・18:00〜20:00/定休日:土・日・祝/アクセス:地下鉄東西線早稲田駅から徒歩10分

大豆が隠し味のまろやかな一杯 神楽坂『龍朋』

『龍朋』の大人気メニュー、チャーハン770円のおいしさを影で支えるのが、まろやかなスープだ。大豆などが入りミルキーな仕上がりで、チャーハンをかっ喰らう推進力となる。「チャーハンをレンゲに入れてスープに浸して食べる人がいて、真似したら、これがいい感じだったんですよ」と、マグロ隊員は通の食べ方を激賞する。

住所:新宿区矢来町123 第一矢来ビルB1/営業時間:11:00〜23:00(土・祝は〜22:00)/定休日:日・祝の月/アクセス:地下鉄東西線神楽坂駅から徒歩1分

錦糸卵が舞う美しいスープの西新宿『登喜和』

オムライス800円など定番メニューには中華スープが添えられる。麺類も人気の店だけに澄んだスープはスッキリしたしょうゆ味で美味。見目麗しい錦糸卵がひらひらと揺れ、カイワレの緑が映える!「スゲー美しいと思った」と山出隊員はその美しさを絶賛。ご飯ものと相性抜群、ボリューミーな料理も多い店だがスープのおかげでスッと平らげることができる。

住所:新宿区西新宿6-26-9/営業時間:11:30~15:00・17:30~20:00(金は昼のみ)/定休日:土・日・祝/アクセス:地下鉄丸ノ内線西新宿駅から徒歩6分

取材・構成=半澤則吉 撮影=山出高士